テーマ:パンを焼こう!(15244)
カテゴリ:料理・パン焼き・菓子・食材
きれいにクープの入ったバゲットは本当にむずかしい。
一方、ライ麦からおこす天然酵母(ザワータイク、ライ麦サワー)のパンは、あまり「繊細」でないのか、失敗がほとんどありません。 フランスパンも満足に焼けない私が、お教えするほどのこともないのですが、これだけ怠け者で不器用な私でも焼けます、という証をかねて、紹介しますね(写真は前々々回の日記、「天然酵母の威力」を見てください)。 ザワータイクの作り方は、ドイツのネットを探しまくってこちらのサイトにたどりつきました。ほかのサイトとくらべてもこれが一番でした(ドイツ語ですが)。 ちなみに、書いたのはアニエさんという、偶然ながら日本ファン。インスタントラーメン大好き、自分の天然酵母にフリドちゃんと名前をつけ(フライブルクではヘルマンと名づけている人が多い)、自らをアニエせんせい、と呼んでいます。 元種(ザワータイク)づくりには最初だけ時間がかかりますが、一度作ってしまえば、種つぎができるので、次からは時間はぐっと短縮されます。 元種(ザワータイク、ライ麦サワー) 必要な物 ・5日間の忍耐 ・ライ麦粉(全粒粉よりも半全粒ぐらいの方がうまくいくそうですが、私はどちらでもできました)400g ・水(人肌)400g ・1から1,5リットル入るボール 1.1日目 上記の分量の内、100gの粉と100gの水をむらがなくなるまで混ぜ、ふたかラップをかけて暖かい場所(私は暖房器具の近く)に48時間おおく。半日ごとにふたを開けて、ちょっとかき混ぜて空気をおくる。 2.3日目(48時間後)さらに100gの粉と同量の水を加え、同じように混ぜて24時間放置。ちょっとヌカみそに似た酸っぱい香りがし、気泡が立ってくる。 3.4日目 残りの200gの粉と200gの水を加えて、またまたよく混ぜて24時間、暖かいところに置く。 4.5日目 これで元種のできあがり、種がふっくらもりあがり、ブツブツと気泡が見えるはず。 パン生地づくり 1.元種(全体で800gですね)の100gはガラスビンなどに取り分けて、冷蔵庫にしまい、次回の元種づくり(後述)に使う。 2.残り700gの元種に粉、水、塩を加えて生地をつくる。 (1)加える粉 粉の種類:好みしだい。ライ麦ばかりを加えてもよいし、スペルト小麦や小麦、これらの全粒粉を混ぜてもよいし。 粉の量:元種に含まれるライ麦の量(ここでは元種の重さが全体で700gだから、ライ麦自体は350g)と同量(つまりは350g)から倍の量(700g)まで、好みしだい。元種の占める率が大きいと、酸っぱさが目立つ。 私自身は元種700gに対して、300gのスペルト小麦、350gの全粒小麦を基本にしていますが、小麦の代りにライ麦にすることもあり。黒っぽさを出したければライ麦や全粒粉の量を多めにします。 粉以外にキャラウエイ、ヒマワリやカボチャの種、ゴマ、アマランサなどを気分に応じて投げ込んでいます。 (2)加える水の量:ドイツのレシピでは、元種700gに合計650gの粉を加える場合、新たに加える水の量は300g。 実は私は今ではまったく水は計らずに、目分量でどちらかというとやわらかめにしています。というのも、元種のライ麦のせいで、手でこねることはとうてい無理(くっつきまわってどうしようもない)なので、ハンドミキサーのスパイラルでこねるからです。生地が固すぎるとスパイラルが動かなくなるので、やわらかい生地にしているのです。水分が多い方が膨らみやすいし、しっとりしたパンになっておいしいです。 (3)塩の量 元種700gに合計650gの粉、300gの水を加えた場合には20g(これも好み、私はもっと入れています) 3.一次発酵 以上の成分をハンドミキサーで二分ぐらいこねたら、ふたまたはラップ(私はラップを使わない主義なので万能ぶた)でおおって、暖かいところに置く。二倍近くまでふくらむまでの時間は気温によって大きくちがってくる。生地がふわっとふくらんだかどうかだけが目安。元種に元気がなかったり、温度が低いと一晩かかることもあり。 また、中継ぎした場合ではなくて、初めてつくった元種を使うときには、確実を期して、イースト(ふつうの酵母)を加えた方が確実かも。 4.成形と二次発酵 ふくらんだ生地を再度こねてから好みに成形。このときも、私はハンドミキサーのスパイラルを使っています。一度、こねるのを忘れて成形しましたが、それでもちゃんとパンになってくれました。 私の生地は水を多めに入れているので、かなりだれるため、生地をわけて、二個のパウンドケーキ型に入れています。 絞ったふきんをかけて、1時間から2時間、少なくとも1,5倍ぐらいにふくれるまで発酵(私は二次発酵にはスチームオーブンの40度の発酵プログラムを利用しています。30分ぐらいでふくれてしまいます)。 5.焼き 200度に予熱したオーブンで60分焼く。生地を二つにわけない場合には75分焼いた方がよいかも。 元種の中継ぎ とりわけておいた元種はガラスビンに入れてふたをして、冷蔵庫に入れておくと二週間ぐらいもちます。カビが生えていないかどうか、たしかめてください。カビが生えていたら、即捨てること。 二週間以上使わない場合には、ベーキングシートに薄く延ばして乾かして乾燥天然酵母にするか、冷凍します。ただし、乾燥酵母や冷凍酵母の「目を覚まさせる」のはたいへんですから、お奨めできません。 中継ぎした元種から新しい元種をおこす方法 1.(簡単な方法)冷蔵庫から取り出した100gの元種に、350gの粉と同量の水を一度に加えてよくまぜ、24時間、あたたかい場所に置く。 2.(勤勉な方への方法)350gの粉と同量の水を3回にわけてくわえる(ドイツのレシピでは6回なのですが、そこまでしなくてもできます)。 つまり最初は120gの粉と120gの水を加えてまぜ、8時間おいてから、さらに120gの粉と水を加えてさらに8時間、最後に残りの110gの粉と水をくわえてさらに8時間おく。 ただし、粉や水の分量、そして時間もおおざっぱで構いません。大切なのはあくまでも、天然酵母がブツブツと気泡をたてて育ってくれるかどうかです。 これも、冷蔵されていた中継ぎ元種の状態や室内の気温などで、大きく左右されます。一日たってもふくれあがらない場合もあれば、数時間でモコモコ盛り上がることもあります。こうして、天然酵母が生き物であることがよくわかっておもしろいです。 定期的に毎週、種をついで焼き続けていると、屋内の空気にも天然酵母が「充満」してくるらしく、どんどん育ちます(これは納豆づくりにもいえるそうですね)。逆に旅行などで、ずっと元種のお相手をしていなかったあとには、天然酵母が「すねて」、ちっとも活動してくれません。 たいせつなのは、相手、つまり酵母や生地の状態をよく観察して、臨機応変に対応することではないかと・・・。 こうしてみると、私がバゲットをいまだに焼けないのは、もしかして、まだ体験不足、観察不足なのかもしれません。 パンづくりでも、植物の育て方でも、はたまた子育てやパートナーとの付き合いでも、あるいはまた指圧でも、必要なのは、相手を観察し、観察を通して相手が何をしてほしがっているのかを見て取る、つまりは理解することみたいですね。 相手の観察と理解こそが、「愛」なのではないかと・・・。指圧の心、母心ですから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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