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カテゴリ:本
『世界は俺が回してる』(なかにし礼・著)読了。
ラジオで水道橋博士が薦めていた本。 かつてあった東京音楽祭というビッグイベント(らしい、よく知らない)を 一から築き上げた「ギョロナベ」こと渡辺正文というTBSの名物プロデューサー の一代記。 叔父である電通の中興の祖・吉田秀夫によって、強引にTBSへ入社させられるが、学生時代バンドをやっていたことから、音楽番組を手がけるようになり、外タレの来日コンサート中継を次々と成功させることで、徐々に音楽業界で絶大な権力を握るようになっていく。そうすると当然まあ、金と女性が周りに渦巻く。 本人も幼い頃から、欲しいものは、たとえ人の舐めてる飴であろうと、何でも何としてでも手に入れてきた性格だから、一目見て気に入った女性はたとえ誰かの恋人だろうと、口説き落として自分のものにする。テレビという虚像の世界が性に合っている渡辺は、自分の人生すら虚像に思えて、家族という実体を持つ気はさらさらない。 愛人を5人も6人もかかえ、世界から名だたる歌手をかき集め、音楽祭を成功に導き、その音楽祭の打ち上げでスティービー・ワンダーが歌う姿に感極まり、ついに「世界は俺が回してる」とつぶやく。 いまや芸能事務所の大御所となったが当時はまだマネージャーだった田邊や川村はじめ、愛人の一人だった沢たまき、などほとんど実名。たぶん知っている人にはたまらない、自分のようにギョロナベを知らない人も楽しめる、昭和の傑物伝。 著者のなかにし礼も実名で出てくる。あいつは才能がある、と登場人物に言わせるなど、自分のことをかっこよく書いているのはご愛嬌。 こういう人がいたから、芸能界は金とオンナみたいなイメージがあるのかもしれない。今もあるのかわからないけど、さすがにここまではない・・・と思う。このギョロナベも最後に、手痛いしっぺ返しを食らう。ひどい人物だが、どこか憎めない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 23, 2010 06:11:18 AM
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