屋根はa roof、それともthe roof?
Day 40:今日もサミト君の英語の宿題をちょっと覗いてみましょう。問題:空所に冠詞 a または the をいずれかを入れなさい。1. We’ve bought (___) house, but found that (___) roof leaks when it rains.2. We are going to have a regular meeting on Monday. (___) idea was suggested by our manager. Day 38で冠詞 the の最終的な決定は修飾(関係詞節)の有無ではなく、聞き手(読み手)にその名詞が自動的に特定できるかどうかという話し手の判断です、という説明をしましたね。では「聞き手(読み手)に名詞が特定できる」と話し手が判断できるのはどのような場合があるかを考えてみましょう。大きく別けると、次の4つの場合があります。[1] 話の中に既に出た名詞を指す場合[2] 話の中に既に出た名詞や事柄に関連するものを指す場合[3] その場の状況から判断できるものを指す場合[4] 常識から判断できる場合今日の問題は[2]の「話の中に既に出た名詞や事柄に関連するものを指す場合」です。では、サミト君の答えを見ながら解説しましょう。1. We’ve bought ( a ) house, but found that ( the ) roof leaks when it rains.[訳]家を買ったのだけど、雨が降ると屋根が雨漏りするのですよ。最初の house は初めて登場した家だから、聞き手(読み手)はどの家か特定できませんよね。したがって、話し手は聞き手が家を特定できないと判断して不定冠詞 a を用いるのです。もし定冠詞 the を使うと聞き手(読み手)が特定できる家になるので不自然ですよね。聞き手は突然「その家を購入しました」と言われても、目が点ですよね (@o@) もちろんこの文の前に「この家」が既に出た名詞ならば話は別です。でも、その場合はふつう代名詞 it で受けるでしょう。後半の roof は初めて出てきた名詞ですが、話の中に既に出てきた購入した家の屋根だと聞き手(読み手)は特定できますね。だから話し手は聞き手が屋根を特定できると判断し定冠詞 the を用いるのです。2. We are going to have a regular meeting on Monday. ( The ) idea was suggested by our manager. [訳]月曜定例会議を開催する予定です。その案は部長が出しました。一見すると、当然出てきた名詞のようにも見えますが、前半の文を読めば、この idea が「月曜定例会議を開く」という idea、と特定できますよね。だから話し手は聞き手が idea を「月曜定例会議を開く案」だと特定できると判断し定冠詞 the を用いるのです。1.の文も2.の文も適当に不定冠詞 a/an を用いると意味が通じませんよ。問題文のような簡単な文なら間違えてもおそらくネイティブは理解してくれるでしょう。しかし、ビジネスなどで使われる重要な文章では大きな誤解につながる可能性もありますよ。ちなみに1と2の文で不定冠詞 a/an を使って考えてみましょう。1. We’ve bought a house, but found that a roof leaks when it rains.[訳]家を買ったのだけど、雨が降るとある屋根が雨漏りするのですよ???2. We are going to have a regular meeting on Monday. An idea was suggested by our manager. [訳]月曜定例会議を開催する予定です。ある1つの案は部長が出しました???とても不自然でしょ。例えば1の場合、a roof は聞き手には特定できない屋根なのだから、どこか別の家の屋根を想像させてしまい、聞き手はチンプンカンプンです。2の場合は、「ある1つの案」と言われても聞き手はやはりチンプンカンプンですよね。さらに、Day36の「文末焦点の原則」を覚えている人は An idea が文頭に置かれることが不自然であることもわかりますよね。覚えていますか、旧情報から新情報へ流れるという英語の基本構造「文末焦点の原則」。Day36で、不定冠詞 a/an は新情報を提供し、定冠詞 the は旧情報を提供すると説明しましたね。この原則を考えれば、旧情報 The idea が文頭に置かれ、旧情報から新情報 (by our manager) へ流れるという英語の基本構造「文末焦点の原則」に一致していますね。たかが冠詞と思われるかも知れませんが、冠詞 a と the ではこれだけ情報内容が異なるのです。冠詞の基本用法がわかっても、我々ノンネイティブにとっては、やはりハードルの高い文法規則の1つです。後は「習うより慣れよ」、つまり、ネイティブの冠詞の語感に少しでも追いつくにはこの基本用法を意識しながら、より多くの英文をどんどん読むことです。では、次回も冠詞の英語脳を作る練習をしましょう。ではまた、See you next time.皆さんの学習のお役に立ったでしょうか?よろしければクリックして下さいませ⇒人気blogランキングに皆さんの優しいご協力をお願いします<(^^)この英語学習に関連したメルマガも発行しています。かなりマジな英語学習メルマガです。英語に自信のあるかた、または英語をより深く学習してみたいかたは是非登録して問題を解いてみて下さい。登録はこちら:Yahoo!メルマガ - そこが知りたい、英文法!日本人が繰り返す間違い!TOEICなど他の英語ブログも書いています。是非チェックしてみて下さい。英語学習ブログ 英語克服の秘訣!TOEICブログ TOEIC裏技先生日記ブログ Life in Vancouver