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せんだって日記

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2005.09.10
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 せんだって、「ゲームのなかの戦争」というテレビ番組を観た。看た、とも言える。
 詳細はこんなん↓。
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ドキュメント'05  ゲームの中に映し出される戦後という時代
「ゲームのなかの戦争」
ドキュメント'05◇ゲームの中の戦争にスポットを当てる。全国の自治体が、残虐な内容を含むゲームソフト販売の規制に乗り出した。相次ぐ凶悪事件の加害者の少年たちが、暴力的なゲームに熱中していたからだという。テレビゲームのルーツは、実は原爆を生み出した"マンハッタン計画"にある。ゲームクリエーターたちはゲームの中で「戦い」をどのように見詰め、そこにどんなメッセージを込めようとしたのか。宇宙からの侵略者を倒していく大ヒットゲームを開発した西角友宏氏らに話を聞く。
放送日時 9月19日(月)0:25~1:20 日本テレビ
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 行政による、「血が出るゲーム規制」が話題の昨今、「ゲームの中の戦争」という挑戦的なアオリでゲームの暴力表現を切り取るドキュメント、という態の、『メタルギアソリッド4』のパブ番組だった。
 ひどい。
 騙された(笑)。

 で、まあ、番組から汲み取れるメッセージとしては、日本のゲーム作家が作る戦争をモチーフにしたゲームは、戦争を賛美するものではなく、戦争とはそもそも国家が起こすものであり、外交の最後の手である戦争の背後にあるその国家の失敗とか、国家の失敗策で使い捨てられる犬のような兵士や民草の人生をプレイすることで、戦争のしょーもない部分を描きたいのだ、とか、翻ってアメリカンの戦争ゲームは軍需産業の一面もあり、なんにせよ「ボーリョクハンタイ」の一筋縄では解釈できないんだぜとか、インベーダーゲームの開発時には人型キャラクターへの攻撃という案もあったが、まあ当然のように社内でボツになったとか、事実を提示して答えをはぐらかす、あたりまえのドキュメンタリーであった。
 『ポートピア連続殺人事件』の作者である堀井雄二氏の作るゲームには「殺す表現がない」とか、いろいろオモシロな誤謬もあり、そのマチガイこそがこの番組のメッセージを浮き彫りにしている。「ゲーム作家は暴力行為を是としていない」ということね。

 ゲームというものが快楽を追求する物である以上、セックスとバイオレンスを取り込んでいくのは当然の帰結で、ゲームに限らずあらゆる表現物の中の「暴力」や「性」は、人間の業を映したものだ。
 残虐ゲームのやみくもな否定は、人間存在そのものの否定につながる。
 業は、飼い馴らし、うまく付き合えばいいのだ。ビビって抑圧するのが最悪。人品がゆがむ。

 意図のわからないシーンといえば、例のマンハッタン計画がコンピューターゲームの起源だという紹介で。
 オシロスコープみたいなベクタースキャンの円型モニターに映されるテニスゲームを見せて「恐ろしい原爆を作ったマンハッタン計画の産物」とかいって、要は重力加速度というか、放物線計算とゲームを強引に結んだもので、一体何が言いたかったのか。そうなると、『ハイパーオリンピック』もそして人工衛星さえもマンハッタン計画の産物である。さらに言えば、いまのコンピューターの起源は、イギリス軍がナチスの暗号を解析するために作った謎マシンの方が概念的に近い。マンハッタン計画が計算尺なら、チューリングのウルトラ級は学研電子ブロックのようなものだ。そうか?

 この番組で圧倒されたのは宮本茂氏の発言だ。宮本茂といえば、ポール・マッカートニーにサインを求められたことでも、そしてスーパーマリオを作ったことでも知られる、紛れもない天才だ。
 演出家というものは、究極的には教育システムなどで作り出すことはできない。最後には自己教育がモノを言う仕事である。
 で、インタビューに宮本茂が天性の演出家なんだという、ものすごく説得力のある発言があったわけ。で、オイラ、ちょっと震えたわけ。
 「ゲームが3Dになると、2Dでは見えなかった大王クッパの尻尾が見えるようになる。そうなると、その尻尾をつかんで、振り回したくなる」みたいなの。
 この位相で快感を掘り出せる才能!
 64マリオにせよ、ゼルダにせよ、ピクミンにせよ、この人のプロデュースしたゲームは、とにかく気持ちいい。身体性に直結した、強い快感を持ってくるのが超うまい。
 3Dになったら尻尾が見えるようになるからつかんで振り回そう、なんてプリミティブな快感を 頭 の 中 で 発見できること、そしてそれをプレイヤーに差し出せること。本物の凄味を感じて、嘆息したよ。
 で、湾岸戦争の時、ガンカメラの無機質な破壊映像を「NINTENDO WAR」と見出しされたことについて、あの映像だけを報道したメディアが命を軽んじているのだと、ガンカメラの向こうにある被害者とか怪我人とか死者を、無機質な映像の後にでも挿入すれば、生きた命が失われたことが伝わったのだから、アレはメディアの編集がよろしくないのであって、湾岸戦争を「NINTENDO WAR」に矮小化したのはメディアの責任だ、と、これは珍しく宮本氏が感情を露わにしていたところも見どころであった。

 で、まあ、ゲームの中に戦争が描かれていようがいまいが、戦争はいまも継続中で、その戦争を起こした人はゲーム大好きなのかというと、そうではない。
 戦争大好きおじさんは、世界に限らず日本にもいるが、そういう人達の中にはゲームの中の暴力表現をむしろ毛嫌いしている方もいらっしゃる。





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最終更新日  2005.09.26 02:06:14
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