映画「それでもぼくはやってない」
監督 周防正行評価 優テーマが重い。冤罪の映画。ポイントはいくつか。無実だから無罪とはかぎらないこと、被害者にとってはそのトラウマ軽減をどうするか。捜査のあり方、裁判制度、一般市民の知らない世界の現実の物語。提出された資料証拠物件供述などからの判断では被害者の心の傷を無視できないだけに裁判官の有罪判決は妥当といえる。ここに裁判の限界を感じる。そもそもの間違いの発端は最初の調査にある。被害者がそのときの犯行現場を押さえたのではないこと。犯行経過後の電車を降りてからであること。この時点で被害者の行動を非難することはできない。でもここに誤認逮捕の芽があることを最初によく調べることが基本。この映画で警察への不信感は一層大きくなったであろう。裁判に対しても同じ。裁判はプロに任せておけばよいと思っていたが、裁判員制度の必要性を感じるようになった。http://www.soreboku.jp/index.html