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テーマ:福祉医療関係(1061)
カテゴリ:仕事のこと
ここのところ、役場の苦情処理班のようになってしまった私。
高齢化率の高い村で、いろいろ苦情を言ってくるのは大抵高齢者。 先週は、退院してきたばかりの一人暮らしのおばあちゃん(Kさん)が、「ゴミ捨てに行けない。ゴミ置き場が遠すぎる。」というクレームの電話を日に4~5回かけてきて...役場の職員が振り回されました。
係長が出かけていって近所の親戚に頼むように正攻法で話をしたら、かえって怒らせてしまい... とうとう私の出番に...
Kさんは高齢になって都会から移住してきた方。 私も移住者なので...都会と田舎では全然文化が違うことは良くわかります。 若い頃の方が違う文化や生活習慣に馴染もうとできるし、子供を通して友人もできやすいのですが、年を取ってからは結構難しく...近所と上手くいかずに孤立する率が高いのです。
Kさんの言い分は、「ゴミは行政が税金で処理する物。都会なら家の前までゴミ収集車が来てくれるのが普通。」とのこと。 今は都会だって、ゴミの分別うるさいんですけどね。そんなことは通じないでしょう そう、私も東京から越してきた時に、都会では当然と思っていた権利が、弱小地方自治体では通らないということを思い知らされました。 高い自治会費を払わないとゴミの収集もしてもらえないし、地区の集会所を建て直すのに、1戸10万円も集金されたこともありました。 (この時は意見や不満を言いたかったのですが、言い出しっぺになると委員会を立ち上げて、しかるべき手続きを取らなければならない...という面倒さに、皆我慢をしてしまったのです)
Kさんは、元気な頃も時々役場&自治会に苦情を言ってくるので、"分からず屋"というレッテルを貼られていたのですが、社協のボランティアをしたり、老人会の活動をする面もあって、気難しいけれど、そんなに社会性のない方ではなかったはず。
そう思って話をしに行ったのですが、退院直後で具合悪く機嫌も悪そう ゴミ出し以外の家事や入浴動作など心配になってきました。 そこで、一人暮らしに使える介護保険外のヘルパーのサービスや福祉タクシー(通常の半額)を勧めたのですが、「国家資格じゃないヘルパーに家に入られたくない。」とか、「毎日福祉タクシーで買い物に行ったら年間20万かかる。」などと言うし、まとめ買いや食材宅配を勧めると「料理上手は毎日買い物に行くのが鉄則だ。」とか、まあ我が儘なこと。 本当に切羽詰まっていたら、こんな我が儘は言えないはずだから、緊急度なし...と一次アセスメント終了。
あとはひたすら話を聞き二次アセスメントへ...我が儘の根拠を探ることにしました。 話している間に近所の親戚の方が心配して訪ねてきたので、「なるべく福祉で対応させていただきますが、週1回のゴミ出しだけお願いできないですかねぇ~」と低姿勢で訊くと、「もちろん良いですよ。」とのこと。 Kさんも涼しい顔をして、「いいの~」などと言っている プライドが高い人なので、自分から頼めなかっただけなのね。
我が儘になっていたのも、病気退院後の生活への不安と、近所とうまくいかない寂しさの両面から来ているように思うので、民生委員さんや社協のボランティアコーディネーターさんにも安否確認の訪問と話し相手をお願いしようかと思い... Kさんに「民生委員さんや社協の職員に事情を話して来てもらってもいいかなぁ~」と訊くと、「お願いするよ。」と素直なこと。 帰って民生委員さんにお願いすると、すぐに訪問してくれて、社協の職員も電話をしてくれました。
そして、Kさんからの電話は、役場ではなくて包括の直通へかかってくるようになって... 「お世話になったね。ありがとう。」ってお礼を言われてびっくり だって何もサービスの手配はしていないんですよ~ やっぱり寂しくて我が儘言いたかっただけなんだね Kさん、「係長さんにも、ムキになって悪かったって伝えてちょうだい。」って~あら...一件落着~ その旨、係長に報告すると凹んでいる。 「あんたみたいに専門家じゃないから、我が儘ばあさんの言うことを、"言いたいだけか"なんて静かに聞いていられない。分からず屋の相手はあんたに任せる。」って... 係長さん、口は悪いけれど本当は優しい人で、一緒に仕事をしている人は皆分かっているんだけどね...
口は悪いけどホントは優しい...って、ぶちょおか~ でも、強面の係長...顔は高野ぶちょおとは似ても似つかない...
相談業務の時は、何時間でもクライエントの戯言を聞ける私ですが、どうして家の子供達の話はじっくり聞いてあげられないんだろう~というのが常々の反省です。 だめなんだなぁ~せっかちになってしまって... お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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