司法書士による過払い請求、債務整理の実況中継

   Ｔさん破産申立て準備のため来所、最初から破産希望、
　引き直し計算をしたが、やはり払える金額ではなかった。

　書いて来て頂いた家計表を見ながら。

  私　  「この借金の支払いとは何ですか？」
　　　 　「請求は全部ストップしているはずですが？」
Ｔさん 　「実はもう一枚、カードがあったんです・・」
 私　 　 「えぇー・・どういう事ですか？」
　　　 　「借金は全部出してくださいと言ったはずですが？」
Ｔさん 　「すみません、ガソリンを入れるため必要だったもので・・」
　私　　 「ガソリンだけですか？」
　　 　  「いゃー・・キャッシングも少し・・」
 私　 　 「まいったなー・・免責下りないこともありますよ・・」
　　 　  「他はないんですね？」
Ｔさん　　実はと・・・一枚のカードを取り出す
　　　　　「どうしても、お金が必要だったもので・・・」
　 私　 　「うーん、もう駄目ですね・・・」
　　　 　 「いいですか、破産をすると決めたあと、
　　　　　新規で、また借りてしまったんですよ」
　　　 　「詐欺破産ですよ・・・」「免責はおりませんよ」
Ｔさん 　「すみませんでした、何とかなりませんかね？」
　 私　 　「全てを知ってしまったので、
　　　　　　これ以上手続きを進めることはできません」
　　　 　「申し訳ありませんが、辞任させていただきます」
　　　　 「頂いた着手金は手数料を引いてお返しします」
Ｔさん　 「また、催促が・・・・？」
　私　 　「心配いりません、各債権者への辞任通知は
　　　　　　１週間程遅らせます」
　　　 　「その間に次の手段を取ってください、
　　　　　　決して同じ失敗しないように・・」
Ｔさん 　「わかりました、本当にすみませんでした。」

　　Ｔさんは「破産」を軽く考えていた。
  今までの借金が無くなれば儲けものとしか考えていなかったのか？
　そして、また新規のカードを作ってしまった。
　貸す方も、よく貸したものだ。

　　破産すると決めたら、それ以後、返してもいけない、
　借りてもいけない。いつも言っていることだが・・・・・