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カテゴリ:ドッグマッサージ
ドッグマッサージの講習の2回目。今日はT・タッチについて。
マッサージの1種で、マッサージを施せない部位に補完的に用いるタッチ療法である。施術するためにはまず、犬を落ち着かせなければならない。ベストは4本の足がしっかりと地についている状態だが、寝ている状態でもかまわない。コマンドで立たせたり伏せさせると犬は緊張してしまうので、普段コマンドで使わない言葉で落ち着くよう促す。犬と遊ぶわけではないので、犬の目を覗き込んだり笑いかけたりしない。 施術者はリラックスし、深く呼吸をして、息を吐きながらタッチする。 ☆☆☆ 円を描くT・タッチ(6時から時計回りに1周し8時位置まで、真円を描く)☆☆☆ A クラウディッド・レパード(豹のタッチ) 指の片腹を使う。 B ラクーン(アライグマ) クラウディッドよりも親指と人差し指の位置が近くなるように軽く手を添え、指先で円を描く。Aのタッチよりも円は小さくなる。 C タイガー(虎) 指を広げて第1関節を立て、爪先で皮膚をとらえる(引っ掻くのではない)。かなり強めのタッチ。AやBのタッチでは気付かない犬に用いたり、アレルギー等で痒がる部位に用いる。 D チンプ 指の甲側の第1関節と第2関節の間を使ってタッチ。親指を軸にして円を描く。手の平よりも手の甲側はタッチがソフト。怖がりな犬にはE→D→他のタッチとつなげるのに用いる。 E ラマ 手の甲全体を使う。タッチの中では最も弱いタッチ。初対面時や臆病な犬とのマッサージの導入に用いる。 ☆☆☆ 線の動きのタッチ ☆☆☆ F ノアズマーチ 頭から触れ始め、胴を撫で、尻尾の先まで。導入や仕上げに使う。 G タランチュラ 左右の手とも、小指と薬指は曲げた状態。中指と人差し指で交互に前に歩き進み、親指は鋤のように後から引きずられてついてくる。被毛の流れに関係なく、上→下 下→上 斜めの移動も。疾患のある部位は疾患のない対象側から、このタッチでいい気を移すイメージで。 H ジグザグ 指を広げて、親指を背骨脇に置き支点にして、4本の指で被毛をかく。手首を大きくグラインドさせながら下半身に移動。 ☆☆☆ リフトの動き(上にあげる) ☆☆☆ I パイソン 両手の平を使って部位を包み込み皮膚を持ち上げ、ゆっくり戻して移動する。 J ベリーリフト 犬の背後から腹部や胸部に両手をまわし手を組み、ゆっくりと持ち上げる。骨は感じないように、皮膚だけを上げる。消化器系に効果。緊張等で呼吸が浅い犬にも。 ☆☆☆ ボディラップ ☆☆☆ ストレッチの効いたバンテ-ジテープやゴムを使って、その部位を犬に自覚させる。精神面の効果としては、落ち着かせたり不安がらなくなる。肉体的には、胴体や関節部に意識がいくことで歩行がスムースになったり、正しい位置に筋肉をつけることができたりする。 ハーフラップ 胴体に意識をもたせることで、舞い上がった犬を落ち着かせる。苦手な場所に行く時や不安になってしまった時など。 フルボディラップ ハーフラップで効果がでない場合や、後ろ足の付け根に意識させたい時。特に後ろ足に障害があったり、股関節が弛んでいる場合も期待できる。 スクランチ パイル地の太目のゴム。足先や膝下にはめることで意識がいき、歩き方のバランスが悪い犬や足の運びが落ち着きなくバレリーナのように歩く犬に、地に足のついた歩き方を促す。 カーミングバンド パンツのゴムを使い、マズルにはめる。こわがったり興奮してむやみに吠える犬に口先を意識させることで落ち着かせる。必ず、ゴムを外したら何か食べさせて、口が自由に開くことに気付かせる。 講義中は、「本当に効果があるのかしら」と半信半疑だったものの、前脚の着地位置が肩よりも狭い犬や、後ろ足の運びに左右で偏りのある犬もラッピングですぐに直る。もちろん、解決するわけではなく、その部位への意識付けがその場で『歩く』ということを犬に意識させているということ。何やら不思議な気もち。 T・タッチは2通りの使い分けが必要だ。基本的には非習慣な刺激を受けることが、その部位への意識付けとなるので、日常的に使うと効果的ではなくなる。精神面での効果を期待する場合は、長時間や毎日のタッチはよくない。例えば、散歩時に落ち着きない犬に出かける時にラップしたら帰りは外したり、1週間続けたらラップしない日も設けてみたりする。 だが、治癒効果を期待する場合は継続的にタッチできる。細胞レベルに働きかけることで治癒が早まったり、麻痺部位に意識をもたせることで本来の機能を思い出させることがあるとのこと。 私は即物的な人間なので、目に見えない〔気〕みたいなものはまるっきり信じない。でも、目の前の犬に効果を見ると、素直にT・タッチ療法というものを受け入れたくなった。 ハーフボディラップをしたヒメ。 レディにも同じ様にしたけど、ただちにソファ上で仰向けになり背中をソファにズリズリして自分で取ろうと格闘していた。違和感があって厭だったのかなぁ・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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