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カテゴリ:日本の作家 道尾秀介
月と蟹 2010年9月発行 文藝春秋 333p 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 「ヤドカミ様に、お願いしてみようか」「叶えてくれると思うで。何でも」やり場のない心を抱えた子供たちが始めた、ヤドカリを神様に見立てるささやかな儀式。やがてねじれた祈りは大人たちに、そして少年たち自身に、不穏なハサミを振り上げる─やさしくも哀しい祈りが胸を衝く、俊英の最新長篇小説。 評価 ★★ 小学生の慎一と春也と鳴海と。 それぞれ 父がいなかったり 父から虐待されていたり 母がいなかったり。 恵まれてるとはいえない家庭環境の中で育っている 彼らが願いを託した相手は 海辺でつかまえたヤドカリ。 子供たちの 閉塞感と疎外感と無力感。 どうしようもない気持ちの吐き場としての残酷な行為。 細かな情景や行動の描写により くっきりと浮かび上がる登場人物の感情。 小さな願いは 次第に大きな願いへと変容していく。 それは 彼らが大人になるために 避けようのないことだったのでしょうか。 暗い、陰鬱な雰囲気の一冊。 たぶん 文学的にはよく書けているのだと思います。 でも 上手なことと 好みかどうかということは 別物なんだな~と 思いました。 どうか これで直木賞をとられて 前のような 「やられた~」とうなされるドンデン返しも 書かれる道尾さんに戻られることを 切に願っております。 選考委員の作家さん もう難癖つけることなく ぜひ道尾さんに直木賞をあげて下さいませ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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