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坂野上事務所・本音の日記

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November 21, 2007
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カテゴリ:事務所経営

昨日、政府税制調査会の来年度税制改正に関する意見が出ました。去年の首相官邸主導での税制改正とは全く逆方向を向いた、増税色が大変豊かなものとなっていました。また、税制改正は改革路線を逆行しもとのさやに納まってしまうのでしょうか。

法人税については国際的に高いとされる税率の引き下げを見送るというもの。なんでも、企業優遇だという批判があるからだとか。

所得税については配偶者控除の廃止か縮小。ということは配偶者特別控除もおなじような取り扱いになるのでしょう。それと年齢16歳以上23歳未満の人の特定扶養親族の廃止。いずれも意義が薄れてきたということと女性の社会進出を促す意図があるということだそうです。配偶者の勤労意欲をそいでいるのは税よりむしろ健康保険・年金の方だと思いますし、大学全入時代を目前に控え、特定扶養親族の意義が薄れてきたというのは全く意味が分かりません。意義が薄れているのはむしろ生命保険料控除や勤労学生控除のような気がしますが。

相続税については全体の4%程度しか申告・納税の義務がない現状を見直してもっと多くの人に負担を求めようというもの。要するに基礎控除を下げて税収を上げていこうということなのでしょう。確かに現在の基礎控除はバブル経済の頃に引き上げられたものをその後の改正なしで現在に至っているものです。それを是正しようとするのは一定の理解はできますが、国際的にみても金持ち年配層から若年層への財産移転を促して消費税や法人税で徴収した方が得策との見方から相続税は縮小・廃止の方向にあります。アメリカ合衆国でも連邦税では来年のブッシュ大統領の任期満了後に相続税の廃止が既に決まっていますし、ニュージーランドでも税法は残すものの、税率は当分の間ゼロ%にすることになっています。

我が国の相続税の税収は1兆円強と消費税の1%分にも満たない小さなものです。私もこんな国民いじめの税法をなくして世代間の財産移転を促し、消費税・法人税で徴収した方が国の歳入も大きくなると思います。しかし、国も国民もトクをするこの相続税廃止に何故踏み切れないのか。詳しい理由は分かりませんが、国の既得権益感と相続税に携わる公務員の地位保証といったことがかかわっているような気がしてなりません。

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最終更新日  November 21, 2007 07:56:55 AM
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