徒"然草　～づれづれなるままに～　　ｂｙ　整体処　明響庵（めいきょうあん）

先の日曜日は、自然農DVDの上映会を催した。

昨年、同じ時期に初めて試み、今回は2回目。

前回は、実習会の会員以外からも参加者を募ったが、今回は実習会員が増えたために、会員のみの内輪の会とした。

が、蓋を開けてみると、用事と重なる会員が続出で、参加者は少数。

広い部屋を都合しただけに、いささか寂しい…空間的に言えば、贅沢な会となった。

鑑賞したDVDは、昨年と同じく「川口由一の自然農というしあわせwith辻信一」。

自然農の田畑の様子の合間、自然農創始者の川口由一師と、文化人類学者の辻信一氏のやりとりが収録されているドキュメンタリーである。

自然農の手引き・マニュアル的な内容ではなく、その根っこの部分、川口さんの農への姿勢、考え方を垣間見ることができる。

その深いところを実習会で伝えるには、あまりにも私が未熟、少しでも補いになれば、という気持ちも上映会開催に含むところだ。

ましてや、昨年7月に川口さんがご逝去され、そのお声を直に聴くことは、もう叶わなくなってしまったのだから…。

そんなわけで、たくさんのご参加を願ってはいたのだが。

ともあれ、そんな自然農のDVDを鑑賞し、休憩をはさんで、参加者で茶話会。

DVDの感想をシェアするところから始まり、あるテーマについて、対話することも試してみた。

DVDの鑑賞自体ももちろん有意義ではあるが、私が企画開始当初から楽しみにしていたのは、むしろ、後半、対話の方である。

私が昔通った、川口師主催の赤目自然農塾。

月一、一泊しての学びの場であった。

そこでは、夕食の後、言葉を通じた（用いた、だったか？）学び、ということもしていた。

座敷に参加者諸氏が集まり、誰かの質問に始まって、対話を重ねるような内容だったと記憶している。

当時は正直、それ程、言葉を通じた学びに積極的ではなく、野外での実践的な学びに私も重きをおいていた。

が、いつしか私も、言葉を扱うことをたいへん興味深くとらえられるようになっていた。

今は対話に大きな可能性と価値を見出し、また自分を深く掘り下げる要素ととらえている。

そうすると、私が主催している自然農実習会においても、赤目自然農塾よろしく、言葉を通じた学びの場も設けたい、という気持ちは大きく膨らんだ。

もちろん、野外での実習中も、質問はあるし、対話はある。

それはそれでよいのだが、それは私対誰かになることが多く、様々な意見が飛び交う、というわけにはなかなかいかない。

何と言うか…集団における人の有機的な反応をより活性化できないか、などと考えている。

集団において、それぞれが自らを豊かに育み、お互いを活かす…そういう場の創出を企画している。

（→続く）

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