カテゴリ:プライベート
ドリスという十年来の友だちがいます。
そう言えば、ドリスという名前の知り合いが全部で四人、みんな名前のイメージに似て、かなりまたはすごい美人です。 彼女はほとんど毎週、日曜日の午後にふらりと立ち寄っては、わたしの焼いたケーキを「太るからちょっとにして」といいながらも、結局はしっかり食べてくれ、コーヒーを飲み、友だちのうわさ話などをして、帰っていきます。 ところが、この二週間以上、顔を見せません。メールを出しても、音沙汰なし。 共通の友人と、いささか心配していたところに、昨日、電話がありました。 か弱い声で、「今、病院にいるの。救急車で運ばれて。肺炎だって」とおしえてくれました。 どこの病院だか聞かないまま、電話を切り、ドクターの名前と内科というキーワードだけを頼りにインターネットで探したら、大学病院でした。 こういうとき、インターネットって便利ですね。 さっそく、ケーキ二切れ(冷凍しといた)をもって、訪ねました。 「あら、もう来たの、早いわね」と弱々しく頬笑む彼女は、顔から色が抜けていました。 自宅にいて、けだるくて、ぐったりして何もする気になれない、と思っているうちに、もう失神したそう。 ちょうど、訪ねてきていた姪御さんが救急車で運んでくれたそう。 ふだんは一人暮らしなので、姪御さんがいなかったら、そのままになっていたかもしれません。 風邪でもないのに、とつぜん肺炎にかかるというのは、老いてくると多いことのようです。 彼女の場合は、最近、転んで、関節をいためて手術をしたばかりなので、それで体力や免疫力が弱っていたのでしょうか。 こういう事態に直面するたびに、いつかわたしにも、こういうことが起こるのを覚悟しておかなければ、と改めて思います。 死自体はこわくはない、というよりもどうせいつかは訪れる、想像もできない事態ですけれど、そこまでの過程はいろいろ。 幸運なことに、病院とはお産以外では縁がないために、たまにこうして病院に行くと、気持ちが萎縮します。 父が「人が傲慢にならないために、ときどき病院に行って、自分がどれだけ恵まれているか、感謝しなければいけない」と言っていたことを思い出します。 その父は最後の二年を病院で、いろいろな管につながれて過ごし、日本人としては相当若くして逝きました。 わたしも、父の当時の年齢に、刻々と近づいています。 近頃のドイツでは、病院が財政を救うために、必要もない手術を患者にほどこす例がきわだっています。 そのために、手術の回数が、ここ数年で急増し、先進国の中では先端を切っているとか。 手術ミスや、手術のさいの細菌感染も大きな問題になっています。 こういうことを聞けば、ますます病院には行きたくなくなるし、手術などは絶対にしたくないと思ってしまいます。 自分が「手術をしなければ、命が危ない」と宣告されたときに、手術を選ぶか、そのまま早く、速く逝く道を選ぶか、 そんなことを夜中に考えていたら、眠れなくなりました。 十才ぐらいのときに、「人間は生まれたら最後、死に向かう電車に乗せられたようなものなんだ。途中下車はできないんだ」と気がついて、眠れなくなったことを思い出します。 あのときのわたしは、このためにやせ細ったものだけど、今のわたしは、これぐらいではやせ細りません。 やっぱり年とともに、心も体も図太くなったということでしょうか。 meta-tokonoma posted by (C)solar08 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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ドリスさん、早く良くなるとよいですね。
私も義母が肺炎になって、肺炎というものが年齢+喫煙で身近になることを知りました。血中酸素が下がってしまうので、失神するらしいです。 義母は歩けなくなって、通りかかった友人に医者まで連れていってもらっえたのでよかったのですが。 肺に関してはストレッチが有効ですね。 私は母の亡くなった年齢をとっくの昔に追い越しました。 いつでも、旅へいけるよう、日々、やれることを頑張っています。 (2013/04/12 06:10:11 PM)
喫煙も関係するとは、知りませんでした。
なるほど、そういうこともあるのですね。私の祖母は喫煙者ではありませんでしたが、やはりとつぜん肺炎にかかり、医者がそれに気づかなくて、そのまま逝きました。 ストレッチとは、これも覚えておきます。 お母様、早くにお亡くなりになったのですね。上の友人も、子どものときに母上を亡くされていて、ずっと一人というか独力でがんばってきた女性です。 そう、いつでもいけるように、日々を自覚して生きるようにします。 (2013/04/12 06:57:49 PM)
おはようございます。
ドリスさん、タイミング良く発見されて何よりです。 これも運命なのでしょうね。 発見のタイミング・・と聞くと、女優の故大原麗子さんが2週間とかそんな長い時間発見されなかったことや、同じく発見が遅かった飯島愛さんが思い浮かびます。 肺炎もいろいろと悪さしますから、たかがと思わずにすぐに医者に行くといいですね。 最近、熱が出ない肺炎もあるので、発見が遅れるようです。 >いつでも逝けるように なんておっしゃらず、その覚悟は胸の中におきつつも、どうぞ元気で暮らしを生を愉しんでくださいね。 (2013/04/14 01:33:14 PM)
おはようございます。今日は快晴の日曜日、やっと最高気温が20℃にもなるかもしれないそうです。
ドリスは退院して、息子家族の家に二、三日いて、今日は一人暮らしの自宅に戻るそうです。 入院中の、「とつぜん老けた」顔を見たら、わたしもこうなるんだなあと、正直、不安になりました。 肺炎などと馬鹿にはできないですね。息子は今でもときどき、低温性のにかかっているようですが。 ありがとうございます。楽しむように心がけてはいます。パン焼きで。 (2013/04/14 07:35:10 PM) |
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