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アダムス家の日常とごはん ~青嵐のブログ

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2008年08月22日
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テーマ:本日の1冊(3688)
カテゴリ:読後感想文

事故のでいで色覚異常になってしまった画家。

脳腫瘍のせいで

60年代の想い出以降の記憶をなくしてしまう男。

トゥレット症候群という、ある種のチックの症状を持つ外科医。

40年ぶりに視力を取り戻した男が、また暗闇の世界に戻るまで。

自分が生まれ育ったポンティトという街の風景だけを

取り憑かれたように書き続ける画家。

ほんの少し眺めただけの風景を、

何年経っても鮮明に覚えていて

それを描くことのできるサヴァン症候群の少年。

高機能自閉症でありながら動物学者であり、

非虐待的な家畜施設の設計者であり、

コロラド州立大学准教授であるテンプル・グランディン・・・


普通ありえない取り合わせというか、

聞いていても理解しがたい体験をしている人たちがいる。


          


全て、この本に出てくる登場人物達だ。

作者はオリヴァー・サックス。

先日紹介した本の中で引用されていたときから気になっていた。




事故がきっかけで色彩をなくしてしまった画家。


ただ色彩がなくなってしまったのならば、

まるで白黒テレビのように世の中が映ると思いがちだが、

光の明度でそうはならないらしい。

その気持ち悪い吐き気を催すような世界に生きている画家が、

医師と対応策を考え、少しでも居心地のよい世界に変えるべく

葛藤している姿を見た。




目の手術をして視力を回復するシーンと言えば、

ドラマなどで、目の包帯を取った瞬間、

「見える!先生、見えます!」などという

感動的なシーンが想像できるが、

実は、視力が回復しても、それと「見る」ことは

結びつかない。

今まで何かを認知する為には触って確認していた人が

「見て」確認するというのは実はとても難しいことなのだ。

一見幸福に思えることが、

彼にとって本当に良いことだったのだろうか?

それまでの彼は仕事を持ち、住まいを与えられ、

社会的にも自立していたのだが、

この事をきっかけに崩れ始めた歯車・・・

そして最後に驚くようなことが彼の身に待ち構えていた。




夕食は

●刺身

 1日中寝ていたあたしを気遣って、

 旦那がマルチ屋で

 イカとマグロのブツの刺身を買ってきてくれた。

 子どもはご飯の上に海苔とイカ・マグロを載せた2色丼。

0821

●枝豆

 前日の残り。

●お吸い物

 とろろのお吸い物。

●ブドウ


最後に出てくる女性は、自閉症という病気に対する認識を

根本からくつがえした人かもしれない。

彼女は言葉でのコミュニケーションよりも、

動物達の気分や仕草から何をして欲しいのかが分かる。

そこから

「人道的に苦しみの少ない食肉プラント」の設計を手がけ、

その動物心理学や動物行動学の知識は

世界中から請われている。


そんな彼女は「人から抱きしめてもらいたい」のに

それと同時に人との接触が怖かった。


そして彼女が試行錯誤して作った「抱っこ機」


人は笑った。



だが、彼女はそれを見せる事も使うこともやめなかった。

そればかりではなく、そこからひとつの論文を書き上げた。

それは現在、

臨床でも使えないかと広い範囲での実験も始まっている。

彼女は世界有数の家畜締め上げシュートの設計者になり、

人道的な拘束と優しい捕捉などで

たくさんの論文を発表しているそうだ。



自閉症というのは、原因がまだはっきり分かっていない。

1000人に1人発現するそれは、世界共通であり、

異なる文化圏のいずれかでも同じように生じている。

ひと昔前は、「親の責任」とされ、

苦しんだ人々がたくさんいた。



彼女の自閉症に対する言葉がある。

「もし、パチリと指を鳴らしたら自閉症が消えるとしても、

私はそうしないでしょう。


―なぜなら、そうしたら私が私でなくなってしまうからです。

自閉症は私の一部なのです。」

そして


もしこうした遺伝子が絶滅されたら

恐ろしい代償を支払わされるでしょう。

少しばかりこうした素質を持っている人たちは

想像性が豊かであるかもしれない、

あるいは天才であるかもしれません・・・・

そう書いたそうだ。


そんな天才達が紹介されているこの本。

奇妙で憎めなくて、そして自分のもって生まれたものに対して

懸命に生きる人たちの姿を見せてもらった。








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最終更新日  2008年08月25日 22時58分58秒
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サヴァン症候群   酒井だんごむし さん
脳科学でコレを聞いてから、人の個性ってなんだろう?と感じて気になってました
色を味で認知してしまう人とか。
自閉症とかは、大まかに言っちゃえば脳の個性なんだそうですね
普通といわれる私達が、向き合って慣れてくのはちと大変だけれど
ちょいと合わせてみれば、もっとこの個性と楽しく生きていけそうな気がします

自分の個性もうまく理解して、楽しく生きていけるといいなぁ
(2008年08月26日 00時10分46秒)

Re:7人の奇妙な患者   ルカ さん
面白そうな本ですね!
ちょっと読んでみたいなぁと思いました。
私はどちらかというと、「普通の人間はいない」と思っている方で。
みんな何かしら持って生まれているものを「個性」と思っています。
人それぞれ違うものね。
「みんな違ってみんないい」誰の言葉だったかな。
好きな言葉です。 (2008年08月26日 02時14分56秒)

Re:7人の奇妙な患者(08/22)   c-co さん
へぇぇぇぇぇぇ~っ!!!です。ちょっとこの本、読んでみたくなりました!脳科学を専攻しているので、とっても興味があります!!私の勤めている病院にも、自閉症の医師がいるんですが、他の人と比べて、たしかに奇怪な行動をするんですが、頭の中は医学辞書です・・・。患者さんにも、とっても分かりやすく病状の説明をしているので、とっても人気があります。自閉症は私の一部・・・なるほどと思いました。かなり勉強になりました!さっそく、アマゾンで購入してみます!
そして、青嵐さん・・・体調、かなり悪そうですが、大丈夫ですか??
しばらく、静養して完全復活してください!! (2008年08月26日 06時46分07秒)

Re:7人の奇妙な患者(08/22)   大盛りかあちゃん551 さん
『レナードの朝』を書いた人なんですね。
興味深い本だなぁ。
『自閉症は私の一部』か・・・。
友人はどう思っていたんだろう。自分の事、私達の事。色んな事。

青嵐さんの本の紹介から、色んな思い出が蘇りました。

(2008年08月27日 02時02分25秒)

Re:7人の奇妙な患者(08/22)   55sava さん
最近「自我崩壊」という本を読んだんですが、その中でも「火星の人類学者」が出てきました。
私のが読んだ本は、中途半端っていうかなんと言うか、もやもや感が残りましたが。
これも読んでみますね。
(2008年08月28日 09時13分08秒)

Re:サヴァン症候群(08/22)   青嵐424 さん
酒井だんごむしさん
>脳科学でコレを聞いてから、人の個性ってなんだろう?と感じて気になってました
>色を味で認知してしまう人とか。
>自閉症とかは、大まかに言っちゃえば脳の個性なんだそうですね
>普通といわれる私達が、向き合って慣れてくのはちと大変だけれど
>ちょいと合わせてみれば、もっとこの個性と楽しく生きていけそうな気がします

そうですね、結局自分のものさしで相手との関係を測ってしまうことがあるので、時間がかかるかもしれませんが「理解したい」と向きあう事が大切なんだと思います。

中には数字を色のイメージとして捉える人もいるそうで、自分の思っているのと別の色で書かれた数字を見ると違和感を感じる人とかもいるそうです。

脳の働きの多種多様さには圧倒されますよね。

>自分の個性もうまく理解して、楽しく生きていけるといいなぁ

そうですね~・・・
自分の個性が自己嫌悪に変わりやすいあたしとしては、考え方をチェンジすることも必要かも知れないですけど(笑)

(2008年08月28日 18時31分03秒)

Re[1]:7人の奇妙な患者(08/22)   青嵐424 さん
ルカさん
>面白そうな本ですね!
>ちょっと読んでみたいなぁと思いました。
>私はどちらかというと、「普通の人間はいない」と思っている方で。
>みんな何かしら持って生まれているものを「個性」と思っています。
>人それぞれ違うものね。
>「みんな違ってみんないい」誰の言葉だったかな。
>好きな言葉です。

金子みすずさんですね(笑)

こういう風に全ての人に対して肯定的に捉えることができない心の狭いあたし・・・(これも個性か?笑)

専門的な記述も所々に見られますが、専門家が分かりやすく書いた本として、理解する為の入門書としては面白いと思います。

(2008年08月28日 18時34分21秒)

Re[1]:7人の奇妙な患者(08/22)   青嵐424 さん
c-coさん
>へぇぇぇぇぇぇ~っ!!!です。ちょっとこの本、読んでみたくなりました!脳科学を専攻しているので、とっても興味があります!!私の勤めている病院にも、自閉症の医師がいるんですが、他の人と比べて、たしかに奇怪な行動をするんですが、頭の中は医学辞書です・・・。患者さんにも、とっても分かりやすく病状の説明をしているので、とっても人気があります。自閉症は私の一部・・・なるほどと思いました。かなり勉強になりました!さっそく、アマゾンで購入してみます!

ツボにはまりましたか?
良かったです(笑)
自閉症も最近は認知されてきましたが、昔は今よりももっと大変だったんだろうな・・・と思います。(まだまだ周知されていないことはたくさんあると思いますが。)
この著者は、他にも色々な症例を書いた本を出しているので、興味があったらそちらもどうぞ~!!

>そして、青嵐さん・・・体調、かなり悪そうですが、大丈夫ですか??
>しばらく、静養して完全復活してください!!

どうもありがとう!
もうかなりよくなりました!
ご心配をおかけしました。
(2008年08月28日 18時37分44秒)

Re[1]:7人の奇妙な患者(08/22)   青嵐424 さん
大盛りかあちゃん551さん
>『レナードの朝』を書いた人なんですね。
>興味深い本だなぁ。

あ、それ書いた方が分かりやすかったか!

>『自閉症は私の一部』か・・・。
>友人はどう思っていたんだろう。自分の事、私達の事。色んな事。
>青嵐さんの本の紹介から、色んな思い出が蘇りました。

お知り合いの方でいらっしゃったのですか?

あたしの身近にはこういう人がいないので、分かりにくい部分もありますが、最後の女性(テンプル・グランディン)はかなり詳細に自分の気持ちなどを吐露しているので、少しでも理解することに近づけるかもしれません。
(2008年08月28日 18時41分09秒)

Re[1]:7人の奇妙な患者(08/22)   青嵐424 さん
55savaさん
>最近「自我崩壊」という本を読んだんですが、その中でも「火星の人類学者」が出てきました。
>私のが読んだ本は、中途半端っていうかなんと言うか、もやもや感が残りましたが。
>これも読んでみますね。

7月24日に「自我崩壊」の記事を書いてますが、savaさんも読んでたんですね!(セイラーだと思っていたのにぃ~・爆!)
確かにあの本はもやもや感が残りましたよね。
救いようがないというか、だからそれをどうするの?って。
チームバチスタ、今手元にあります。
時間が取れないのでページをめくるきっかけをなくしている状態なんですが(笑)

(2008年08月29日 12時41分41秒)

青嵐424さん   55sava さん
確かに以前記事にされてましたね。
その日は多分他の事に意識が行ってしまって(←だって・・ねぇ?笑)
内容が頭に残ってませんでした。
(2008年08月29日 14時09分43秒)

Re:青嵐424さん(08/22)   青嵐424 さん
55savaさん
>確かに以前記事にされてましたね。
>その日は多分他の事に意識が行ってしまって(←だって・・ねぇ?笑)
>内容が頭に残ってませんでした。

ああ、そうか!(笑)
催促するわけじゃないけど、savaさんの感想文も読んでみたいな・・・
そして、今どんな本を読んでいるかも。
またおすすめがあったら教えてくださいね~。
(2008年08月31日 17時53分09秒)

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