徒"然草　～づれづれなるままに～　　ｂｙ　整体処　明響庵（めいきょうあん）

（​前回「支配」​の続き）

今年のクリスマスは過ぎ去ってしまったが。

クリスマスが近くなると、「○○しないと、サンタが来ないよ」という脅し文句を耳にすることがある。

かくいう、私も子どもの頃、言われたことがあった。

サンタ・クロースも脅迫に使われては、やる瀬のないことだろう。

最近では、三男（小1）が先生に、「全員がこのプリントを仕上げなければ、お楽しみ会はしない」と言われたそうだ。

先生のレベルを疑わざるをえない、たいへんに残念な話である。

われわれの業界や、病院でも、「○○しないと、たいへんなことになる」という脅迫・呪詛はよく聞く話で。

私は軽蔑の意味を込めて、「脅し療法」と呼んでいるが。

ともあれ、支配・被支配の関係を築き、隷属させる手法の一つである。

さて、​前回​の続きになるが。

政治はもちろん、医療にせよ、教育にせよ、戦後構築された国家の様々なシステムが、その侵略、被支配の歯車そのものだ。

その中にあって、多くの人は、氣付かないうちに、生命力を削がれてゆく。

発達した医療への依存は、自ら治る力と氣力を減退させてゆく。

被支配に慣れ親しんだ大人の、矮小な価値観にあてはめようという教育は、子どもたちから、自ら問いに氣づき、考える力をはじめ、想像力や創造力、果ては行動力の発達をも狭めてゆく。

自ら楽しみ、生きる力の発達を損なうことしばしば、だ。

そうなると、楽しませてもらう、刺激の強いものを求めるようになり、中毒・依存の傾向を高める。

ご存知だろう、現代において、その受け皿は枚挙に暇がない。

おかげで娯楽産業や医療産業を中心に、依存体質は経済を一時的に潤すかもしれないが。

全体における生命力の低下、発達不全による人自体のレベルの低下は、滅びに向かうこと必至だ。

特に、ハイ・テクノロジーとそれを扱う人自体のレベル低下というアンバランスは、原発事故や核兵器の使用よろしく、滅びに直結する問題である。

（→続く）

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