カテゴリ:債務整理
いつも、「自転車操業」の怖さを書いているが 今日来所されたTさんが、正にそれにハマッテしまった一人である。 債権者数15社 借金総額830万円 取引期間 長くて5年、今年になって新規に5件も借入を起こしてしまった。 一流会社に勤める、生真面目な、どこにも居るような青年である。 生気がまるで感じられない。うつ状態だと言う。
私 受付票を見ながら 「収入が25万円で、月の支払いが40万ですか?」 「完全に破綻していますね」 「今、遅れは?」 Tさん 「1度も遅れたことがありませんでしたが、もう駄目です!!」 「今月の支払いができません」 今にも泣き出しそうである。 私 「なぜ、もっと早くに?」 Tさん 「遅れてはいけないと、次々に借りてしまいました」 私 「真面目な人に多いんですよ」 Tさん 「もう、死んでしまうかと・・・」 私 「馬鹿言わないでください、たかが、800万円ぐらいの借金で」 「何千万の借金を抱えた人も立派に再生していますよ・・」 Tさん 「本当ですか!!」 少し笑みがこぼれる。 私 「心配いりませんよ、任せてください」 「ただ、個人再生になる可能性もありますから、頭に入れておいてください」 Tさん 「個人再生ですか?会社に知られませんか?」 私 「大丈夫ですよ・・」 「それから約束してください、しばらく請求がストップになりますから、 できるだけ貯金してください」 「年末の賞与もですよ」 Tさん 「??・・・」 私 「支払いは来年からになるようお願いしますから・・」 「その時、小額の借金は一括で片付けちゃいましょう」 Tさん 「分かりました」 私 「しばらく、借金のことも忘れて,おいしい物でも食べてゆっくりしてください」 Tさん 「ありがとうございます」 安心したのか、ついに涙がこぼれ落ちた。
補助者に任せて委任契約書を作成する。 「最後までKさん泣いていましたよ・・」と補助者。 今日の涙を忘れないで貰いたい。悔しさ、悲しさを、バネに・・ 再生の第一歩が始まったばかりだ。
最愛の妻と、ある事情で別れる羽目になってしまったTさん。 やるせない気持ちと、寂しさを紛らすために酒の力に・・・そして夜の世界に足を・・ 良くある話だ。 「遅れてはいけない!!」一心で、次々と借りては支払ってきた。 気が付いたら多額な借金だけが残った。 業者もよく貸してくれた。一流会社に勤めるTさんはカモに見えたのだろう。
もう一度、声を大にして言いたい。 「他から借りなければ払えなくなった時は赤信号!!」 「倒れるのなら、傷が浅い早い時期に・・・」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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