『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』の誤り その7 後半
『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』の誤り その7 後半「地球温暖化はどの程度危険なのか」 151頁 また、武田氏は「数メートルの海水面の上昇」という主張は非科学的と断定するが、必ずしも断定できない根拠をIPCC第4次報告から抜き出しておきます。1、「古気候に関する情報によって、(・・・)長期間にわたり、現在よりもかなり温暖だった最後の時期(約125,000年前)には、極域の氷の減少により4~6mの海面水位の上昇がもたらされた。」2、「氷床コアのデータによれば、その期間における極域の平均気温は、地球の公転軌道の違いにより現在より3~5℃高かったことが示されている。」3,「グリーンランドの氷床や北極の他の氷雪域の観測された海面水位上昇への寄与は多くとも4m程度である可能性が高い。南極からの寄与もあった可能性がある。」4,「最近の観測結果が示唆する氷河に関係した力学的な過程によって、昇温によって氷床の脆弱性は増加し、将来の海面水位上昇がもたらされる可能性がある。しかし、(…)その規模についての一致した見解は得られていない。(・・・)これらの効果についての理解が非常に限られているため、起こりやすさを評価したり、最良の見積もりや海面水位の上限を示すことは不可能である。」 以上のことから読み取れることは、(1)今世紀の温度上昇に伴う「極域の自然な氷解」の結果生じる海面上昇の規模がIPCC報告では最大59cm」との予測が存在するにしても、「力学的な氷床の脆弱化と氷の流出」については厳密な予測が不可能であるということ、(2)125,000年前の古気候に関する情報から類推して、極地の3~5℃の温度上昇が4~6mの海面水位の上昇につながることもありうる、ということです。〔ちなみにIPCC第4次報告書によると、現在のエネルギー浪費型の経済活動や生活を転換できなかった場合、今世紀末に気温は4度前後上昇する(最悪6.4度の上昇)ということです。〕 (以上 7の後半) 教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。) ↑ランキング(日本ブログ村)はこちらです