カテゴリ:過払請求
Tさん来所する。年の頃30歳半ばか? 相談に訪れた人にみられる債務に悩み苦しむ様子は感じられない。 それを通り過ぎて、まるで悟りを開いたような表情だ。 そして、今までのことを、とつとつと話してくれた。
私 「すべて取引期間が15年ですか?」 Tさん 「はい、20歳になった時からです」 私 「20歳ですか 原因は?」 「親の借金のためです」 私 「お父さん、お母さんは?」 Tさん 「蒸発してしまいました」 「父は2年程前亡くなったと、風の便りで聞きました」 私 「大変でしたね・・」
聞くところによると、両親は事業がうまくいかず多額の借金をするよう になった。 それでも足りず、Tさんの20歳になるのを待って、Tさん名義で借金を 重ねることになった。 金利のことも何もわからないTさんは、消費者金融の店頭に出向き、 言われるままに借金を重ねた。そして、ついに、その事業も破綻、両親 は離婚、蒸発・・ 残されたのは多額の借金だけ。20代のTさんは、なす術がなかった。 働いて返すより・・そして必死に働いた、昼も夜も。切り詰めた生活費も 限度額に頼るしかなかった。各金融会社は優良顧客として限度額を増 やしてきた。A社は200万円までになった。 完全に「悪のシステム」に、はまってしまった。 返しても返しても減らない借金、今まで過労で3回程倒れて入院をした と言う。そして、ついに体力の限界を感じて、この過酷の仕事を辞める ことになった。
Tさんの話は続く Tさん 「僅かな退職金で借金を清算しようとしたんですが足りないん です・・」 私 「そんなこと、もう、する必要はありませんよ」 「美味しいものでも食べて、少し贅沢でもしてください」 「しかし、15年間も払い続けてきて、おかしいと思いませんでし たか?」 Tさん 「借りたお金は返さなければと・・」 「また、金利が00%と言われれば、そんなものかと・・」 私 「借金は、とっくに終わっていると思いますよ」 Tさん 「そうですか・・」 私 「徹底的に取り戻しますから、暫くは借金のことも忘れてくださ い」 「費用もすべて返ってきた過払金の中からでいいですよ」 Tさん 「ありがとうございます」
借りたお金は返さなければならない。 「たとえ高金利でも、納得して借りたのだから・・」 貸す側の言い分である。20歳になったばかりの若者に、 また、必要に迫られた人に判断能力があるのだろうか? 利息制限法は弱者救済のための強行法規だ。それでは灰色金利は? その灰色金利も、もうじきなくなるが、本当に悪いのは、悪かったのは 誰なのか?
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