介護用品レンタル 営業の方と2年ぶりに会話
母が脳梗塞で急に要介護5になり、リハビリ病院からの退院が近くなった時、病院のソーシャルワーカーがここにこういうものがありますので、と渡してくれた数冊のカタログ。車椅子を始め今まで使ったことのない様々な介護用品の写真を前に戸惑いました。車椅子一つにしても、それぞれのカタログに何十種類も載っています。しかも、カタログによって扱っている商品が微妙に違い、さらに価格も微妙に違います。1冊のカタログの中から適当に選んでしまったら母にベストの物を使ってもらえません。それでは困るのでできるだけ母のニーズにあったものをと慣れないカタログを何十回も見比べ、細かい説明をネット等で一つ一つ調べ、やっとレンタル候補を絞りました。もともといろんな商品に興味がありカタログなどで注文なれしていたから出来た事ですが高齢の方などにはできない事だと思いました。本来はソーシャルワーカーやケアマネージャーが、良いアドバイスをくれるはずなのに、そういうサポートを全くしない人達もいるんだと思いました。それで、カタログを渡す事しかできないソーシャルワーカーやケアマネは頼りにはできないと思い自分でいろいろ検索しベストだと思われるものを探したので母は最初、3つのレンタル業者さんから介護保険を利用して介護用具を借りることになりました。介護保険を利用するとケアマネさんが数か月に一度三者会談の場を設け介護する方向性や方針を関係者一同で定期的に再確認します。三者会談には利用している介護サービスの担当者も参加するので、デイサービスの方や介護用具業者さんもいらっしゃいます。その時にお会いした業者さんの一人がOさんという女性でした。レンタル介護業界は一般的に男性の営業さんが多いようで、女性の営業さんはその方だけでしかも30代位の若い方だったのですが、明るくにこにこはきはきして印象が良い方でした。でもそれだけではなくて、私が話す、母の状況や、母への介護用具の要望をとても熱心に聞いてくれました。そして、私がその場で、これこれの状況なので改善するための提案があれば言ってほしいと言うと、他の業者さんは黙っていたのに、その方はさっと、介護用品の提案をしてくださったのです。その商品は、カタログにはまだ出ていない新商品で沢山の会社のカタログを見比べ、ネット検索していた私も見ていないものでした。早速母に使ってもらう事になりその手配も非常に早く、とても快適に依頼できました。その他にも、その方だけではなく他の業者さんも熱心にしてくださっていましたが母が借りていた介護用具の調整などもデイサービスに数か月おきに行って行ってくれたので助かりました。母が急に入院になり亡くなったのでレンタル品は急遽ケアマネが返却手続きをとってくださって私が法事で忙しくしている間に業者さんが回収に来たのでOさんとはその後電話で書類の手続きや未払い分の清算などしただけでそれっきりになってしまいました。先日、最近知り合った年配の方がご主人が以前通っていたデーサービスが1日旅行を企画されていたので、息子さんと参加されたら独身で内気で普段あまり出歩かない息子さんも大喜びだったからまた参加したいけれど、今のデーサービスではやっていないとお話されていてOさんの会社が、同様の旅行を企画していた事を思い出しました。Oさんはレンタル介護用品の営業職で旅行企画は違う部署がやっていると思うのでOさんは直接関係ありませんが、会社内で、Oさんがお客さんを紹介した方がいいかもしれないと思い一応聞いてみようと思いました。こういうのって、その人や会社で違うので人によっては面倒な話になるし人によっては社内で顔が広がることになるので一応先に聞いてみようと思ったのです。それでOさんと2年ぶりに話しました。Oさんは喜んで紹介をしてくれて早速その日のうちに相手先に旅行企画の方から連絡が入ったそうですが電話のついでに母の事を覚えていたらどんな様子だったのか教えてほしいと聞いてみました。すると、Oさんは母の事をよく覚えていてくださっていました。車椅子の調整で、5回ほど母のデイサービスに通ったそうです。普段母はテレビの近くの、部屋の端に座っていてじっとテレビを見ていたそうです。ぼや~っとしているのではなくてしっかり見ていたそうです。「車椅子の調子を見に来ました。」と言うとにこにこして、頭をさげ、「ありがとう。」と言ってくれるので仕事としてではなく会いに行くのが楽しみだったし母が座っていた場所まで鮮明に覚えているとのことでした。車椅子の調整が長引くと、脳梗塞の右麻痺だったので体の傾きが激しくなったそうですが普段はしっかりしていて体は弱っていても、こんなに早く亡くなるとはとても思えなかったとの事でした。そういう話を聞くと、母はしっかりして、他の方にも好かれて幸せだったんだなとわかって少しなぐさめられるような気がします。Oさんと話をした数時間後、夕飯を作りながら、母の状態を反復し、とても良い人だったのにもっと長く生きられたはずなのにと今までに何度も考えた事をまた考えていました。すると、もっと長生きしてほしかったのに急に亡くなることになるなんてという考えにかぶさるようにして「それでいいんだよ」と母が明るく言う声が心の中でしました。母とは心の中で会話しますが私が語りかけた事に対し母がこういうだろうなという事を想像して返事しています。でも今回は、私がまだ考えながら心の中で言っている時にかぶさるように答えてくれたので実際は私が自分で考えているのでしょうが、まるで母が本当に言ってくれたように思えました。でも、私はその答えは納得できませんけどね。母が言いそうな答えではあります。こういう事は、1年半前にも別の事であって、不思議な話に書いています。やっぱり母はいてくれるんでしょうか。「いるよ」って明るく言う母の笑顔が浮かびます。そうやって自分を納得させていくしかないですよね。まだずっと悲しいし常に母の事を考えているけど泣いていない日も多いこの頃です。脇がしっかりサポートされていると体が傾きにくくなります。安いクッションだとしっかりホールドできないし、良いものは高価なので、購入前のお試しとしてもレンタルはお薦めです。画像をクリックしてすると詳細が見られます。