カテゴリ:サイエンス&テクノロジー
先日、食事と運動の生活習慣が寿命を支配している核心的メカニズム(アディポネクチン)を紹介した(前述のブログ参照)。
記事の末尾で、遺伝子操作が寿命を操作する道を拓いていることに触れた。 ここにきて、不老不死の科学的実証可能性が視野に入ってきたと考えるので書き留めておく。 現段階での結論は不老不死は、例えば次の2つのメカニズムの組み合わせにより実現できる。 ①身体のヒトゲノム生成 ②追体験強化学習による意識生成 ①身体のヒトゲノム生成は、デザイナベイビーの誕生の事実からもわかるように、科学技術的にはほぼ確立済みである。 自身のDNAのみで身体のクローニングを生成することもできるし、 自身の希望を踏まえて遺伝子操作した受精卵による生成もできる。 科学的な解決課題は、物質的に生成された身体にどのように心を埋め込むかにある。 宗教では、人が生まれ変わるという概念は日常であり、信じられている。 キリスト教ではイエス・キリストの復活が説かれており、仏教では万人の輪廻転生が教えられている。 蓄積された宗教的叡智を活用できるならば、物質的に老化した身体を自身の意識が離れ、 ①でヒトゲノム生成された身体に乗り移れば不老不死が完成する。 しかし、この方法での不老不死の獲得は、凡人には困難である。 生まれながらの徳の高さ(お釈迦さまやイエスさまのような偉人)かあるいは 全身全霊の長期の修行が求められるのだろうと想像する。 ②追体験強化学習による意識生成は、 生まれてから現在までの体験と環境をコンピュータサイエンスを用いて再現し、 さらに、自らが模範となって新しい意識(心)をトレーニングして人工生成(クローニング)しようというものだ。 人工意識の完成度が高まれば、自身の意識が自然に移入して溶け込むことができる。 これにより本当の人工知能が完成し、不老不死の生命が誕生する。 これ以外にも多くの方法論で科学技術的な不老不死の実現は着実に進んでおり、 実証・実装は時間の問題となっている。 ところで実際に、「死」がなくなってしまったら、 全く追いついていないのが、制度的、倫理的準備である。 そもそも人間が人間であるということ、それは死があること、寿命があることと同義であった。 人は死があるからこそ、今どう生きたらいいのか、絶えず考えるようになった。 社会倫理も、宗教的救済の体系も、死が存立基盤となっている。 死を意識しているからこそ、美しいものを愛でる心、人を憐れむ心など 人は心を成長させ、人は社会を進化させることができたのだと考える。 心と遺伝子とコンピュータサイエンスの融合を研究・実践する中で、 Python(ニシキヘビ)に戦慄した体験が、上記のインスピレーションに繋がった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.04.19 10:18:57
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