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カテゴリ:失語症
ある時、先輩のPTの方から、声をかけられました。
まわりの音のため、何を言われているかわかりませんでしたが、少し聞こえにくかった仕草をしながら、想像で返答すると、違う話題でした。 その時の状況と、声をかけられたとき、瞬時に考えたことは、 リハビリのフロアで、朝の10時過ぎ、リハビリスタッフが忙しくリハビリをしているいつもの状況。先輩のPTも、臥位になっている患者さんに治療をしている真っ最中。 たまたま、私が4~5m離れた距離を通り過ぎた時、PTの先輩から、少し明るく元気な感じで、2文節程度の長さで声をかけられた。 周りのいろんな声や音で、聞こえなかった。 こんな時に話かけられる内容はかなり限られてくる。 まあ、「共通の担当患者のこと」で間違いない。 3人の共通の担当患者さんがいるが、パッと思い浮かんだのは、1人の患者さん(Aさん)のこと。 Aさんは、リハ中に血圧の変動があり、PTと毎日のように情報交換している。 私がAさんのリハビリを9時台にすることをそのPTの先輩は知っている。 しかし、Aさんに関する今までの情報交換の重要度や頻度から考えると、この忙しい状況で話す内容かと考えると少し違和感がある。 また、この忙しい状況でPTの先輩が求めている返答は、短い返事や、多くても2~3文節の一文程度に感じた。 Aさんのことを話すのであれば、血圧の状況をどんなに端的に報告しても三文程度は必要となる。 いろいろ頭の中をめぐっている内に、答えるか、聞き直すかの返答のリミットが来た(ほんの2~3秒のこと)。 普通の人なら聞き直すだろうが、忙しさもあり、一か八かで、Aさんの血圧のことで返答してみた。 すると・・・、やはり違う話題であった。 結局正答は、軽度の頭部外傷の患者さんBさん(リハビリ的に全く問題ない患者さん)が、今朝急遽退院になったということを教えてくれたのだった。 今考えると、その時の先輩PTの表情や言い方は、内容とバッチリあっていた。 この患者さんの退院のことは、ほんの15分前に、リハビリの業務担当の方から聞いていていたため、私の中では終わっており、考える選択肢から除かれていた。 正解は、「Bさん、退院だって!」のような感じのよう。 失語症の方は、多かれ少なかれ、「トップダウン処理」を使い、話を理解しようとされていると思います。発声の調子、表情、身振り、イントネーション、文の長さ、今までの話の流れ、今日までの話の内容などなど。 今回の私の場合、声をかけられた内容は全くわからず、ほとんどトップダウンしかできなかった状況になりましたが、無意識のうちに一瞬でいろんなことを考えているんだなあと、あらためて感じました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年06月29日 00時43分06秒
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