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2021.04.25
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プロのつぶやき1104「スペシャルティコーヒーの焙煎で一番大切なこと」

GWも月火定休日で変わりありません、月火以外は通常営業しています。

緊急事態宣言が出て、千葉市は蔓延防止重点措置の区域になりました。さかもとこーひーは千葉市でも郊外の住宅地ですし、カフェではありませんので・・・蜜を避けて、マスク消毒換気を徹底して、通常営業しています。

ウイルスに忖度はありませんので、日本中世界中が非常時になっていますが・・・あまりイライラしないようストレスためないよう意識して自分や家族を守っていきましょう、くれぐれもご自愛ください。

そんな中・・・まだまだ千葉市内でも自家焙煎店が増えています、自家焙煎店は店開いたからといってお客さん気軽に来てくれませんし、商売を軌道に乗せるのはかなり大変です。仕入れ焙煎販売に加えて焙煎機のメンテナンスと結構やること多く・・・しかも暇なときはやることないのですが、お客さん増えて焙煎量増えてくると急激に仕事量が増えてきます。

よくあるのは、暇なときは焙煎機の掃除ばかりしていて・・・忙しくなると掃除が後回しになって、排気が悪くなったり、焙煎機の故障につながったりすることです。

かといってスタッフさん増やすほど売上ありませんので、ブラックな働き具合になります。さかもとこーひーは開店当時から朝6時から仕事して終わるのが8時9時とか、しかも無休で、次に祝日だけ休んだり、週一定休日になるまで数年かかりました。最近のお店は最初から隔週2日定休日とかがあって、それでやっていけたらすごいと心配してしまいます。

さらに、仕入れや焙煎、ブレンド、販売とかなり専門的な知識や技術が必要ですが・・・スペシャルティコーヒーの焙煎のメソッドが確立されていないので、料理やパン、ケーキのように基本を学べば一定のレベルに上達するというわけにはいきません。(だからカフェ併設して、ドリップにフォーカスしてしまいがちなのかもしれません)

そんなこんなで・・・カフェのスタッフさんから将来焙煎をしたいと言われました。色々と質問されて、せっかく大学行っているんだから就職した方が良いと思うけどと年寄りなりのアドバイスをしましたが・・・本気で焙煎したいんだったらとスペシャルティコーヒーの焙煎で一番大切なことを伝えました。

焙煎をしようと思うと・・・今は30年前40年前より情報がありますので・・・焙煎機のメーカーによる違いだったり、データの取り方だったり、焙煎のプロファイルだったりを聞かれます。

それよりも大切でプロでもマニアでも多くの人が見逃していることを伝えました。

まず、味の仕事をする上での原則は・・・自分の味覚レベル以上の美味しさは作れないということです。

スペシャルティコーヒーで言えば、カッピングの向上が土台になります。

大手ロースターの焙煎技術はとても成熟していると思いますが、だからと言ってスペシャルティコーヒーにそのまま通用するわけではありません。素材のポテンシャルが違いますし、普段焙煎している素材が違いますし、その味わいを届けるお客さんも違います。

で、最初は美味しいと思う店のコーヒーを飲み続けて基準を作ることからスタートです。しばらくは(半年、1年)そのコーヒーだけカッピングし続けるのをお勧めします。最初から色々と比べていると遠回りになります。

僕は45年前紅茶の基準を身体に作るためにリプトンの青缶をずーっと飲み続けました。ポンド缶を何缶空けたことか。スコッチならデュワーズを飲み続けました。

カッピングするコーヒー以上の味覚にはなれないので、カッピングトレーニングするコーヒーを何にするかも大切になります。自家焙煎店だと自分の店の豆をカッピングすることが多いので、そこに壁が立ちふさがります。

そして、昔よりデータが取りやすくなりました、焙煎プロファイルのデータソフトも色々とあるようです。ツールとして助かりますが・・・そこに本質はありません。そのデータが効果的なのかを判断するのはカッピングです。

さかもとこーひーはロースティングポイントは1℃単位で決めているがその判断をするのもカッピングです。

素材を見極めるカッピング、焙煎を見極めるカッピング、ブレンド作りのカッピングと必要です。

さかもとこーひーがサポートしている店の豆を10g送ってもらいカッピングしてアドバイスしていますが・・・排気、ボトムの温度、水分抜き、ロースティング工程、ロースティングポイントなどのどこに問題があって、どう調整するかが分かります。

それは、焙煎データ、基準、カッピングの繰り返しでできた焙煎のカッピングです。

インポーターの方々は素材の評価はプロであっても焙煎のカッピングはトレーニングしていないでしょう。ブレンドのカッピングも同様です。

インポーター、ロースターによって求められるカッピングスキルが違ってきます。

そして、最後にお客さんの感じ方にもフォーカスすることです。同じコーヒーを飲んでも、お客さまによって感じ方はそれぞれ様々です。さらに、お好みも違ってきます。

美味しさはあるものではなくて、感じるものですから・・・自宅用や趣味なら自分が美味しいと感じるもので良いのですが、プロになるのなら、お客さんが美味しいと感じる美味しさを出さなければいけません。

勿論、店ごとに店主ごとに好みやスタイルはありますが、それでもその店の中での美味しさの幅が必要になってきます。

料理界でも引用される世阿弥の「風姿花伝」に「我見、離見、離見の見」という話しを読んだことがあります。

「我見」は役者自身の視点、「離見」は観客の視点、「離見の見」は役者が観客の立場になって自分を見ることだそうです。

味の仕事も同じで・・・常連さんの立場になって自店の味を見ることも大切です。

よくあるのが、こんなに良い素材使って、手間をかけているのに、お客がわかってくれないというような考え方です。それは自分の視点の美味しさや技術になっているわけです。

こういう話しは息子にしかしないのですが・・・若い焙煎希望者がいたので書いてみました。

さかもとこーひーは「部屋中にひろがる香りと後味の美味しさ」を大切にしています。






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Last updated  2021.04.25 08:59:45
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岡田昌徳@ Re:プロのつぶやき1223「27歳で最初の独立」(08/13) 色々あったけど、純粋に懐かしいですね!…
はじまりの春@ Re:「はじまりの春」(03/23) はじまりの春の知りたいことは、089624445…
ハンサムクン3714@ Re:プロのつぶやき1040「技術と成熟」(02/02) はじめまして。勝手に訪問させて頂いて、…
Mikye 市右衛門@ Re:プロのつぶやき896「ターナーのペアリングレポート」(04/23) ブログ読ませて頂きました。今度お伺いし…

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