いかりや長介と片岡鶴太郎と大河ドラマ
今、NHKの大河ドラマは「篤姫」。中でも小松尚五郎役の「瑛太」と家定役の「堺雅人」に注目している。大河ドラマで見るまでは、あまり印象になかったのだけど、この「篤姫」で、二人の存在感に目がいってしまって、今ではすっかりはまっている。堺雅人は同じ大河ドラマの「新撰組」にも出ていたのは覚えているのだけど。それにしても大河ドラマは、いろいろなジャンルの人を使ったりするからとても興味深い。戦国時代では、よく蜂須賀小六役にプロレスラーなど人が配されたりするし。そしてジャンル違いだと思うのに、でも大河ドラマの演技が評価されたのかはわからないけど、俳優に転身した人もいる。しかも今ではすっかり俳優としての実績のほうが高く評価されている人もいるし。その代表がなんと言っても、ドリフターズの「いかりや長介」とそれまでは物まね芸人という印象の「片岡鶴太郎」二人とも大河ドラマの前半で死んでしまう役柄だけど、なぜかとても印象深かった。いかりや長介が出ていた大河ドラマは「独眼竜政宗」。渡辺謙を一躍スターにした作品だけど、彼もすごくよかったけど、わたしは鬼庭左月役を演じたいかりや長介がとても印象に残っている。ちょうど「8時だよ! 全員集合」が終わった頃で、どうしたかなと思っていたときに登場したのだから、ちょっと驚いたのもあったし、うまくやれるのだろうかと思ったことも覚えている。今でも覚えている初シーンは、廊下を駆けてずっこけるシーンだった。まるでドリフの延長のような出だしではあったのだけど、遠藤基信役の神山繁との掛け合いがとてもおもしろくて、最後には一人の役者としてまた鬼庭左月として見ていた。「独眼竜政宗」のあとの彼の活躍は周知のごとく、完全にすばらしい俳優さんになっていた。なくなられたのがとても残念。また片岡鶴太郎も、同じように驚いた役者の一人。彼は大河ドラマ「太平記」の北条高時役を演じて、とても印象に残っている。それというのも、それまで物まね芸人という印象しかなかった彼が、息をのむような迫力で北条高時を演じていたから。とても現任とは思えない力があった。それからだと思う。彼は芸人としてではなくて、俳優として大きくなっていったと思う。今ではいろいろなドラマの主役をやっているし。今はもう芸人当時の雰囲気はほとんどない。先日、昼のNHKのトーク番組に出ていたときにちらりとそんな感じが見えたけど。それにしても大河ドラマは、いろいろな役者さんを育てる番組でもあるんだね。