源にふれろ

『パパは今日、運動会』（山本幸久・著）読了。
社内運動会を舞台にした、著者十八番の連作短編集。
相変わらず、ユーモアあふれる筆致で読むのが楽しくて
仕方ない。ユーモアなら、奥田英朗に匹敵すると思って
るんだけど、知名度には格段の差がある。
意外性のあるプロットのあるなしかな。
山本作品に出てくる会社はいつも中小企業で、社長や
専務、部長からＯＬ、新人までお互い顔が見える間柄。
そこがいいところで、また、本当にヤな奴は出てこない
から（ある人にはヤな奴でも、別の人から見たり、その
ヤな奴が主人公の話となると、実はそうでもないことが
わかる、それが連作短編の利点）読んでいるうちにこんな
会社で働いてみたいな、と思わせる。そしてまた、こういう
小説を書いてみたいな、とも思わせる。

女癖の悪い社員が主人公の借り物競争の話で、引いた封筒が
「不倫相手」というのがケッサクだった。


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