鳥とともに春をうたおう。
庭のスナップエンドウが最盛期である。 豆は育つのも早いが、実をつけだすと、収穫期も短い。 が、今年は気候のせいか、花が咲き、実をつけ出すのが早かった割には、例年の収穫時期まで長いこと収穫できている。 そういえば、丈も例年より高く育ち、私の背を越えたものもある。 スナップエンドウは別段料理に使うでもない、使うとしたら彩に、というぐらいだが、単純に塩ゆでしたものが子どもたちに人気で、食卓に出た途端、あっと言う間に姿を消す。 それだけ喜んで食べてくれると、冥利に尽きる、というものだ(そういえば、私はそれ程食べない)。ところで、昨日は自然農実習会だった。 原則月一開催なのだが、今月は7日と昨日(21日)、2日に分けて催した。 夏野菜の種降ろし、という大事な内容なので、常連メンバーにできるだけ漏れなく参加していただくために、だ。 常連メンバーも、今や十余名にのぼる。 夏野菜の種は例年ポットに降ろし、それぞれのご自宅で生育を見守ってもらうようにしている。 人数が多くなると、提供する種やらポットやら、準備も多くなる。 昨年まではポットに充填する土もこちらで用意していたが、今年はそれぞれに準備していただくことにした。 わが家の庭の、それなりに肥えている土がやや乏しくなってきたからだ。 苗を育てる際には、多少でも肥えている土がよいと思う。 苗が最終的に育つこととなる、実習地の土を使えれば、言うことないのだが。 随分肥えてきているとはいえ、実習地の土は未だ十分肥沃とは言い難い。 土質がやや粘土質なこともあり、ポット苗に使う土としては、どうか?というところだ。 参加者の皆さんは、それぞれどんな土を持ってくるだろう、という興味深さもあった。 結果は、いささかショックなもので。 なんと、半数以上が土をホームセンターなどで買って用意してこられたのである。 正直、これには驚いた。 土はもはや身近なものではない!? 宮崎駿、「天空の城ラピュタ」の、かの有名な一説が脳裏によぎる。 「どんなに恐ろしい武器を使っても、沢山の可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ」 いや、しかしながら、私からすれば、土は未だに身近ではある。 道路がアスファルトやコンクリートに覆われている、とはいえ、宇部であれば、まだ土はそこらにある。 もちろん、誰かの所有地、ということはあるが。 問題は、人の暮らしが、生活が、意識が、如何に土から離れているか、ということではないか。 土だけではない、花鳥風月…自然から、である。 自然農実習会に参加される方は、半ば無意識に、であろうが、そこに氣づいていて、ご縁があるように思える。 キャンプなど、アウトドアが流行る、という現象も、経済効果等の人為的コントロールはさておき、大きな背景に、それだけ、日常生活が自然とかけ離れている、ということあって、だ。 一昔前の里山での農耕生活などをしていたら、わざわざ金をかけて、アウトドアをしよう、などとは夢にも思うまい。 ちなみに、生活や意識が、自然から離れることの何が問題か、ということに感単に触れると。 もっとも端的に、その歪を表すのは、最も身近な自然、生身の身体であり、精神である。 病院の忙しさが増し、医療費がパンクするであろうことは、当然の結果、と言える。 話を自然農実習会に戻すと。 参加者それぞれが、それぞれに用意した土に、トマト、ナス、ピーマン、シシトウ、カボチャ、ズッキーニ、キュウリ、スイカ、枝豆…それぞれ好みの夏野菜の種を降ろした。 どのように育ち、実をつけるか、今から楽しみだ。 自然から離れ気味な社会にあっても、生命に宿る希望は、必ずやどこかで芽を出し、育つ。 「土に根をおろし、風と共に生きよう。種と共に冬を越え、鳥と共に春をうたおう」。 自然農実習会5月は5/12(日)9:00〜11:00を予定しております。 詳しくは整体処明響庵ホームページでお確かめください。 お問合せ・参加お申込みは0836-39-6275整体処明響庵までメールフォームはこちら。 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★