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三角猫の巣窟

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2024.03.25
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2021年に大阪の進学校の私立清風高校の試験でカンニングした2年の生徒が自殺して、遺書には「このまま周りからひきょう者と思われながら生きていく方が怖くなってきました」とつづられていたそうで、教師の不適切な指導が原因だとして両親が約1億円の損害賠償を求めて学校を訴えたことがニュースになっていた。若者が亡くなったのは残念だけれど、カンニングはいけないと思うので、これについて考えることにした。

●カンニングとは何か

カンニングは試験の時にメモを見たり他人の答案を見たりしてずるをすることである。英語のcunning(ずるい)が語源の和製英語で、英語ではcheating(不正行為)という。明治時代に先にカンニングという言葉が紹介されてチーティングでなくカンニングという言葉が定着したようである。
大学受験や資格試験とかの大事な試験ではたいてい試験監督がいて不正行為がないように監視していて、試験中にトイレに行ったりしていったん退室した人の試験会場への再入室を禁止したり、試験に遅刻した人の入室を禁止したりしている。試験に持ち込んで机の上にのせて使ってよいものにも制限があって、スマホやスマートウォッチやワイヤレスイヤホンとかの外部と通信できる機器はたいてい認められない。法科大学院の入試だと書き込みや付箋がない六法全書を持ち込んで参照してもよかったり、FP試験で電卓を使ってもいいように、試験中に本を参照したり電卓を使ったりすること自体が絶対だめとわけではなくて試験で禁止されていることをやるのが不正行為にあたる。

・カンニングの手法

カンニングペーパーと呼ばれる紙に試験に出そうな箇所の情報を書いて、試験中にこっそり見るのが代表的なカンニングの手法である。試験監督の人数が少ない場合は共犯者が気をそらした隙に回答を盗み見たりする。試験の身分確認が厳格でない場合だと替え玉受験が行われることもあるし、オンラインで回答する試験も替え玉を使われたりする。昔は紙くらいしか記憶媒体がなかったのでカンニングペーパーをちらちら見るような不審な行動をしている人を警戒する程度の対策でよかったけれど、テクノロジーの発展とともにカンニングの手法も多様化していて対策が大変になっている。
不正の仕方に国民性も出るようで、インドだと親が学校の壁をよじ登って子供にカンニングペーパーを届けたり、ロープで壁にぶら下がって集団カンニングしたりしてたびたび問題になっている。中国だとカンニング専用の腕時計型デバイスや金属探知機にひっかからない超小型イヤホンや消しゴム型ディスプレイとかのハイテク技術を使ったカンニングをしているようで、電子機器の持ち込みを禁止して4G電波を遮断しても5Gで通信したりして抜け穴を探ってカンニングをしていて、日本の大学を受験する中国人留学生のカンニングが見つかったりしているので日本でも外国の最新のカンニング手法に対応しないといけない。ホワイトハッカーが脆弱性を発見するみたいに、学校でも試験の欠陥を見つける目的でカンニング大会を開いて対策を強化したらよいと思う。

・カンニングの罰則

試験では公平な条件で同じ問題に対する回答能力を競っているからこそやる意味があるので、その条件に違反して不正をする人は試験の成績を取り消されて罰則を受ける。カンニングに対してどういう罰則があるかは学校によって違うだろうけれど、私が知っている大学だと試験でカンニングをしたらその期に受講した全科目の単位が取り消されたり、停学処分になったり、コピペレポートを提出した場合は校内の掲示板で学科と名前を公表されて単位なしになったりしていた。日本だとカンニングに対して刑事罰はないけれど、中国だと高考(ガオカオ)と呼ばれる普通高等学校招生全国統一考試でカンニングすると最長7年の懲役刑になるそうな。
私立清風高校の場合は教師に叱責された上に全科目0点、自宅謹慎8日間、写経80枚、反省文の作成という罰があったようで、写経は何のためにやるのかよくわからないけれど、それ以外は特に厳しい罰則というわけでもないだろう。

●カンニングをやる理由

・認知能力の低下

人間が車を使うようになって運動能力が落ちたり、パソコンを使うようになって漢字を書けなくなったりするように、科学が発展して生活が便利になるほど必然的に人間はそれまで使っていた能力を使わなくなって能力が衰えていく。これは必ずしも悪いことばかりではないけれど、スマホ依存になって記憶力が思考力が落ちることは明確に悪いことだと言える。
最近はスマホばかり使ってデジタル健忘症になって記憶力が落ちている30代未満の人が多いようで、これは脳がエネルギーを節約したがって、調べればすぐにわかる情報は重要でない情報だと脳が判断して長期記憶に残らないのが原因のようである。例えば単語を調べる時にインターネットですぐ検索するよりも労力を使って紙の辞書でじっくり調べる方が脳の活性が高まるそうな。さらに脳は何もせずにぼんやりしているときにデフォルトモードネットワークで活動していて情報や思考を整理しているけれど、スマホ依存の人は移動中もトイレや風呂や就寝前の布団の中でもずっとスマホを使っていてぼんやりする時間が無くなって、脳内の情報が整理されないまま散らかった状態になっていることが思考力や集中力が低下する原因になっている。スマホを使っていなくても手元にスマホがあるだけでも気が散るという研究結果もある。パソコンが登場した時は問題にならなかったのにスマホがいろいろ問題になっているのは、パソコンはワープロの上位互換機として職場に据え置いて主に資料作成やデータ管理とかの情報のアウトプットに使っているのに対して、スマホは持ち運びしてSNSや検索などで主に情報のインプットに使うという違いが大きいのだろう。必要な時にだけインターネットを使って情報を参照したりデバイスに情報を記録しておいて参照するのは作業としては効率がよくても、ずっとスマホを手元に置いていじりっぱなしなのは学習としては効率が悪いわけで、参照と学習は別の行為としてそれぞれの是非を考えるべきである。最近は暗記して速さや正確さを競う認知能力は外部デバイスで代替できるので創造力とかの非認知能力を高める事に注目が集まっているけれど、それでもある程度の情報は長期記憶として学習しておかないと既知の情報を基にした複雑な思考ができなくなって創造力もなくなってしまうので、認知能力が大事でなくなるわけではない。職場のデジタル化による作業の効率化はやるほうがよいと私は思うけれど、学校のデジタル教育が子供の認知能力の低下を招くのであれば高校生まではノートとペンを使ったアナログな学習を優先するほうが実際の学習効率はよいかもしれない。
インターネットの検索やAIにも思考力を低下させかねない問題があって、Googleは検索結果に直接情報を表示するようになったけれど、この機能が便利な一方でタイパ志向の若者は抜粋部分だけで満足してサイトにアクセスしてソースの全文を確認したり他のソースと比較したりしなくなった。さらにはChatGPTが登場して、物事を論理的に考えて根拠や整合性を検証する過程をすっ飛ばして簡潔な結論だけアウトプットできるようになった。読売新聞の「中学1年生250人の半数超、理科の課題で同じ間違い…教諭の違和感の正体は生成AIの「誤答」」という記事だと、都内の私立中学校で唾液アミラーゼの働きを調べる課題を出したら生成AIの回答を生徒がそのまま書き写していて同じ間違いをしていたそうだけれど、時間をかけて複数のソースを調べていたら間違いに気づけただろう。
すでに学習を終えて自分で物事を考えて判断できる大人が便利な道具としてスマホや生成AI使う分にはあまり問題ないだろうけれど、これをそのまま子供に使わせて適応させるのは危険で、スマホが登場して20年程度しか経っていない現代でもすでにデジタルネイティブ世代の認知能力の低下の問題が出ているのだから、あと20年くらいしてAIネイティブ世代が大人になったら脳の記憶を司る海馬、読み書きの統辞処理を司るブローカー野、思考を司る前頭葉の能力が落ちると思う。最近はSNSで根拠なしに直感で感情的に具体性のないクソリプする人が多くて、根拠に基づいて具体的に論理的に意見を言える人があまりいなくて他人と建設的なコミュニケーションをとることさえ難しくなりつつなる。
そんでカンニングの問題に戻ると、大学受験までは記憶力とかの認知能力が重要なのに日常的に外部デバイスに頼ることで記憶力や思考力が低下して、デバイスに頼らない勉強の仕方がわからないことがカンニングする動機になるのだと思う。そのうえ思考力がないと失敗した時に多面的に物事を考えて立ち直るレジリエンスがなくなるので、失敗を極端に恐れて、不正をしてでも失敗したくない、失敗したらもうだめだ死のうという極端な思考をして打たれ弱い豆腐メンタルになりやすくなるのじゃなかろうか。

・チートとハックの蔓延

チートは前述のように不正行為のことで、特にオンラインゲームでチートが多い。例えばFPSとかのオンライン対戦ゲームで負けるストレスが嫌で金を払ってチートツールを買ってでもウォールハックやオートエイムや無敵や移動速度上昇や無限弾薬とかのチートを使って無双したがる人が大勢いて、ゲーム開発者とチートツール開発者のいたちごっこになっている。チーターはゲームを壊す行為を悪いとも思っていないし、プロゲーマーやストリーマーでもチートを使っているのがばれて信用を無くした人が少なからずいる。
ハックは技術的な方法で問題を解決することで、例えば生活を便利にするコツをライフハックと呼ぶ。しかしシステムやアルゴリズムの欠陥をついて利益を得る場合もハックに含まれて、例えばフリマで古着を売るときに説明欄に関係ないブランド名を羅列して検索に引っかかりやすくしたりする検索スパム行為や、YouTubeで動画の内容と違うサムネイルやタイトルをつけて動画の再生数を増やそうとするクリックベイトとかの違法ではないけれどモラルや利用規約に反する行為も行われている。違法でなければ何をやってもいいと考えて家を壊したり食べ物を破壊したりして建設的でないことをやって再生数を増やそうとするYouTuberもいるけれど、それはYouTubeがそういう動画をおすすめに表示して広告を表示するアルゴリズムになっているから儲かるハックとしてやっているだけで、アルゴリズムが変わって儲からなくなったらやらないだろう。
フリマで読書感想文や自由研究とかの宿題の代行サービスを売買するのも問題になった。これも違法ではないけれど、代行させたら当然自分の学習にはならない。受験の入試科目以外の勉強は無駄だと考える人がこういうサービスを使う。
日常生活でチートやハックが蔓延して、ルールを守ってまじめに頑張れと教師に言われても素直に従わなくなって、ばれなければ問題ないと考えてカンニングへの心理的抵抗も少なくなっているのじゃなかろうか。Z世代のアホがしばしば闇バイトに応募して強盗の実行役をして捕まっているように若者のモラルが乏しくなっているだけでなくて、短絡的に行動して不正がばれた後のことまで考えていないようである。自殺した私立清風高校の生徒もカンニングがばれた後になって卑怯者と思われるのが嫌だと悩むのならそもそもカンニングをやらなきゃいい。

・教育虐待

子供の成績が悪くても親が受け入れる家庭なら子供はカンニングをしようとは思わないだろう。しかし教育虐待をされている子供は成績が悪くて親に叱られることを恐れて、良い点を取ろうとしてカンニングするのじゃなかろうか。
教育虐待というのは、例えば高学歴の親が子供に自分と同じ進路を強制してそこからはずれると落ちこぼれ扱いして叱責したり、低学歴の親が子供に過度に期待をかけて塾代に何万円も出してやってるのに何で成績が上がらないんだと叱責したりして、親が子供の意思や幸福を無視して自分の理想の教育を押し付ける虐待である。学習塾でさえカンニングする子供がいるそうで、そういう子供は勉強して学力を向上させることよりも親に叱られないようにするほうが重要なのだろう。教育虐待されている子供のカンニングはSOSの側面もあるので、カンニングを取り締まるよりも家庭での教育虐待をなくさないと根本的な解決にならない。

●不正行為はよくない

カンニングは自分の能力をごまかして不正に評価を高めようとする行動である。不正をして一時的に高い点をとったところで実際に能力が向上したわけではないし、不正に得た高評価を維持しようと思ったらずっと後ろめたさを感じながら不正し続けなければならなくなる。そのうえ不正がばれたときの罰則も大きいので、リスクとリターンを合理的に考えたらわざわざカンニングをやる価値はない。
受験とかの試験だけでなくて大人でも不正行為をする人が少なからずいて、論文を剽窃して博士号を取り消された博士、STAP細胞の論文で不正をした研究者、イラストを剽窃したイラストレーター、学歴詐称したタレント、ドーピングしたスポーツ選手、不正会計や検査データの偽装をした企業とかは一時的に周囲をごまかして高い評価を受けても結局は不正がばれて信用や仕事やキャリアを失っている。未熟な子供の不正行為なら魔が差したということで許してもらえるかもしれないけれど、大人の不正行為は意図的に狡猾にやっているのでいったん信用をなくしたらなかなか信用を回復できなくなるし、民事訴訟にもなりうる。そういうダメな大人にならないために若いうちから自律するためのモラルを持つべきで、たとえ誰にもばれない状況だとしても不正をやらないような人でないと偉大な事業はなしえないものである。特に学問では真理に対して真摯でないといけない。高校や大学の受験でカンニングをしないと合格できないような人は学問に向いていないし結局は実力で合格した人に負けるのだから、別の進路を目指す方がよい。





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最終更新日  2024.03.26 02:24:10
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Re:カンニングについて考える(03/25)   四角いハムスター さん
 勉強の本来の目的は自分の心を豊かにすることにあると考えているのですが、カンニングをする人間はそのことを理解していないのかもしれません。
 勉強を大学に入学するための道具のようにとらえ、学士号を有名企業に就職するためのチケット程度にしか考えていない人間は多いです。受験を人生最大の試練のようにとらえ、ズルをしてでも突破したいという利己的な心をもっている人間がいる限り、カンニングがなくなることはないですね。 (2024.03.25 22:22:44)

Re[1]:カンニングについて考える(03/25)   三角猫 さん
四角いハムスターさんへ

日本の大学は入学は難しくても卒業が簡単なので大学生が入学後にあまり勉強しなくなって、企業も入社試験で大学名だけ見てGPAを見ないように、社会の在り方も勉強を蔑ろにすることを助長しているように思います。 (2024.03.25 23:47:27)


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