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テーマ:食糧事情(14)
カテゴリ:視・紙・誌面から
まあ、役所というところはなんとことの本質が分かっていないのだろう。ウクライナの戦闘状態で食料が入ってこなくなり、慌てたのだろうか。食料増産なんて、今更よく言えたものだ。日本の農業を壊してきた張本人が、みかん農家に小麦を作れと言うようなものだ。
日本の食料自給率が低いのは今に始まったことではない。「兵糧攻め」にされたらひとたまりもない状態で、流通が止まったら飢えることは目に見えている。輸入に頼れば、それだけ二酸化炭素が増える。経済的に安定しない大多数の零細農家を商工業に振り向けた人材配置を見直し、自国生産を進めるのがスジというものだろう。 そして、食料作りは土作りなのである。作物によってカスタマイズする、これだけでも時間がかかる。それをしないと増産にはならない。また、命令を出したからといって、収穫が出来るのは先のこと。今日始めて、明日出来るというような世界ではない。また生物のフローラも大きな問題だ。土壌微生物、小動物、害獣など変動要素は生活圏にたくさんある。気候だってコントロールできる訳ではない。 このことは畜産にも共通することだ。飼料を育て、家畜を育て、排泄物を処理することは、大きな食物連鎖が回らなければ出来ないことだ。ミサイルのようなつまらないものにカネを消費するどころの騒ぎではない。そして戦争というものが、人や生物を殺し、食料を失うことも認識するべきだ。 更に、食料市場の奇妙な価格設定も見直す必要がある。買い手がほぼ一方的に価格を決める。そんな生産品が他にあるだろうか。自動車、文房具、道具・・すべて生産者が販売価格を決める。なぜに食料品だけがそういう扱いを受けるのか。人間、食料なくしては生きて行けないのだが。 「これを作れ」と命令するなら、それに見合う土地や資機材を提供するのがスジだろう。土地なんて、一度荒らしたら回復には長い時間がかかる。食料費を節約しようと思ったら、自分で作ることだ。年金生活になって自分で作ることの難しさと楽しさに触れることになったが、消費者自身が作ることの大変さを知れば、「野菜が高くて困る」なんては言えないはず。大きなキャベツを作るのは大変なことなのだ。 地方で出来た食料を都会で売ることが、いかに無駄なエネルギーの多いことか、考えてみて欲しい。折しも、イチゴが毎日採れる時期だ。畑に食べに行く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年05月11日 22時30分42秒
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