寝かせるバンペイユ
バンペイユ。晩白柚。私が初めてコヤツの存在を知ったのは、世紀末だった。ワールドポーターズ(神奈川県横浜市)の食品棚に、黄色く巨大なミカンが陳列されておったげな。私の眼が黄色く巨大なミカン・バンペイユにくぎ付けになっていると、その時一緒にいた男の人が、「バンペイユは、ものすごくおいしいんだ」と、自慢げに話してきた。それはもうムショーに買いたくなった。しかし、残念なことに、私の資金力は、バンペイユの価格以下だった。バンペイユは、\5,000もする、超高級品だったのである。買ってもらえるわけないだろドアホウ。寝言は寝てから言え。買ってもらえなかった悲しさとか、世間では成人してるくせにクリスマスプレゼントをもらったりしている奴がいるという悔しさとか、横浜のみなとみらいの着飾った若者たちへの劣等感とか、当時はそういうものがたくさんありました。・・・今もたくさんあるけど。私はいつかバンペイユを食べてみたいなぁ、いつか自分のお金で買ってやろう、と、思いました。それから数年たち、今年の正月、みちのくの某所でバンペイユを発見しました。\1,500だった。そして\1,500持ってたから買った。\1,500というと、通常食に換算して15食分くらい。でも、買っちゃうの。いいの。いつもはものすごくケチな私が、ミカンごときに\1,500も払おうとしているので、ハニーが若干なだめにはいりました。が、こればっかりはどうにも止まりません。わぁ!バンペイユ、すごくいい香りだ!バンペイユは、食べごろになるまで、1ヶ月くらい床の間に飾ることができます。うちの低所得荘(アパート)には、床の間なんてないけどね。バンペイユが食べごろになると、部屋中にプワァァァ~~~~~~ンと香るらしいので、それまで気長に待つとします。ハニーにも食べさせてあげよう。皮は、砂糖で煮ておやつにするんだ。