カテゴリ:考えごと
今は奄美にはいないけど、できるだけ島の情報は知っておきたいと週1回更新される地元新聞のWebsiteを欠かさずチェックしています。でもやはり週1回では最新のニュースには触れられないもので、そのニュースは高校野球の結果を見ようとネットを見た会社の人から初めて聞きました。
『奄美に核燃料の最終処分場誘致だって。』 それは思わず耳を疑うニュースだったので、さっそくチェック(その時はyahooのトップページにあるニュースリストに載ってたくらいの速報)。読むと『使用済み核燃料を再処理した後に出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場に関する説明会が、宇検村で6月と7月に村側の要請で開かれた』とのこと。様々な報道から情報を拾い集めてみると、いろいろな事が分かってきました。分かる範囲で今回の動きを時間を追って並べると、 ================================ 《2002年》 宇検村に最終処分場誘致に関する資料が届く 《2005年1月》 ・県内の旧笠沙町での誘致は議会や住民の反発により撤回 ・宇検村は合併協議会を離脱して単独の道を選択 《2006年》 ・議会施政方針演説;「企業等の誘致を進め、雇用拡大や自主財源の確保に努めたい」 ・6月、議会に対し処分場建設について説明会 ・7月、商工会や建設業者に対し説明会 ・8月、本件が報道により明らかになる ================================ 他にも候補としては村内の赤土山地区が挙げられていたこと、処分場建設のための調査に入るだけで莫大な交付金が村に入ること、現在の村予算の9割は交付金頼みであることなども書かれていました。この件に関する反応は、まず宇検村長が『企業誘致の選択肢の1つであり、処分場については全く白紙』、鹿児島県知事は『奄美群島周辺に処分場を置くつもりは全くない』、そして奄美関連のWebsiteでは反対の声が多く挙がっているという状況です。 ・・・・・・ さて上の表を見ると、少なくとも村のトップは今から4年前には処分場の公募について知っていたことになります。まさか昨日今日の思い付きでわざわざ東京から説明会で人を呼ばないだろうから、ここは2005年1月の合併協離脱の時にはこの件を想定していたと考えるのが自然です。そしてニュースが発覚するのが今・・・。この約1年と半年近くの空白は何でしょう?合併か単独かを選ぶ時点で、今後の村のヴィジョンを説明する必要があります。ちゃんと住民に選択肢を示したのでしょうか?“地域間格差が出るかもしれないが合併”または、“企業誘致を促進しつつ単独の道を選ぶが、核最終処分場も想定に入っている”という事を。もし示していれば、今とは全く異なる状況になっていたのではないでしょうか? 電力大消費地から遠く受益者にもあまり知られない離島、村の財政状況や体質、そういえば去年の調査中に赤土山線の付近で道路工事をしていたけど・・・、関係ないとは思っても考え出すと不安になる材料が頭に浮かびます。 湯湾岳を抱える宇検村は、島かけすにとって調査や鳥見で馴染み深い場所。去年環境教育で通って、子供達と一緒に奄美の自然について考えた阿室も宇検村でした。そして今日もたくさんの人が宇検、ひいては奄美全体の自然を守るべく活動しています。世界遺産に指定というレベルではなくもっと大事なこと、この自然を次世代に確実に残すため。そんな人達の思いとこのニュースで伝えられている事は全くかけ離れています。 ニュースで読みとれることは物事の一面で、実際に現場にいないと分からないことがあるのは十分承知しています。でも、現時点で読みとれる範囲だけでも考えがたい事であると思い、緊急に日記をアップしました。上の写真は波穏やかな宇検村の焼内湾です。島かけすは去年この写真を使って子供達に『宇検村の自然は奄美でもトップクラス』と語りかけました。この言葉が嘘にならないことを願って止みません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年08月23日 01時36分36秒
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