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カテゴリ:アート
栃木県の足利市立美術館、柳原義達展に行ってきました。
![]() 柳原さんは「手」で有名な高村光太郎らの影響を受けてロダンについて学び、戦前から彫刻制作を始めました。 戦争によって作品のほとんどが焼失したうえに戦後の混乱にあって一時創作意欲が減退するものの、フランスに渡るなどして具象彫刻の新たな分野を切り開きました。 【犬の唄と道標】 柳原さんの代表作に「犬の唄」があります。 等身大の裸婦像で、反戦を表現した歌の題名からとったそうです。 本作はシリーズ化し、その後も繰り返し作成されています。 「道標」も柳原さんの代表作で、鴉や鳩を題材にした彫刻作品です。 モチーフとなった生き物たちの生命力に感銘を受け、自分の進むべき方角を示す道標として生み出した作品だそうです。 本作も繰り返し作成されました。 本展でも鳩の作品がたくさん展示してあって、鳩のいる公園みたくなっていました。 【本質を表す彫刻作品】 柳原さんの作品は表情や指先などの細かい所はあまり描かない作風でした。 ですが全体のバランスや動きがとても細密に表現されています。 吾輩はリハビリの仕事をしていますが、作品から感じるバランスの動きが全く違和感がありませんでした。 それほど的確に重心やバランスの動きを捉えているのかなと思いました。 柳原さんによると「生命の力の移動を見、その移動によってプランが構成される芸術は、絵では出来ない。ただ一つの彫刻の世界、特に具象の作家の仕事ではなかろうか」と語っています。 その言葉を聴くと、なるほど移動に重きを置いているからこそ、あれほど動きが違和感なく伝わってくる作品ができるのだなあと思いました。 また、そうした動き・移動を表現するのは絵よりも彫刻のほうがより深く描くことができるのかもしれませんね。 本展は2021年8月15日まで開催です。 まだ期間がありますので、皆さま足を運んでみてください。 ![]() よかったらクリックお願いします。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.06.27 20:00:06
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