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カテゴリ:急性期リハビリ
JCSII桁~III桁の経鼻経管栄養管理の患者について、車椅子(標準型またはリクライニング車椅子)で離床をしながら注入を行うことのメリットを考えてみました。
<今回想定している状況> ・脳血管疾患などの急性期~亜急性期 ・意識レベルがII桁~III桁のため、直接嚥下訓練は開始できない ・麻痺は重度で、移乗は中等度~全介助レベル ・病巣の大きさやそれまでの経過から、大きな改善(意識レベルがI桁になるなど)は見込めない。 <メリット> 廃用症候群の予防としては、 体位交換、移乗の機会が増えることにより、 ・拘縮予防 ・姿勢変更による心負荷の増加 ・腸の運動促進 ・移乗時にわずかでも下肢へ荷重がかかる 車椅子座位をとることにより、 ・抗重力筋が使用される(舌骨上筋群も抗重力筋といえるか) ・体幹・頸部の筋力向上による姿勢安定 ・座位の方が咳がしやすい ・下肢が下がる姿勢のため、心負荷の増加 ・視覚、聴覚、触覚などへの刺激入力の増加 <デメリット> ・注入時に車椅子移乗する介助量・作業量に比して、目に見える機能の向上が見込めない。 (その病棟の総合的な費用対効果を考えると、他の患者のケアに時間を当てたほうが良い) ・心負荷、身体機能への負荷があるため、ベッド上に比べて、必要なリスク管理が増える。 <その他> ・ベッド上の注入でも角度を上げれば、リクライニング車椅子とほとんど同じではないか? →車椅子では下肢が下がることにより、ベッド上に比べ、心負荷がかかる。 逆に、ベッド上の下肢が下がらない状況では、心機能の廃用が起こる可能性がある。 →例えば、背面を45度に設定する場合、「ベッド上45度では結構高く感じる」が、リクライニング車椅子の45度は「かなりリクライニングしている(倒している)ように感じる」。これらにより、ベッド上ではベッド角度は低くなりがちである。 (※ベッド45~60度では褥瘡発生リスクが高くなるとしている文献もある) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年11月30日 17時38分06秒
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