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サカナ男爵の本とゲームにおぼれて

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2024.03.24
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カテゴリ:小説・ノベル
殺人鬼(サイコパス)狩りのご紹介です。

※本記事はネタバレを含みます。


【中古】 殺人鬼狩り/二宮敦人(著者)

【あらすじ】
東京から1000キロ離れた羊頭島(ようとうじま)にある刑務所から、5人の囚人が脱獄しました。
彼らは多くの殺人を犯したサイコパスです。
周囲への被害拡大が懸念され、一刻も早い対応が求められました。

事態解決のため、警視庁は警官隊に一人の女性を同行させます。
彼女の名は園田(そのだ)ユカ。
かつて13人を殺したサイコパスでした。
こうして孤島を舞台にサイコパス対サイコパスの殺し合いが始まるのでした。


【殺人鬼紳士録】
本作は殺人鬼ごとに章分けされていて、各殺人鬼にスポットを当てています。
これが思いの他読みやすく、物語の構成にも技量を感じました。

「血のナイチンゲール」伊藤裕子
怪我人を看護することに執着していて、しまいには自分で「看護する対象」を作り出すようになりました。
幼い頃虐待を受けていた彼女は、他人を救うことに自分の存在意義を感じていました。

彼女が罪悪感を感じているのは怪我人を救えなかったことで、他人を傷つけていることには何も感じていない所がヤバいですね。


「ごはん男」高橋光太郎
自分より弱い高齢者や子どもを標的にし、さらに殺した相手の穴という穴にごはんを詰めます。
ですがこの異常性は計算されたもので、被害者の遺族をより苦しめるために行っています。
日本に住んでいればごはんを目にしない日は無いでしょう。
遺族がごはんを目にするたびに苦しむようにしているのです。

この話は構成が上手でした。
警官隊と読者は事前の資料で高橋のことを知っていました。
ですが実際に会った高橋はおびえ切った卑屈な男で、とてもそんな犯行をするようには見えませんでした。
それがひとたび標的と認識すると……

高橋の卑屈さと残虐性のコントラストが印象深いです。
彼の過去も社会の縮図を表しているようで、全体に胸くその悪い展開に仕上がっています。


「膣幼女」川口美晴
男性を誘惑し、寝た相手を殺す殺人鬼です。
彼女は幼い時から魅力があり、あらゆる男たちが彼女を求めました。
どんな言葉を持ち出したところで、人の考えることもやることも変わらない。
そのうち「ルールなんてものは最初から存在しない」「ルールとは都合よく使われるもの」と考えるようになります。

まあそうなるよねと思いながら読み進めると「本当に強いものはルールなど必要としない」「だって無駄じゃん。弱い者も生かしておくなんて」。
……あれ? 雲行きが怪しくなって来ます。

やがて彼女は別れ話がこじれて危害を加えられそうになった時「そうか。男は捨てる前に殺しとくのが楽ってもんだわ」という結論に達します。
そうかじゃない(笑)。体験に因らない、ナチュラルにヤバい思考回路はさすがサイコパスですね。


「真面目ハンド」山本克己
傭兵をしていたこともある、筋骨隆々な中年男性です。
素手による絞殺にこだわっており、恐怖のあまり自殺を図った被害者をわざわざ救命処置をしてから絞殺したこともありました。
そんな彼についた二つ名は真面目ハンド。

彼にとってはルールを守ることが何よりも優先することになっており、その徹底ぶりから不気味さが漂っています。
美晴がルールなんて初めから存在しないと言っていたこととの対比が面白いですね。


「人形解体屋」霧島朔也
今回の脱獄事件の首謀者であり「人類の天敵」「人類滅亡の一つのサンプルケース」と言われています。
彼いわく「自分ほど人間を愛していた者はいない」とのこと。
愛していて興味があるからこそ、彼は多くの人を解体し、人間を理解しようとしました。
そして彼は「飽きて」しまいました。
子どもがおもちゃに飽きて急に興味が無くなってしまったように、霧島は人間に対する興味を失ってしまいました。

以降彼は何にも興味を持てなくなってしまいました。
脱獄はしてみたものの、それも彼の心を震わせることはできませんでした。
全体を包む物憂げな虚無感がラスボスにふさわしいですね。


「真紅の妖精」園田ユカ
本作のヒロインです。
自分を暴行しようとした変質者13人を皆殺しにした過去を持ちます。
虫は殺してもいいけど人間はダメ。こうした「普通の」人間が持っている感覚を、彼女は持ち合わせてはいません。

それでもユカは人間と生きて行きたいと願いました。
常習的に動物を殺していたのも、普通の感覚を理解しようとしていたが故というのが切ないですね。
高宮との交流を通して新しい感情に目覚めた彼女はどのような未来を歩むのでしょうか?


「殺さない才能」高宮晴樹
新米警察官であり、普通の人間代表です。
命に頓着しないユカの言動を不気味に思いながらも、普通に生きられない彼女の苦しみに同情しました。
ユカも高宮に対して、自分を気味悪く感じる理由をちゃんと話してくれた人は初めてだと驚いていました。

言下にサイコパスを拒絶するのではなく、ユカを1人の人間として理解しようとする姿勢が印象的でした。
また異常犯罪者だから殺してしまえという結論は出さず、あくまで殺さずに逮捕しようとするところが、サイコパスたちとの対比で面白かったです。



本作はただのグロ小説ではなく、サイコパスたちの過去や思考についても細かく描写されていたのが良かったです。
恵まれない環境やきっかけとなる体験についても描かれていますが、何よりもサイコパスたちの独特な思考回路まで描いているのがすばらしいです。
「あれ? これって、こうした環境に生まれなくてもいずれ人を殺してたんじゃ……」みたいなヤバさが味わい深いです。

とはいえ基本的に臓物がまろび出る小説なので、苦手な方は注意して読んでください。



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最終更新日  2024.03.24 20:00:09
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