青の運命
あの夜の月に
まるで全てを見せられました。
一番に近くまで来たとしても
あんなにもまだ遠い月は
もうこれ以上近づけないと
そう残して沈みました。
それはまるで私と貴方のように思えて
哀しく、
そして嬉しくもあったのです。
貴方に触れることなど許されぬ私ですが
貴方のもたらす静かな光を感じ
姿を変えゆく月日に同じ時を刻み
そして貴方という人がいることを
知ることができたのですから。
私が哀しみに濡れる日は
貴方がこの世を去る時でしょう
そしてこの日々、この運命に。
目の奥に青色を浮かべた女がいたときには
構わず立ち去って下さい。
運命をかきみだすようなことなど、望みはしないのですから。
その女は
青いままでいいのです
私になど
目を伏せていいでしょう。
貴方が好きな色が
青なのですから。