茨城県水戸から発信　Bacon's Infomation Laboratory

[読んだ本] カテゴリの記事

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  人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊／井上智洋・著

  シンギュラリティ（AIが人間の全知能を超える・2045年と言われている）には興味があります。色々な本を読みましたが、同じようでいてそのビジョンは少しずつ違うようです。この本は経済学者的な観点が中心で、資本家と労働者の2軸で捉えています。完全にAIが仕事をするようになると、「労働者はいらなくなって資本家だけになる」ということが、起こり得ることを前提に、あるべき経済社会について論じています。そうなると資本家を目指していかなければダメなのか？分かりませんが、その方向を考える必要がありそうです。人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊 （文春新書） [ 井上智洋 ]価格：864円（税込、送料無料) (2017/10/1時点)

  2017.10.01

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  銀行王　安田善次郎／北康利・著

  【楽天ブックスならいつでも送料無料】銀行王安田善次郎 [ 北康利 ]安田善次郎氏は現在のみずほフィナンシャルグループ、旧安田銀行など芙蓉グループの創始者です。彼は暗殺によってなくなっていますが、世間的には存命中「ケチ」で知られ、それでいて富豪ゆえにねたみの対象になったようです。しかし、この本を読むとそのイメージに反するエピソードの数々です。明治維新から日本の近代国家が形成されていく過程で、経済界に貢献した彼の役割は絶大なものですが、営利ということだけでなく、ここぞという時あるいは事業には多額の寄付やリスク覚悟の投資を行い、日本経済の興隆に貢献しました。その卓越したビジネス感覚ゆえ、社会貢献を主眼に出資や救済をおこなった事業が結果として大成功を収め、巨額の富を築くことになりました。これがねたみを買う要因になっているのは皮肉です。まあ、日本が成長していく過程の中で、このようないびつな人心はしかたがなかったのかも知れません。本当に安田善次郎氏のスケールの大きさと事業家としての手腕は感服せざるを得ないですが、その中でもすごいなあと思うのは、サブタイトルにある「隠徳を積んでいる」ということです。本当は日本のため、社会のために大きな貢献をしているのに、それを表に出さないので、世間では「ケチ」に見える部分だけクローズアップされてしまったようです。しかしやはり徳というのは自分のために積むもので、それが結果社会の役に立つといっても、それを世間に誇示するものではありません。陰徳をを実践された善次郎氏のエピソードに触れることで、より徳ということが理解できた気がします。私の体験的なことでいうと、みずほ銀行は実はそれほど好きなほうではありません。ぜひ創業者の理念がどこかで行員一人一人に受け継がれる組織であってほしいと思うのでした。

  2015.01.17

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  ご縁とお役目／矢作直樹・著

  ご縁とお役目 [ 矢作直樹 ]日本の年間自殺者は3万人と言われます。警察庁の統計によればH19年ごろから減少傾向にあり、H23年までが3万人オーバーで、H24年は2.8万人、H25年は2.7万人となっています。動機としては50%が健康問題のようです。目立つのはいじめの問題による子供の自殺ですが、割合は１％程度。少なくはないですが多いと見るべきかどうか？人はなぜ生きるべきなのか？なんていう大きなテーマについて、私自身は考えてもしょうがないことと、最近までは思っていました。ところが、上記のように自殺者が多い世の中で、生きることを問う書物や報道などを目にすることが多くなり、また、経営という場に身を置くことから感じることも多くなり、積極的に考えるようになりました。現世利益ということになってしまうのですが、生きることを積極的に考える＝今を一生懸命に生きる＝仕事を充実させる、ということになり、皆が一生懸命仕事をすれば組織が活性化するというものです。経営者としてはそういう場を、環境を作るのが仕事ですが、その一つとして人生充実の意味合いを知ってもらい、人生が充実する職場環境とはどんなものなのかを正しくとらえて欲しいという願いがあります。すなわち、たくさん給料がもらえるとか、和気あいあいと面白おかしく仕事ができるとか、将来ステップアップするために勉強する場だとか、欲求としては多々あると思いますが、その場にいるご縁を知り、仕事だけでなく、生涯において今の肉体の役目を全うするマインドを持ってもらえるような社員を一人でも多くしたいと考えます。そんな考えを理解してもらうために、この本を是非読んでもらいたいと思うのですが、一方で理解はできても真意を感じられる人は少ないかもしれません。著者の矢作先生は臨床医という立場で、この本に書かれていること一つ一つを体現されていると思うので、すごく納得できる言葉が多いです。読む方も何かしら極限の経験をしているととても心に響いてきます。だから、自殺を考えるような局面の方にはとても響鳴するかもしれません。一方で、あまり真剣に人生を考えたことのない人はただのきれいごとにしか聞こえないかもしれません。魂を磨くことや、お借りしている体を使って、今生をいかに生きるかということや、社会におけるお役目としてどう自分を捉えるかということなどなど、スタッフがしらけることなく経営者がこの本に書かれているような内容を語れたら、その方は立派だと思います。自分にはまだそれはできそうもありません。ただ、深いところで理解しながらスタッフにも読んでほしいと思うのでした。

  2014.11.10

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  鈴木敏文の実践！行動経済学／鈴木敏文、勝見明・著

  鈴木敏文の実践！行動経済学 [ 鈴木敏文 ]行動経済学の分野は学生の時かじったのと、経営にはかなり応用できるので色々な本を読んでいます。大抵は行動経済学の理論がどう経営や日常生活に活かされるか？というアプローチなのですが、この本はセブン＆アイ・ホールディングス、鈴木会長の実体験からにじみ出る理念や考え方を行動経済学で説明するというアプローチです。それだけに具体的で非常に説得力のある話が多いです。私としても経営戦略、戦術として色々な方策を考えますが、それに対してこの本の言葉を借りると理論的に説明できたりとか、説得力を増す材料に使えたりとか、想像が膨らんできます。なので、行動経済学というと難しそうですが、語られている内容にはとても共感できることばかりでした。以前、鈴木さんの門下生だった方と一緒に仕事をしたことがありますが、本当に鈴木さんの言葉には力と説得力があったという話をされていました。たまたま手にした本で、2012年9月の発刊ですが、もっと早く触れたかったと思いました。

  2014.11.01

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  地方消滅／増田寛也・著

  【楽天ブックスならいつでも送料無料】地方消滅 [ 増田寛也 ]元総務大臣の増田寛也氏がまとめられた本です。簡単なタイトルながら衝撃的な雰囲気を漂わせていますが、中身も危機感を感じさせられる内容です。これから人口が減っていく社会になるのはほとんどの方が認識されていることだと思います。さらにこれからますます超高齢社会になっていくということも．．．ポイントは「これから」がいつなのか？考えてみれば、日本全体では「これから」というのが、一律であるはずはありません。平均的に考えれば、少子化で若年層が減って、高齢者は長生きするので増えて、全体では徐々に減っていくイメージでした。しかし、地域あるいは自治体で見れば、既に高齢者人口もピークを過ぎて減っている自治体もあるということです。このような自治体は若年層は都会に流出していく流れになっているので、出生が少ない。結果ダブルで減っていくので、人口は徐々にではなく急減するとのことです。確かにその通りのように思います。東京のように人口がまだ増える都市もありますが、自治体の数でいえば圧倒的に人口が急減していく方が割合が大きい。このメカニズムを知ると一刻も早く対策を打っていかなければならないと感じます。そのコンセプトとして、自治体単位で活性化や再生策をやるのではなく、地方圏域毎にまとまって仕掛けていくことが肝要としています。この割り切りは納得できます。自治体毎に施策を打っても、パワーが少なすぎて線香花火で終わってしまうのは目に見えています。ある程度広い圏域で連携して、商業・工業の中心、その周辺のベッドタウンといった形で役割分担し、住み良い地域を作ることで、人口減少を極力抑えて行こうという考えです。ところで、キーファクターの一つは出生率。現在全国平均では１．４台の合計特殊出生率をすくなくとも１．８、理想としては２．１ぐらいに上げていくことも前提になっています。また、生産年齢人口が急減することを踏まえて、働き手として女性の労働力活用が取り沙汰されるのは当然です。読んでいて、女性はこれから大変だなあと思ってしまいました。岩手県紫波町「オガールプロジェクト」 は補助金に頼らない新しい公民連携で、ハードとソフトのコンテンツが戦略的にレイアウトされた凄いプロジェクトです。こういったことを中心に圏域での役割分担を伴ったグランドデザインが必要かと思います。

  2014.10.18

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  ブッダが職場の上司だったら／フランツ・メトカルフ・著

  【楽天ブックスならいつでも送料無料】ブッダが職場の上司だったら [ フランツ・メトカルフ ]とても面白い視点の本だと思いました。サブタイトルが「理想の上司ＮＯ．1ブッダの人生コーチング」とあります。が、私からすれば理想過ぎて恐れ多い感じがします。上司としての目標と考えるとついていけない、有難い言葉ばかり。ここは素直に賢明な先人からの言葉として受け止めることにしましょう。もっとも重いなぁと思ったのは、コレ「極楽浄土の喜びさえも、欲望から解き放たれた喜びにはおよばない（法句経１８７）仏の道の目的は浄土にあると言われ、究極の目的達成です。しかし、これを上回るほど欲からの解放は喜びということ。裏を返せば、欲望があるから苦がついてくる、欲する通りに行かない＝思い通りにいかない「苦」 から逃れる喜びは、生きている中では最高ということなのでしょう。さて私、今年の目標として貫いてきた方針でもう一歩組織を前進させようとしています。が、なかなか思い通りにいきません。というか、思ったことを理解してくれません（理解してくれている人もいるので、決して伝わらない言い方はしていないつもり）この思い通りにいかないその裏には欲望や執着があったら、これは苦しいでしょう。しかし、今私の信念としては、「これがうまくいけば組織の皆が幸せになる」と思ってやっていることなので、「苦」ではありません。本には「地獄とは他人のことだ」と同時に「天国とは他人のことだ」とも書かれています。組織の中で苦も楽も紙一重で、それぞれの構成員の考え方次第です。それぞれが役割を果たすことで、あるいは期待以上の成果を上げることで、お互い尊敬しあい、認め合って、繋がっていく組織にすべく取組中です。「小川のせせらぎが聞こえるであろう。そこから入るがよい」とある師は答えたと言います。まずは目の前から変えていくことです。それは自分の欲のためではなく、皆の幸せのためです。とりあえず、そう信じること．．． 

  2014.10.15

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  日本の水産業は復活できる！／片野歩・著

  日本の水産業は復活できる！ [ 片野歩 ] 魚離れといわれて久しく、日本周辺の水産資源がひどいことになっているのは、世間ではあまり注目されていないように思われます。私自身もウナギの稚魚が激減してしまって、これからウナギはどうなるのかな？といったぐらいです。 クロマグロの漁獲枠でも、捕鯨に関しても「ダメなら食べなきゃいい」ぐらいに思っていました。決して魚が嫌いなわけではなく、むしろ最近は年齢的なことあり、食べたいと思うのは肉より魚になってきています。 ニシンなどかつては当たり前の魚が採りすぎにより日本で取れなくなってしまったのは有名ですが、イワシなども激減していると知り、ゆゆしきことと感じます。考えてみれば、海だからといって早い者勝ちで採れるだけ採ってしまうのは、乱暴です。 一方で、EUではノルウェーなどを中心にTAC（総漁獲可能量）と個別割当制度（IQ・ITQ・IVQ）により、きっちりと資源管理を行っており、漁業従事者は皆十分に利益を得ているそうです。日本では魚離れと相まって、漁業従事者の高齢化と漁業都市の衰退が深刻です。それこそ「漁港」というと寂れた印象が固定観念になりつつあるぐらいです。（茨城は那珂湊のおさかな市場が観光資源として人気が出てきたので、ちょっと様相が違いますが）  五島列島産 鯵の開き詰め合わせ 10枚入り』 で、この本には日本の水産業の復活のため欧州の資源管理を見習うべきだとの話が詳述されています。なるほどそうかもしれないと思います。少し専門的な用語が出てきますが、漁業関係者でない方も読みやすいと思います。 この本が出版されたのは2年前ですが、ようやく日本でも動いてきたようで、7月1日に水産庁は、「資源管理のあり方検討会」を開いて、マサバ、スケソウダラ、 太平洋クロマグロ、トラフグの資源管理強化を決めました。マサバは国主導で漁船や漁協ごとに漁獲枠を割り振る個別割当（IQ)を今秋から試験的に始めるとのことです。 水産資源の管理というのがいかに大事か考えさせられますが、地方再生には漁業の復活が必要なファクターの一つであると思います。  旬の秋サバを使用した八戸伝統のしめさばをご賞味ください大振りしめさば【東北復興_がんばろう！宮城】【RCP1209mara】  

  2014.10.13

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  ヤバい予測学／ エリック・シーゲル・著

  【ヤバい予測学 [ エリック・シーゲル ]何がヤバいのか？今の時代であればＰＣやスマホでネット情報に触れないことはない。これがさまざまな形でデータベース化されており、個人のキャラクターを類型化し、行動を予測することに繋がっています。それがどんな風になされてるかってことが解説されています。う～ん、しかし英語特有の言い回しに対して、この翻訳の仕方は良く解らない。もっとアカデミックな表現で翻訳してもらった方がいいですね。内容は面白いです。特に中盤からだんだんドラマチックになってきます。ちょっと古い言葉かもしれませんが、人工知能ですね。学生時代にやりました。ディシジョン・ツリーで物事を推測していくやり方です。例えば、今日の夕飯は何を食べるか？を予測するとしましょう。魚は好き？　＝＞Ｎｏ　ならハンバーグ　＝＞Ｙｅｓ　なら　　今日の気温は３０度以上？　　　　＝＞Ｎｏ　なら焼き魚　　　　＝＞Ｙｅｓ　なら刺身といった具合。これをもっと高度にして、ブログとかツイッターの書き込みから個人の特性情報を集めて、行動を予測していくわけです。学生時代はPrologという言語を使いました。20年前の話ですから、今はかなり高度な分析システムが開発されていることでしょう。かくして我々の行動は予測されているわけです。それを忌避するのではなく、相手方のモラルとこちら側のセキュリティはチェックしながら、その波に乗っていくしかないかと思います。アキモトのおいしい備蓄食 パンの缶詰 レーズン味 100g/パンの缶詰/缶詰パン(パンの缶詰)/税込2...価格：378円（税込、送料別）先日、3年の賞味期限が来たので食べましたが、全然違和感無くてとてもおいしかったです。

  2014.10.02

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  寝込みました

  昨夜、突然熱が出て、一時は３９度今朝になって下がっては来ましたが、強烈な腹痛で仕事を休みました。５日前からのどの痛みと体のだるさがありましたが、ここでしっかり治しておかなかったのが不味かったですね。今回のは風邪から来る急性胃腸炎のようです。平日仕事を休んだのは昨年のお盆以来でした。昨日、図書館で小説を借りておいてよかったです。史上最強の内閣 [ 室積光 ]ちょっと前の政治情勢を強烈に皮肉った小説です。コメディタッチの割に難しい話が展開されますが、なるほどと思うこともあり、面白かったです。北朝鮮の某長男を英雄に仕立てちゃうところとか、いいですねぇ。

  2014.09.22

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  利他学・小田亮

  利他学 [ 小田亮 ]随分ながいこと日記をさぼっていました。もうやめようと思っていたのですが、書きたいと思うこともやはりどうしても出てきます。「利他」に関しては私にとってとても重要なテーマです。理念の大切さを標榜している以上、理念に集う”人”の精神として、「利他」の精神は欠かせないものです。ところで、利他って何なのか？どこから来るのか？ミクロ経済にあるような合理的な判断基準だけでは説明できないのが「利他」それを科学的に突き詰めようということで、古今東西の様々な実験、研究を考証しているのがこの本です。スタートは生物の本能というか遺伝子レベルの話自分の遺伝子をどう残していくか？から始まります。したがって、もっとも原始的な利他は子を思う親の気持ち自分の遺伝子を持つ子供が元気に育ってほしいというのは、当たり前のようですが、自然淘汰により備わってきた仕組みなのです。そんな話から色々ありまして、直接的に見返りのない「利他」（間接的互恵）がなぜ生まれるのか？災害で大きな被害があった地域に義援金を送るとか、道で困っている見ず知らずの人を助けるとか．．．これも適応と淘汰の中で人間の奥底に植えつけられた生存本能で、結局は人間の社会はある程度ニッチ（狭い世界）で集団を形成しており、その中でうまくやっていくための仕組みとして備わってきたようです。したがって、いじめの原型は利己的なものを排除する集団適応の仕組みだったのだと思うのですが、現代では逆になってしまっています。本来は集団適応の結果として、道徳性（罪悪感と言ったもの）が形成されます。この形成には学習が役立っていると考えられ、本格的な利他行動ができるのは人間だけのようです。そんなことでやはり「道徳」がないといけない。科学的なアプローチでもそんな答えが導き出せるのだなあと感心しました。

  2014.09.21

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  里山資本主義 ［ 藻谷浩介 ］

  【送料無料】里山資本主義 ［ 藻谷浩介 ］非常に共感できる本でした。バブル崩壊して20年。経済成長はほぼゼロという日本。いや世界に目を向けても、先進国はどこも成熟し、机上で生み出されたマネーが新興国に向かうことで、色々な軋轢から、安定成長は困難。我々の世代までかもしれませんが、未来は科学の発展で確実に物質的に豊かになるという固定観念があります。だから、ドラえもんもバック・トゥ・ザ・フューチャーも成り立った。しかし、現実的に経済が拡大していかない中で、1000兆円もの借金をどうするのか？などと考えると、ＳＦのような未来はナンセンスに思えます。そんな疑問があって、「今後世の中の生活水準は切り下がって行くのではないか」、とか「人口減少で空き家が増加し、多くの人が住処を2つ持つ時代が来る」などと考えたりしました。この本は、そんな私が漠然と考えていた疑問について現実的な考え方を示してくれるものでした。特に最近複数のお客様からペレットストーブの良さについて聞かされており、気になっていたところ、木質ペレット燃料なんかも含めた木質バイオマスにより、再生可能エネルギーで地域を回して行こうという取り組みが、すでに結構な規模で行われていることを知り、驚きました。本来、日本人が親しんできた里山の恵みによる生活。自然の恵みは再生され、恒久的に持続できる安心感があります。里山資本主義という考え方は、マネー資本主義にとって変わるものではありませんが、現在の経済のバックアップ・システムとして絶対的に必要な考え方だと思いました。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー【SS-1】　　FF式ペレットストーブは、環境にも人にも優しい暖房器です。《送料無料》　さいかい産業　FF式ペレットストーブ　SS-1 ＋給排気管基本セット　※設置工事当社手配　（東京・神奈川限定）

  2013.10.26

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  般若心経の教える幸せになるための智慧 ［ ひろさちや ］

  　般若心経の教える幸せになるための智慧 ［ ひろさちや ］般若心経というのは「般若面」のイメージからなにかおどろおどろしいものを想像してしまっていて、ホント今まで浅はかでした。この本を読んで、だいぶイメージが変わりました。それと同時に「智慧」や「因果」ということについて、ぼんやりしていたことがよくわかった気がします。ウチの会社にも色々な人がいるので、伝えたこと指導したことがどうしても守れない、理解できない人がいます。先代社長が「どうしてもダメなら諦めてできるなりのことをさせなさい」とおっしゃっていました。それがまさに般若心経でいうところの「忍土」とか「堪忍」の世界なのですね。諦めるということの本意は怠惰なことではなく、「道理を明らかに見る」というこのだと説いています。諦めて受け入れ、物事がうまく運ぶように堪え忍ぶのがあるべき道のようです。また、「忍」は精進にもつながり、フロー体験の話になります。フローについては先に読んだ「モチベーション3.0」で触れ、その概念についてまだよくわかっていなかったことですが、ここでつながったことで理解が深まりました。このように身の回りで起こっていることについて、この本で説かれていることと合致することが多く、なるほどと思いながら読むことができました。【送料無料】モチベーション3．0 ［ ダニエル・H．ピンク ］

  2013.09.28

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  図書館戦争、映画公開まであと少し

  【送料無料】図書館戦争 ［ 有川浩 ］図書館戦争の実写版映画公開まで10日足らずとなりました。アニメ化されたりしてファンが多い小説だと思いますが、私がこの本を読みたいと思ったのは、最近の話で、茨城県内の施設が実写版のロケに使われと聞いたからです。特に円形のデザインが特徴の水戸市立西部図書館はよく利用しているところです。図書もさることながら、建物の周囲に1周400ｍの屋根付き回廊が設けられているので、雨の日のランニングにはありがたい場所です。それはさておき、この「図書館」「表現の自由」というモチーフも興味を惹くものでした。実際に読んでみると、図書館に武装した守備隊が必要となるような背景を描くのは小難しくて、入り込むのに時間がかかりました。それでもいつの間にかファンになってしまいました。キャラクターの描き方が結構強烈で、コメディタッチな部分があることで自分の好みにハマったかなぁという感じです。展開に慣れてくると、若年層が起こす犯罪をメディアという外部影響要因のせいにしてしまう危険性など、実際の社会でも考え得る社会のゆがみを風刺し、警鐘を鳴らしている部分も見えてきます。改めて、メディア、特に本というものがどういうものであるべきか、考えさせられます。映画の方も楽しみです。

  2013.04.17

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  核の均衡

  【送料無料】直観でわかるゲーム理論 ［ 逢沢明 ］北朝鮮による核実験が行われました。弾道ミサイルにつづき、核実験も成功したということで、ますます調子にのるかもしれません。日本にとって大きな脅威です。第二次大戦末期から今に至るまで、核が最終兵器だということを改めて実感しました。北朝鮮にとってみれば、アメリカがいつ攻めてくるかわからない。攻める理由などなんとでもつけられるは、中東を見れば明らか。その脅威に対抗するには核を持つこと、しかも、アメリカ本土まで到達する核ミサイルを持たなければならないのです。別に北朝鮮の肩を持つわけではありません。戦略上は、たとえ勝つ力がなくとも相手に大きなダメージを与えられること。そして相手が攻撃してきたら徹底抗戦する姿勢をあらかじめ示すこと。これによって、たとえ勝っても大きなダメージを受けるような戦争を、アメリカが自ら仕掛けることはなくなります。冷戦時代には当たり前だった戦略が、今なお有効（？）であることにつけ、世界平和は遠いなと思います。さて、そんな戦略論のひとつとしてゲーム理論があります。囚人のジレンマが有名ですが、軍事戦略やビジネスにおける交渉事、はたまた恋人を落とす戦略など様々な局面での必勝法を教えてくれます。この本はタイトル通り、直観的で理解しやすいです。ゲーム理論の教科書はマトックスと数式がたくさんでてきて、途中で結論がわからなくなってしまうのですが、この本はホントに解りやすいです。そして、実社会の様々な局面でゲーム理論が役に立つことがわかります。-------------------------------------------「誰かがその手を変更しても、そのプレーヤーにとって損にしかならない状態」がナッシュ均衡で、ゲーム理論では重要な考え方。この理論の生みの親でノーベル賞学者のジョン・ナッシュの物語【送料無料】ビューティフル・マインド ［ ラッセル・クロウ ］

  2013.02.12

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  女性の国政進出・・・つくられた卑弥呼／義江明子・著

  自民党の安倍総裁が内閣総理大臣に指名されました。先だって発表された党三役人事には初めて女性２人が採用されたということで、注目されています。来年の参院選にむけてのイメージ戦略や何やかやと言われています。併せて、女性の国政進出が遅れている日本の現状が報道され、改めてその通りだと思いました。諸外国では男女差をなくすために議員の一定割合を女性にするよう決めている国も多いとのこと。特に今回は女性が大量当選した前回から大きく勢力が入れ替わった余波で、１１％から８％に下がったとのこと。毎日新聞の記事によれば、女性の社会進出が難しいと言われているナイジェリアと同じ比率とのこと。韓国では１５％、ドイツや北欧では３０％近い比率になっているそうです。さて、そんな報道を見聞きし、たまたま読んでいたのがこの本です。【送料無料】つくられた卑弥呼 [ 義江明子 ]価格：714円（税込、送料別）謎の多い卑弥呼巫女として人目にほとんど触れることがなく、託宣により邪馬台国を収めたという人物像が強いでしょうか？著者は古代における名前の付け方の特徴や変遷、女性に対する社会の位置づけなどを丹念に解き明かして、ジェンダー論を展開しています。その中で、男尊女卑の考え方が古代以来であるとの通念が、実は奈良時代以降の治世のために作りだされてきた観念であること、そして明治維新後の天皇の神格化によって強められたことを説いています。タイトルからは「卑弥呼」のイメージが如何に作られたかについて語っているように思ってしまいますが、むしろ、今では常識になっているジェンダー感がどのように形成されたのか？という大局的な観点で読む必要があります。結論的に、そもそも古代の日本においては社会の中での男女差の概念は薄かったと見るべきで、現在にも残る「男は外、女は内」という概念はとりはらうべきということが、本旨なのだろうと思います。古代史においても現代に繋がる事柄が色々とあって面白いです。-----------------------------------------------------------------------値段の割には好評でした。cz ダイヤモンド ネックレス-Diamond necklace-★【送料無料】優雅でやさしいフォルム★czダイ...価格：2,980円（税込、送料込）

  2012.12.26

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  再生の町／菱田信也・作

  【送料無料】再生の町 [ 菱田信也 ]価格：1,575円（税込、送料別）財政破綻（寸前）に陥った大阪の自治体（架空）の再起をかけたプロジェクトチームの奮闘を描いています。少し前の作品で、ＮＨＫでドラマ化された脚本を小説に仕立て直した本です。図書館でふと目に留まったので、読んでみました。今回の衆院選は、震災復興や外交問題などの優先順位が高く、しかも、日本維新の会に太陽の党が合流したりして、地方自治というテーマが霞んでしまった感があります。しかし、そもそも地域主権を政策の中心に置いて、国政を変えていこうという大阪・橋下市長の訴えが、大きな流れを作るのではと期待されていたのではなかったか？地方の財政再建ということだけを取ってみれば、フィクションを持ってくるまでもなく、大阪で橋下氏が実際にやっていることを見ればよい。一方で、この物語の面白いところは、家族の絆、特に親子の因果がとても巧妙に描かれていること。そして、地域の絆が様々な喜怒哀楽の果てに形成されていく様。様々な立場の人がそれぞれの悲喜こもごもの中で役割を演じ、大団円に向かっていく局面では、不覚にも入り込んで涙してしまいました。２００６年に夕張市の財政破たんがあってから、財政健全化法により地方自治体の財政状態が公表されるようになっているので、新聞にすっぱ抜かれて大問題になるということは、基本的にはないのですが、国でさえ今のような状態で、地方が苦しいことには変わりありません。企業なら、どうしようもなければ「ごめんなさい」と破産なり、民事再生なりすれば良いのですが、自治体だと下手をすれば（いや確実に）人の生死にかかわる部分に問題が生じるだけに、フィクションながら、財政再建に取り組むようすは鬼気迫るものを感じます。我々、行政サービスに甘えて必要以上のことを求めてはいないか？と反省させられる内容でもありました。----------------------------------------------------------------12/19 23:59迄エントリーでポイント5倍【送料無料】【台数限定スーパー特価】 クイジナート Cui...価格：13,900円（税込、送料込）

  2012.12.19

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  武器としての交渉思考／瀧本哲史・著

  武器としての交渉思考 ［ 瀧本哲史 ］中国の空軍機による領空侵犯がありました。秋に巻き起こった破壊的な反日デモが落ち着いてきたところですが、中国側はジャブを繰り出してきました。まだまだこれから戦いというつもりのようです。尖閣にしても竹島にしても、「交渉」によってこの問題が解決できるかどうか？これまでの経過を見ると難しい気がします。この本の中に竹島問題を解決するにはどうすればよいか？という例題が登場します。単なる歴史論だと何とでも言えるので、お互いの正当性を主張するだけでは、水掛け論になり絶対に解決しない。平行線にならない場に相手を引きずり出すが必要あり、それは国際司法裁判所だということです。実際、過去に何度か司法裁判所に提訴する動きがありましたが、韓国側の抵抗にあっています。拒むという事は、公の場で第三者から見られると不利だと思っているのかもしれません。一方で、提訴されても良いように根回しを着実に行なっているとも聞きます。正面から正論をぶつけるのでなく、外堀を埋めることも交渉では非常に大事なのです。しかしまあ、領土問題はどちらかの一方の勝利というのが、戦争以外の手段ではほとんどないのが問題です。ビジネスの世界であれば、お互いのウィンの大きさでバランスをとり、成功にもっていくことができます。すなわちオセロのような白黒だけでなく、妥協点というものが存在します。逆に言うと、いかに相手の妥協点を引き出すか？ということも交渉術として大事なことです。この本にはこのような交渉のテクニックが体系だって説明されています。これを読めばビジネスにおける交渉ごと、特に営業の場に措いてはかなり役立つと思います。役立つのみならず、明治維新の志士になぞらえてロマンを語る場面もあり、選挙直前のこの時期に、非常に熱いものを感じました。ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

  2012.12.14

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  天皇陵伝説／八木荘司・作

  【送料無料】天皇陵伝説 ［ 八木荘司 ］北朝鮮による宇宙ロケットが発射されました。爆弾運搬装置＝ミサイルであることは明らかなようですが、何らかの物体（＝良く言えば衛星）を軌道上に運んだことも事実のようで、ミサイル技術の正確性が侮れないレベルになっていることは、こちらの世界には大きな衝撃でした。それにしても、北朝鮮が国家として何を狙っているのかはホントによくわかりません。たまたま読んだ本が北朝鮮の体制をモチーフにしたものでした。私が子供のころは仁徳天皇陵として教科書に載っていた大仙陵古墳。現在では仁徳天皇が奉じられているかどうか、考古学的に定かではなくなっているため、教科書でも呼び方が変わっているとのこと。いずれにしても世界最大の王墓です。物語は仁徳天皇陵から出土したとされる副葬品をめぐるサスペンスです。明治初頭にどさくさにまぎれて発掘がおこなわれ（これは史実）、その際に北朝鮮に大変貴重な副葬品が持ち出されれたという設定。北朝鮮とのパイプを持つ主人公が、この副葬品を借り受ける契約を北と取り付け、秘宝展を企画します。ところが、あろうことかこの秘宝を右翼に強奪されてしまう。右翼は神意に従い秘宝を陵墓に戻すと言う。秘宝が戻らず、北朝鮮との契約が保護となれば、国家問題に発展してしまいます。果たして秘宝はどうなるのか？ここで描かれる北朝鮮は、われわれのイメージ通りのものであり、許しがたい体制です。しかし、北朝鮮の国民市民はどうなのか？悪いのは体制であり、国民一人一人はわれわれと同じひたむきな一人の人間である。そんな問いかけをしている物語です。将軍の一周忌に花火代わりに莫大な金をかけてロケットを打ち上げる体制の国。今行われている現実と重なる話でした。--------------------------------------------------------------------物語にはこんなジャケットが登場する。なぜか？！ミリタリージャケット M65 N-1デッキジャケット ECWCS ライダースジャケット スタジャンなど定...価格：9,699円（税込、送料込）

  2012.12.13

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  ビジネスモデル革命―競争優位へのドメイン転換／寺本義也、岩崎尚人・著

  これは２０００年に書かれた本です。初版は「競争優位のドメイン転換」となっています。バブル崩壊から１０年。「失われた１０年」という言葉が使われだした頃でしょう。まだ、ＩＴの発展可能性には限界が見えない時期で、革命的なビジネスモデルにより時代の転換期をリードする企業として紹介されているのはＩＴがらみが多くなっています。すなわち、ソフトバンク、ＡＯＬタイムワーナー、ソニー、ＧＥ、セコム、ベネッセ。いずれもＩＴを核として進化型のビジネスモデルを構築した企業です。しかし、現在は．．．として考えてみると、ビジネスモデルの基礎となるドメイン（事業領域）をどう捉えていたかで、だいぶ違ってきている印象です。「セコム＝安全・安心」や「ベネッセ＝教育・学習」などドメインがはっきりしている企業は、現在もトップランナーとして高度なサービスを提供しています。一方で、ＡＯＬタイムワーナー、ソニーなどは「エンターテイメント」というドメインが明確ですが、今日においてはパッとしません。良く分かりませんが、要因の一つとしてあげられるのが、ＩＴとエンターテイメントの関係性でしょう。つまり、エンターテイメントを供給する「手段」を開発していたのが、ＡＯＬタイムワーナー、ソニーで、その「手段」を構成する技術であるＩＴの進歩があまりに激しいために、これらの企業は競争優位を維持できなかったということではないでしょうか？この本では冒頭で世紀を超えて成長するビジネスモデルは「過去の常識が非常識となるような新しいビジネスモデルによってしか説明できない」と説いています。その例として示されたビジネスモデルですが、（たったの）１０年経って見返してみると、変わらず価値の創造ができている場合とそうでない場合があるとわかります。経営環境の変化のスピード感でいえば、１０年以上前の教科書は陳腐化してしまっている印象がありますが、この本は未だ普遍的な（おそらく永遠に）競争優位の在り方がないことを教えてくれます。そして、残念なことに、中小企業は１０年経っても（バブル崩壊からは２０年経っても）ドメイン転換ができていない企業が多く、そういう意味でこの本から学ぶことがまだまだあると感じました。ところで、この本で紹介しながら継続的な成長がなされるか？半信半疑で述べられているのがソフトバンクです。実際は（紆余曲折ありながらも）現在においても、大いに期待されている企業です。ビジネスモデルもさることながら、孫さんの経営手腕によるところが大きいのでは．．．という気もします。冒頭に初版は．．．と書きましたが、第２版「競争優位から共創優位へ」、第３版「グローバルな「ものがたり」への挑戦」が発行されており、時代合わせて新しい解説がされているようです。【送料無料】ビジネスモデル革命第3版 ［ 寺本義也 ］

  2012.09.17

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  2022-これから10年、活躍できる人の条件／神田昌典・著

  2022-これから10年、活躍できる人の条件 ［ 神田昌典 ］これから社会がひっくり返る？明治維新から約７０年を経て太平洋戦争終戦、この２つの時代はいずれも日本の政治・経済システムが全く新しいものに変革した時期。現在、終戦から再び７０年が経とうとしており、震災や世界経済の大きなうねりの中で、三たび大変革が起こると「予言（？）」されています。つまり、２０１５年をターゲットに新しい時代が始まる。その時代の中で日本が、そして自分自身がどういう位置づけであるのか？このようなことを説いています。確かに大きな時代の変革期に来ていると思います。良い方向か悪い方向かわかりませんが（悪い可能性の方が高い）、社会システムを変えなければならないほど大変な事態になる可能性はあります。既に円高不況や震災を経て、地盤はかなりゆるんでいる状態にあると考えられるからです。ただ、７０年周期というのはたまたまじゃないかな？と思います。ちなみに明治維新（1868年）から西南戦争（1877年）の７０年前（1798年～1807年）辺りは日本がひっくり返るような大事件は起こっていません。強いて言えば、1783年浅間山噴火、その後天明の大飢饉、そして1987年からの寛政の改革でしょうか？日本がどういう位置づけであるか？世界の各国で社会システムが変革していく可能性を述べられています。その中で日本はもっとも成長の可能性を持ったアジアにあった、もっとも成功体験を持った国です。すなわち、これから成長するのはアジアであり、その中で中心的な役割を日本が果たせば、日本の社会システムは安定したものになるでしょう。そのようなことをおっしゃっていますが、今の日本の社会情勢では考えられないですよね。この本ではそれを可能にするロードマップを描いてしまっています。また、日中韓で儒教国家圏を形成するというような考え方を示されています。資本主義の限界、功罪が明らかになってきた中で、次のスタイルは宗教国家だという考えには共感します。すばらしい発想をされていますが、疑問にも．．．社会がひっくり返るような変革、そんな中でこれからどうすれば良いのか．．．そのヒントとして、行動すべき事柄として述べられていることは、すごく現実的です。しかし、誰もがアクセス可能なことではありません。要はトップランナーならできるけども、中盤から後半の人は無理だよねって感じです。本気で語られていると思うので、こんなこと言うのは失礼ですが、これから起こるとについての発想がかなり飛躍的かつ断定的なので、ちょっとそこは反発を感じながら読まなければなりません。反発を感じながらも、「何もしないよりは、事がおこることを想定して準備するのは必要だ」とも思います。この本で述べている「あなたは何を考え、何をするのか？」「次の世代、こどもにどのような考えをもたせていくのか？」という視点の話は、決してムダになることではないからです。

  2012.09.09

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  「通貨」はこれからどうなるのか／浜矩子・著

  「通貨」はこれからどうなるのか ［ 浜矩子 ］アメリカ住宅バブル崩壊を期に2007年9月の以降、ドルの対円レートはほぼ一貫して下がり続けています。リーマンショック前後からはずっと100円割れをしています。円の基軸通貨としての役割は終わったのか？この本では１ドル５０円が当たり前の世の中になってもおかしくないと言っています。自ずとこの問いに対する答えも解ろうというものです。そもそも通貨の役割は売上代金や給料の回収とモノやサービスを購入したときの決済手段です。安心できる決済手段が確保されていれば円だろうがドルだろうな何でも良いわけです。本では地域通貨がその役割を提案しています。具体的な例もあげていますが、私が思うに、楽天のクーポンなんかもある意味地域通貨としての役割を果たしていると思います。収入と支出で言えば、支出のかなりの部分は楽天ですますことが出来ます。現時点でも給料の１０％ぐらいなら楽天のクーポンで支給されても困らないかも知れません。これが当たり前の環境になればもっと比率が高くても良いでしょう。もっと色々なものが楽天で決済できるようになるからです。一方、消費の活性化ということで考えてみると、期間限定クーポンなら貯め込まずに使われるので、消費の活性化になります。決して楽天クーポンを「通貨」として使うことがドル安問題を解決すると言っているわけではなく、決済手段としてドルを中心に考えることをもうやめた方がよいということです。さて、浜さんの語り口はお顔に似合わず（失礼）、叙情的な表現が多く、抽象的な部分もありますが、数値や数式を多用せず、理解しやすいと思いました。それでも日本の財政はこのままじゃ○○になっなちゃうよとのことです。ホントその通りだし、非常によい例えだと思いました。※関連ブログ※○○とはコレです！！キリギリスと弦楽器のかわいいピンブローチパールブローチ

  2012.09.07

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  短期間で組織が変わる行動科学マネジメント／石田淳・著

  短期間で組織が変わる行動科学マネジメント ［ 石田淳 ］組織の人員をその組織にとって望ましい行動を取るように結びつけることが、組織を変えることにつながります。行動に結びつける方法として、色々ありますが、良いもの悪いもの含めて、この本では、　１．リインフォース（強化要因）、２．罰とペナルティ、３．無視する（何もしない）の３つに分類しています。当然ながらリインフォース（強化要因）を与えていくのが良いのですが、リインフォースにもポジティブなものとネガティブなものがあります。ネガティブなものは「～するな、～はダメ」とマイナスなことをさせないこと。一方でポジティブなリインフォースは褒めたり、褒美を与えたりして、良い行動をさらに増やすようにし向けることです。ポジティブなリインフォースをＲ＋と表現していますが、このリインフォースがこの本全体にわたってキーワードになっています。折しも、民主党、自民党いずれも代表戦が近づき、誰が立つのやら、誰が優勢やらと政局報道が騒がしくなってきました。ではホントに誰がよいのか？と国民に問いかければ、「誰がなっても一緒」という反応が数多く返ってくる現状でもあります。誰がなっても一緒なら、首相になった人を、あるいはその内閣を変えよう（代えるではなく）ではありませんか。それには我々国民がこのような行動科学マネジメントを学んで、首相にどんどんＲ＋を与えていくことです。「豚もおだてりゃ．．．」というように、首相になったとたん批判ばかりして、どんどんモチベーションをさげてしまうより、少しでもよいところを評価して前向きに全力で取り組んでもらうのが、日本にとって一番良い方法ではないかと思うのです。特選千葉・山梨・栃木・茨城県産【幸水】なし中玉6個入り【お彼岸】【敬老の日】【残暑見舞い】【お土産】【暑中見舞い】【御祝】にどうぞ!!【マラソンsep12_東京】

  2012.09.06

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  ブクログで蔵書管理をしようかと．．．

  amazonさんやブックオフさんのおかげで読みたかった本を安く手に入れることができるようになりました。目的の本が分かっている場合はamazonで古本を探しますし、色々見ながら読みたい本を見つける場合はブックオフを利用します。ただ、ブックオフだと時々同じ本を重複して買ってしまうことがあります。色々なジャンルの本を読みたいと思いながら、結局は関心の高いジャンルに偏ってしまうんですね。アマゾンと連携して蔵書管理をしてくれるソフトもあるようですが、Web上で確認したいので、ブクログを利用することにしました。既に５８万人ぐらいが利用しているようです。1冊ずつ登録するのは面倒ですが、暇なときに蔵書の登録を進めていって、新しいものは都度登録を進めようかと思っています。iphoneやAndroid用のアプリもあります。これで整理すればジャンルの偏りも明らかになると思います。この楽天ブログや楽天ブックスとも連携機能があるとよいです。さて、ブクログを運営している会社は、ＨＰによると吉田健吾さんが代表を務める株式会社ブクログ。法人化自体は今年６月ですが、既に大きなネットワークになっていますね。電子書籍販売のサポートもされているようですが、リアル書籍とネットとの融合においては非常に良いツールだと思います。私自身、最近はスペースの関係から少し古くなった本はいわゆる「自炊」によりPDF化してしまっています。目に見えにくいことから、蔵書管理をどうしようかと思っていましたが、これならビジュアル的にもわかりやすく整理ができそうです。【送料無料】kobo Touch （ブルー）1年延長保証付き

  2012.08.25

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  月面上で地球より重くなるものは？

  子供の自由研究の手伝い。まだ小１なので簡単なものということで、野菜や果物の中で浮くものと沈むものを調べることにしたようです。やってみると結構奥が深く、小１レベルで出来ること＝見た目の特徴で浮くものと沈むものの線引きが出来るか？と考察してみましたが、やはりちょっと無理なようです。わからないことはもう少し大きくなって、色々勉強してからまた調べてみようねってことにしました。まあ、それでもものの浮き沈みは調べればわかりますが、経済の浮き沈みほど予測できないことはないですね。さて、浮くもの沈むものと言うことで、もう一つ話題とうか問題。地球よりも月で重くなるものは何でしょう？これは、ビジネス頭を創る100の難問 ［ ジョン・ケイドー ］に載っていた問題です。この本はマイクロソフトなど有名企業の面接試験で出される論理性や観察力、思考力を試すパズル的な問題などを100題集めたものです。面接試験の問題としてはフェルミ推定などが有名ですが、このジャンルの問題もいくつか載っています。なかなか知恵を絞る問題が多く、答えを知って悔しい思いをするものも多々。ただ、自分で答えにたどり着いたときのプチ征服感は良いものです。ところで、先の問題ですが、月の重力は地球の６分の１なので重力＝重さとすればすべての物質は地球上の方が重くなります。ただ、月には大気がないので、水素やヘリウムなど空気より軽い物質は、地球上では浮き、月面上では沈む（落ちる）ことになるので、はかりで量った場合（これが出来たとして）には、空気より軽い物質は月面上の方が重くなります。色々な視点や切り口を持たないと答えにたどり着かない問題ばかりで、「ビジネス頭を創る」ということでは、なるほど頭の体操になると思いました。自由研究で使用した野菜は地元の直売所で購入しました。観察で使用した後は美味しくいただきました。（TV的コメント）皆様の応援で販売開始しました。露地栽培野菜は極力さけてハウス栽培の野菜を詰め合わせてお送りいたします。茨城朝採り野菜セット「いばらき」

  2012.08.19

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  投資ミサイル／竹内謙礼・著

  投資ミサイル ［ 竹内謙礼 ］サクセスストーリーというのは好きで、昔（1994年）織田裕二主演のＴＶドラマ「お金がない！」なんかは結構ハマってみていました。この本もあるビジネスウーマンを主人公にしたサクセスストーリーをベースにしていますが、投資にまつわる経済、経営理論を時にさりげなく、時に強引に織り交ぜているので、ストーリーはかなりベタだなと思います。ジャンル的にはもしドラ系の本ですね。キーワードとして事業計画、事業戦略論、企業価値、IR戦略、投資理論、ポートフォリオ理論、プロスペクト理論などなど、かなり色々詰め込んでいて、これらの理論に触れたことがある人にとっては、「こう来るか！」と楽しみながら読めます。そうでない人にとっても理論の解説はわかりやすく、小説なので取っ付き易いと思いますが、ギュウギュウに詰め込んだお弁当箱みたいで、かなり硬くなっているので、ちゃんと咀嚼できるかどうかは不安に思えるところです。キーマン（？）はロボットというのが異色。これは経済理論の多くが”合理的な考えを持つ人”をベースに組み立てられていることを象徴しているんでしょう。しかし、ベタなストーリーでも最後にはホロッとしてしまうところがあります。非常に後味の良い内容でした。

  2012.08.18

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  スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン～人々を惹きつける18の法則／カーマイン・ガロ＝著

  スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン～人々を惹きつける18の法則／カーマイン・ガロ＝著スティーブ・ジョブズは人々を魅了する天才だったと思います。この本では１８のポイントについてジョブズのプレゼンのコツが紹介されています。単にポイントの羅列ではなく、　第一章　ストーリーを作る　第二章　体験を提供する　第三章　仕上げと練習を行うという三章建てになっており、１８のポイントはそれぞれの章の中での一幕として紹介されています。ジョブズが使ったスライドなどはソースの問題があるのか、直接的には用いられていないのですが、製品発表などでの大きなインパクトをいかに演出していくかが語られています。ジョブズは製品を開発するクリエイティブ性だけでなく、物事を伝えるパフォーマーとしても間違いなく天才だったと思います。しかし、ここに書かれていることは我々でもできることです。といって真似できるかどうかはわかりません。何しろ数分間のプレゼンに何十時間あるいは何百時間という膨大な時間をかけて準備するのです。会社の命運をかける商品発表だからそんなことができるわけで、普段の商談でそこまではできないのが現実です。それでもここに解説されている１８のポイントはどれもわかりやすく、シンプルです。能力にしても、時間にしても、それは制約条件というだけで、ここに書かれているポイントを利用して、よりベターな方向に、我々でも近づけるだろうという気がしました。何もジョブズになる必要はないのです。繰り返しになりますが、シンプルでわかりやすいので、使えると思います。iPhone を発表するスティーブ・ジョブス（日本語字幕）

  2012.07.31

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  「反原発」の不都合な真実／藤沢数希・著

  「反原発」の不都合な真実／藤沢数希・著福島第一原発の事故のあと、反原発、脱原発を指向する割合は日本人の中でどのくらい増えたのでしょう。一旦すべて止まった日本の原発ですが、こんな短期間に再稼働するとは思いませんでした。それだけ日本の産業は原発ありきなのです。この本では言います。「原発は安全です」全くその通りだと思います。火力発電所などが消費する化石燃料の生産、使用、排出過程での事故や大気汚染による死者は、原発の犠牲者より遙かに多い。一つの考え方として、一定量の電気を生み出すために払われる人的犠牲を比較すると、原発は太陽光や地熱などの自然エネルギーよりも安全だと言えるのです。もう一つ、犠牲と言うことで言えば経済的なロス。日本の原発の発電量を火力でカバーすると年間数兆円の燃料代が余分にかかる。これは今回の原発事故の賠償金総額に相当する．．．云々設備コスト、土地コストを考えたら太陽光などで代替しようなどということはそもそも不可能。これもきっとその通りでしょう。すなわち、電気を使用して人間の文明を成り立たせて行くためには、原発をうまく利用するのがもっとも正しいことである、と言っています。納得できる話ですが、そもそも原子力を使うことが正しいのかどうか。原始より利用、共存してきた火や水や風と根本的に違うので、倫理的、哲学的な考え方とどうしても交戦しなければなりません。１人の命がどのようなエネルギーでも同じかというと、違う話になってしまうのです。たとえば、石炭の採掘現場で亡くなった１人とＪＣＯの臨界事故で亡くなった１人の命の重さは（比較できないという意味で）同じですが、社会的な意味は全然違います。もとからリスクがあり、それを覚悟で働いている現場とあってはならないことがおこってしまった現場という違いです。私は原発のリスクと必要性を正しくわかった上で、　(1)これまで通りの豊かな暮らしをしていくのか　(2)文明文化の水準を切り崩して電気を少ししか使わない暮らしにしていくのかこれらを問うていかなければ、結論はないと思います。マスコミなどで安全が「説明されていない」とか「確認されていない」とか良く言いますが、聞く耳をもっていないので、元々論外なのです。この本がすべて正しいとは言いませんが、こういった客観的な肯定論も知った上で我々が選択をしなければならない。(1)は原発肯定、(2)は原発否定ですが、何％か何十％か(2)の人がいても、政策としてどちらかの選択肢しかあり得ないですから、(1)しかあり得ないと思います。そんなことはないと思う人は、やっぱりこの本を読んでみるしかないと思います。

  2012.07.27

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  日本を追い込む5つの罠／カレル・ファン・ウォルフレン・著

  【送料無料】日本を追い込む5つの罠 ［ カレル・ファン・ウォルフレン ］著者はオランダ人のジャーナリストで、日本の政治経済にも造詣の深い人のようです。「５つの罠」として挙げられているのは、　１．ＴＰＰの背後に潜む「権力」の素顔　２．ＥＵを殺した「財政緊縮」という伝染病　３．脱原発に抵抗する「非公式権力」　４．「国家」なき対米隷属に苦しむ沖縄　５．「権力」への無関心という怠慢（本書目次より）です。総じて言えば、「アメリカの自由主義経済帝国の仕掛けた罠が日本を追い込んでいる」という視点で述べられています。・ＴＰＰのメリット、デメリットは色々あるが、結局得をするのはどこか？・欧州危機をもたらした原因は、元はといえば米英の投資銀行を初めとした金融業界の暴走。・多くの人が認識をすることになった「原子力村」の存在、その構図を作ったのはアメリカの原子力政策では？・日米安保を楯にして、結局は米軍の極東前線基地として利用される沖縄。・日本の政治の弱さ、メディアも真に必要な「日本たるべき権力・主権のあり方」に目を向けてこなかった問題。それぞれ納得させられます。アメリカの罠にはまった自民党政治から、政治主導を掲げる民主党に政権交代し、本当に期待していた気持ちが伺えますが、その本来の民主党が掲げたものは、既に砕け散っています。ズバリ、日本の行く末の問題点を指摘されながら、何一つ抜け出せないのでは？と思うと、読んでいて悲しくなりました。ところで日本のＴＰＰ参加に関する議論は、消費税増税問題があり進んでいないようですが、アメリカ側にも慎重論があるようです。日経新聞によれば、「米国としては、特定の期限を切って日本との事前協議を急ぐ考えはない」とみられるとのこと。また、自動車業界など米国内の一部でも慎重論が浮上していることから、今年12月の本交渉参加の期限である8月末の参加表明にはこだわっていない模様。しかし、この本の話に触れると、今回のアメリカの対応も、もう日本の参加は既定路線と踏んで、悠々と構えているように思えてきます。

  2012.07.23

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  行動経済学～感情に揺れる経済心理～／依田高典・著

  行動経済学 感情に揺れる経済心理 中公新書 / 依田高典 【新書】行動経済学は経済学の中でも現実の事象に迫る科学であり、伝統的なマクロ経済学やミクロ経済学と比べると非常に実用的な経済学だと思います。しかし、その実用性はまだまだ、もしかしたら序の口程度かもしれません。この本ではまず、割引効用理論や期待効用理論、プロスペクト理論などについて基本的なことが概観されています。概観といってもノーベル経済学賞を多数輩出している分野であり、この本でも理論展開をちゃんとされていますので、不慣れな方は理解不能でしょう。かく言う私も勉強したことはあるものの専門家ではないので、数式を理解しながら読み進めることは途中であきらめました。この本の目玉は著者先生が研究されている行動健康経済学の分野での成果。人はなぜたばこを吸うのか、そして辞められないのかということについて、仮説と検証の結果が示されています。その解説のプロセスでさらにゲーム理論など行動経済学上の諸理論の課題に触れ、心理学や脳科学との連繋の可能性を述べておられます。私の素養では理解に限界がありますが、人の経済行動について、理論だけでなく実証ができるレベルになってきており、その先には理論と実証のギャップを埋めるための理論が存在する可能性があるということを感じました。あとで考えて、ちょっと恐ろしいことだなとも思いました。ところで、私はたばこを吸わないので法律でたばこを禁止して欲しいぐらいですが、喫煙による社会的コスト（医療費増加、火災損失、健康被害による労働力損失）は7.3兆円とのこと。たばこによる税収や経済効果は3.2兆円程度で、差引4.2兆円の損失らしいです。経済的損失の方がかなり大きいことを改めて認識しました。この本の中で実験結果と行動経済学上の理論を用いて、たばこの価格を上げた場合（税率を上げた場合）にどの程度税収が変化するか（喫煙率が減少するか）を述べておられます。たばこ１箱の価格を1000円にした場合の税収は喫煙率の低下から、現在よりも下がることを示唆されていますが、喫煙率の減少で経済的損失が減少することを考えると、1000円とは言わないまでも、現在よりもだいぶ高くした方が、差引のロスは少なくなるでしょう。このあたり、昨年の小宮山厚生労働大臣の1箱700円発言の妥当性を裏付ける話なのかなと思います。ビューティフル・マインドゲーム理論でノーベル経済学賞を受賞したジョン・ナッシュをモデルにした映画

  2012.07.21

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  キュレーションの時代／佐々木俊尚・著

  キュレーションの時代／佐々木俊尚・著セレンディピティという言葉は外山滋比古先生の大ベストセラー「思考の整理学」で初めて知りました。語源はセレンディップ（現在のセイロン）の童話とのこと。よくものを無くす王子様が、それを探して意外な掘り出し物をよく見つけたという話しだそうな。１０年くらい前に本を読んだときはピンとこなかったのですが、実際調べ物で参考書を眺めていて全く関係のない重要なことを学んでしまう、なんてことがたまにあり、そういうことなのかと思いました。インターネットで物事を調べることが多くなって、ピンポイントで情報にたどり着くと「セレンディピティ」が無くなる。そこで重要になるのがネット上のキュレーターだというのがこの本です。キュレーターというのは元来、展覧会や美術館などを一定のコンセプトの元に企画、設計する役割の人と理解しています。というより、この本を読んで要約キュレーターの意味がわかりました。ネット上でもその人間の視野に基づき、様々な情報を再構成させて提供することがキュレーションとなります。ネットの波の中でキュレーターの提供するフィールドをさまようことで、（自分にとって）価値ある情報を見つけることがセレンディピティであるとも言っています。キュレーターの提供するフィールド（本では「ビオトープ」と表現しています）はのびたり縮んだりしていて、その狭間では必要としている情報とそうでないものとが波のように折り重なって行きつ戻りつしています。その波間にセレンディピティがあるようなのです。そんな理解が正しいのかどうか？自分的には解釈にちょっと不安があるのですが、それなりに納得もしてしまいました。また、あまり文化的なことに縁がない私ですが、キュレーションの意味を理解するにつけ、美術や映画の楽しみ方にも触れることができた本でありました。ファンタジア／エグベルト・ジスモンチ本文に登場

  2012.07.10

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  エピデミック／川端裕人・著

  エピデミック／川端裕人・著平成19年11月発行エピというのは疫学のことらしいです。何年か前に新型インフルエンザの国内発症があって、感染者の隔離などで話題になりました。ちょっと記憶が曖昧ですが、その当時結構過剰（に感じられる）反応もあったように思います。しかし、それがあったから大きな事態にならなくて済んだのかも知れません。この物語は特定の町が未知のウィルスに冒される恐怖とその出所を突き止めようとする専門家の活躍を描いています。この本を読んでいるとき、ちょうど娘がインフルエンザに罹っており、ちょっとリアリティが増した部分があります。謎のウィルスの正体は何なのか？感染経路はどこなのか？これを究明してウィルスの出所を押さえる、本では「元栓を閉める」と表現しています。感染する危険に自らをさらしながら、ウィルスの正体を追いつめていく疫学チームの活躍には引き込まれます。まさに探偵が犯人を追いつめるようで（本でもそういう表現をしていますが）、爽快感を感じる話です。一方である少年が物語の構成に一つの役割を果たしますが、どうも得たいが知れず、この少年が登場すべき意味がよくわからないところがあります。確かに”得体の知れない”という点が未知のウィルスとの相乗効果により恐怖を煽る部分はありますが、リアリティのない描き方なのでちょっとメルヘンチックな感じがして違和感を覚えました。それと感染源として結構最初の方に「怪しい」ものが登場して、実際これがそうだったりするのですが、なかなかそこに行き着かないのがじれったいですね。それが狙いなのだと思いますが、意外性には欠けるところがあります。しかし、”役所的ご都合”を差し挟んだり、医学の専門的なことが分かり易く織り込まれていたりとリアルとフィクションの妙味を味わえるので、この手の物語は結構好きです。

  2012.02.13

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  金融が乗っ取る世界経済 21世紀の憂鬱 / ロナルド・ドーア・著

  　金融が乗っ取る世界経済 21世紀の憂鬱 (中公新書) (新書) / ロナルド・ドーア/著著者のロナルド・ドーアさんは知日派の社会学者とのこと。かなり日本型経営への思い入れが強く感じられました。したがって、論旨にはかなり共感できる部分が多いです。2000年代中盤、リーマンショックまでの景気拡大時には、金融マーケットで超高額な報酬を得た面々が、金融バブル崩壊とともにその穴を埋めることなく逃げてしまいました。その時、多くの一般人が怒ったはずですが、金融を巡る事情は何も変わっていないように思います。当時私もバブルを実感していました。といっても決して、80年代後半のような贅沢を味わったわけではありません。なんか、当時の金融商品は（一部ですが）風船ふくらまして売っているような気がしていました。金融商品を扱う仕事を少しやっていて、金融の動きに触れる機会が多かったから感じたことです。経営の頭で当時の経済を見たら、どっかで崩壊するのは火を見るより明らかでした。その辺の問題点はだいぶ言い尽くされていると思いますが、この本がトレースする視点には感心させられる部分が多かったです。たとえば、金融が暴走する要因としてプリンシパル・エージェント理論に触れていました。こいつは私が大学生の時に論文に取り組んで挫折したやつです。要はプリンシパル（＝投資家、株主）がエージェント（＝経営者）の関係においては、エージェントが自分の利益を優先してしまう問題があり、これをインセンティブによりコントロールすることです。実態はインセンティブ（＝報酬）の与え方を失敗して企業を食いつぶすことになってしまっています。こんなリアルな問題になるんだったら、大学生の時にもっと真剣に勉強しておけばよかったと思いました。（まあ、勉強したところで、「世界経済を救った」なんてことにはならないでしょうけど．．．）後半は反省の色のない金融のプレーヤーに規制を課す動きを紹介されていますが、この辺は理解しきれず、どういう方向性になっているのかよくわかりませんでした。何はともあれ、Wikipediaに「社会学のみならず、経済学、人類学、歴史学、比較産業研究の各分野に貢献した」と紹介されているとおり、学際的な知識とものの見方はとても勉強になりました。

  2012.01.26

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  訣別　大前研一の新・国家戦略論

  訣別　大前研一の新・国家戦略論政府としての消費税の増税路線がはっきりと示され、税と社会保障の一体改革とかで、プライマリーバランスの不均衡を１５年までに半減するとか、だいぶ野田総理の意気があがってきた感じです。しかし、プライマリーバランスへの道筋は全く現実味を帯びてこない感じがします。恐ろしいのは評論家の方たちが論じる内容を見てもあきらめ感が漂っていることです。この本では、日本人が封建社会以来の意識から訣別し、ゼロベースで国家戦略を組み立て直さないと、財政の根本的な改善は出来ないと言っています。しかし、日本の政治制度ではそれは無理だろうなというニュアンスが匂わされている部分もあり、現実的にはどうしようもないのではないか？大前さんの戦略論はすばらしいし、実績もあります。しかし、現状の政治体制、官僚体制ではそれは無理。本の中でも無理と言っておきながら、どうすれば良いかという戦略論を展開する矛盾。これをつなげるキーワードが過去の体制、マインドからの「訣別」ということのようです。繰り返しになりますが、この本で言っている国家再建の方策。これは「どうせ無理じゃん」と感じてしまいます。

  2012.01.17

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  自社サイトに驚くほど人を集めて会社を伸ばす方法／水谷佑毅・著

  自社サイトに驚くほど人を集めて会社を伸ばす方法／水谷佑毅・著先頃、食べログのランキングを上げるやらせ業者がいることが問題になりました。ラジオのある情報番組では、リスナーからの意見として「飲食店側もそんなのに頼らないで中身で勝負しろ」とか「他人の評価に頼らず自分で良い店を探すべきだ」とかありました。やらせ業者を肯定する気は毛頭ありませんが、これらの意見には否定的です。飲食店にしてみれば、客数の獲得が死活問題。過当競争で正に生活がかかっていますから、少しでも来客数をあげるためにあらゆる工夫をするのは致し方ないことです。当然、こういった業者が出てくるのは想定されます。ただ、悪質なものは排除していく仕組みが必要で、それはサイトの信頼性に関わるものですから、運営業者の役割でしょう。こういったサイトそのものの是非について言えば、自分で色々な店を試して．．．といってもそんなに出来ることじゃないですから、サイトでの口コミを利用するのは非常に有用だと思います。ただし、利用者としては書き込みが玉石混淆であるというのを前提として、それをうまく利用するリテラシーが必要だと思います。さて、本の批評とはまったく関係のない話でした。この本はウェブコンサルティング会社の代表の方がかかれています。サイトのアクセスアップのみならず、利益に結びつく利用方法．．．すなわち費用対効果をもっとも高める観点ですばらしい実績を上げている会社のノウハウを公開している本です。ノウハウの公開と言っても、著者が行っているように、この業界は常に新しい手法で日々変化しているので、この本を元にマネをしても仕方がないということのようです。しかし、ウェブサイトを商業的に利用する場合にどこまでの予算投入が必要で、その効果の目標設定をどこにおくかといったことの指針になる本ではあります。内容的には非常にシンプルに書かれていますので、ウェブ制作についての基本的な知識がない方はちんぷんかんぷんだと思います。私は自分で初歩的なWeb制作やHTMLスクリプトも書いたりしたことがあるでなるほどと思って読みましたが、本の内容をマネしようとしても無理です。素人にできる技術ではありません。したがって、この本の内容はウェブコンサルタントに依頼をしようとする事業者が予備知識として用いることを前提に活用すべきなんだろうなと思いました。

  2012.01.08

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  スリーピング★ブッダ／早見和真・著

  スリーピング★ブッダ／早見和真・著大晦日から元旦にかけて読みました。仏門を志す何人かの青年の人間模様を描いたもので、それぞれが波乱万丈の事情を抱え、興味深いキャラクターになっています。ホントかどうかは知りませんが、寺の経営に関する欲やエゴがあからさまに描かれています。そして、仏教とは何なのかを主人公たちを通して描いているようですが、作者の意図はそれを描ききることではなく、読者に考えさせることにあるようです。全体を通して一番楽しめたのは、人間の心理の変化。艱難辛苦、愛情、憎悪、など起きる出来事によって主人公たちが体験する様々な事柄で、人の考えがどう変わっていくのか？そこに仏教という本来雑念を振り払い、真理を追求する場がモチーフになっていることで、心理の変化の意外性が増幅されて、面白みをましています。ＴＶを通してですが、鐘の音を聞きながらこの本を読んだことで、（作品の本来の意図とは違うかもしれませんが）厳かな気分になったのでした。

  2012.01.03

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  これがアフリカの全貌だ／青木一能・著

  これがアフリカの全貌だ／青木一能・著古くて新しい大陸、アフリカ。人類が起こった地と考えられており、地質学的にも古い大陸であるアフリカは、ちょうど赤道を挟んで南北に広がっており、生物にとって楽園だったかもしれません。ですが、我々のイメージとしては砂漠とサバンナ、そして未開のイメージ。地中海や中東に接するサハラ以北地域を除けば、記録に登場するのが１４世紀以後、ヨーロッパの大航海時代が幕を開けてからです。アフリカには多種多様な人種、民族があり、ところによっては都市が形成され、豊かな暮らしがあったようですが、ほとんどが文字をもたなかったため、記録がないのだとか。現代であれば、生物だけでなく、鉱物資源も宝庫であることが知られ、本当に豊かな大陸であることがわかります。それなのに、イメージとしては”未開”ということに加え、内戦や飢餓といったこと。この本ではアフリカの現状と歴史が詳述され、アフリカになぜこういったマイナスイメージが多いのかがわかります。イメージだけでなく、実際、ヨーロッパの国々にアフリカが知らしめられた時から、奴隷貿易、植民地化、冷戦、独立を巡る紛争、部族・民族間紛争など、常に搾取と紛争が続いてきた大陸なのです。そして、現在では成熟した世界経済が、次の成長を求める矛先としてアフリカがクローズアップされており、豊富な資源を狙って我先にの状態です。私もアフリカの平和と成長が世界の経済成長を支えると思っています。昨年南アでワールドカップが開催されましたが、オリンピックがアフリカで開催できるぐらいになって欲しい。そうはいっても、アフリカが外部からの干渉に振り回されてきた状況を読むと、気の毒なばかりです。一方で、歴史の中で常に外部からの搾取により疲弊する状況を繰り返しているのを見ると、（一括りには出来ないですが）人間としての主体性の捉え方が違うのかなぁと思ってしまいます。決して差別している訳ではなく、太古から豊かな自然に依拠しているだけに、外部依存性が高いのでしょうか？とにかく、今のアフリカの状態がどうしてこうなったのかがよくわかる本です。そして、民主化、グローバル化の時代にふさわしい変貌を遂げつつあるのもわかり、まだまだ時間は必要ですが、アフリカの平和と発展はいつか必ず実現が可能だろうと感じることができました。

  2011.12.29

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  不動産バブルで勝つ鉄則／久恒新・著

  不動産バブルで勝つ鉄則／久恒新・著この本を購入したのは震災のちょっと前で、リーマンショックが薄れてきて、また踊り踊らされる雰囲気も漂い始めたからでした。読む前に震災が起き、今不動産かよ、という気持ちがあったのでしばらく放置プレイでした。ちょっと時間があったので読んでみると、タイトルからのイメージとはちょっと違いました。確かに不動産バブルが発生するメカニズムがわかりやすく解説されており、不動産が金融商品と違って変動の時間スパンが長いので、波を捉えて儲けることが成功する可能性が高いことがわかります。まあ、この辺はなるほどという感じです。後半は如何に正しい不動産の価値を見いだすか？ということがテーマ。すなわち、相場ではなく収益価値で投資判断をする方法の解説です。割引率やキャップレートなど初めて聞く人には難しい話。私もちょっとかじった程度で、本の字面を追っているだけでは理解するのが大変でした。シミュレーションの方法が示されており、実際にやってみるときっと理解できるんでしょう。要は収益還元法あるいはＤＣＦ法による評価方法の教科書みたいな内容です。実は仕事で投資意思決定に関する調査をしたりすることがありますが、ＤＣＦを都合のいいように使ったりします。オリンパスの事件でもありましたし、大きな声じゃ言えませんが、よくあることかと思います。しかし、この本では投資判断の実効性を期するため、割引率やキャップレートをどう捉えるのが正しいのかという解説がされており、ためになりました。そんな訳でタイトルのイメージからナンパな気持ちで読むと「負け」ますね。

  2011.12.13

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  ゼフィラム／楡周平・作

  ゼフィラム／楡周平・作楡周平さんの作品はマフィアとか殺人とかがガンガン出てくるハードボイルドものとめちゃくちゃリアルな経済小説があります。これは後者の方で、先のリーマンショック前後の時期、そして自動車メーカーを舞台として、真のカーボンフリーシステムの実現という企業の社会的責任のベクトルと、成熟産業である自動車業界における自社のマーケティングのベクトルを見事に一致させて大きなビジネスを具体化させていく物語です。前半というか、かなり最後の方まで経済、環境技術、そして関係する国々の政策事情などが物語にリンクされて詳しく述べられており、ほとんど経済の解説書みたいでしんどいです。ゼフィラムとはラテン語でゼロという意味ですが、このタイトルの意味が語られる辺りでようやく物語の展開として感動を覚えました。楡周平さんの経済小説はビジネスモデルを今までにない新しい構築していくプロセスをモチーフにしている点で共通しており、最後の大団円は爽快です。いつも現実経済と限りなく近いところで構成される話は感心しますが、それにしてもこの本は途中の展開が事情説明に終始してしまい、ストーリーはイマイチかなと思います。今更になって読んだのですが、アメリカの住宅バブル崩壊、そしてリーマンショックの頃の皆があたふたした状況を思い出せて懐かしく感じた部分もありました。しかし、またどっかでバブルは来るんでしょうね。ところで、主人公の女性は絵里香のいう名前なので、戸田恵梨香さんをイメージしてしまいますが、字が違うんですね。

  2011.12.10

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  暴走ボーソー大学／山之口洋・作

  暴走ボーソー大学カタカナの「ボーソー」は千葉の房総のことです。タイトルはどうでも良い感じですが、私は掛詞のレトリックがとても好きで、期待感を持って読み始めました。三流大学のすきま風的なサークル活動が舞台というありがちな設定で、変わり者の集団がそれぞれの特技を活かして難問を解決するというモチーフもありがちですが、私的にはかなり好きな設定です。のどかな（？）大学に巻き起こる廃校騒動。それを主人公たちが解決します。コメディですが、汚職、背任、暴力団と盛り込まれた社会悪のリアルさが対照的でつい引き込まれてしまいました。このリアルさが現実政治・経済の風刺になっているところや、主人公たちそれぞれがもつコンプレックスが、事件の解決とともに解き放たれていく様がとても痛快です。

  2011.11.16

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  これから起きる巨大地震と大津波 (洋泉社MOOK)

  【送料無料選択可！】これから起きる巨大地震と大津波 (洋泉社MOOK) (単行本・ムック) / 洋泉社3.11の大震災は、地震としての名称は「東北地方太平洋沖地震」ということになります。震源域は東北地方の太平洋沖全域のみならず、茨城沖にまで至っていたようです。宮城県沖は巨大地震の震源地として、かなりの確率で発生が予測されていましたが、これだけの広い範囲に連鎖することは想定されていなかったようです。しかし、過去には８６９年の貞観地震でこのような規模があったのではないかとの話も聞きますし、東海・東南海・南海では頻繁に連鎖しているので、あとで考えるとそれは十分に考えられることだといえます。地震学者にも悔恨の念があるようです。仮に予測できたとしてもあの津波のエネルギーは多大な被害をもたらしたと思います。ただし、人的被害は相当少なくできたでしょうし、何よりも原発の津波に対する対策があそこまで杜撰なものにならなかったのでは、と思います（．．．と思いたい）。油断するわけではなく、メカニズムから言って、日本海溝での３．１１規模は1000年に１度と思って良いのかと思います。この後は東海～南海で想定される地震が心配すべきものになるワケですが、今度起こると過去のパターンから巨大化する要因があるあるようです。この本、タイトルでもかなり興味をそそられますが、様々な地震関連の研究者への取材を通じてまとめられていて、地球物理学的メカニズムの問題、地層の解析による歴史的な問題、岩盤の動きを観察した地理的な問題など様々な観点からこれから起きる地震の場所とか規模について迫るものです。少し専門的なところもありますが、とても参考になりました。また、考えさせられることとして、国の地震予知への取り組みです。長期的な確率予想は別として、短期の地震予知は無理ということが定説になりつつあるようですが、地震学者のスポンサーは国しかないので、予知を否定した研究はできないというとのようで、構図が原子力と似ています。「いつ起きるか」よりも起きることを前提として、起きたときにどう対処するかをどこまで考えられるかのほうが大二だと思います。

  2011.11.11

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  新幹線大爆破／ジョセフ・ランス著、加藤阿礼・原作

  新幹線大爆破１９７５年７月に高倉健主演で公開された同名映画が海外でノベライズされたものを、日本語訳した本という異色版です。映画の方は見ていませんが、読んでいると臨場感に引き込まれます。タイトルの通り、新幹線に爆薬が仕掛けられます。しかも時速８０ｋｍ以下になると爆発する仕組みになっており、走り続けながら爆弾に対処しなければならない。時速１００ｋｍに落としても博多まで１０時間前後の限られた中で、犯人を突き止め、爆弾を見つけ、乗客の不安に対処し．．．さらに、前方車両の故障や地震、火事、実に様々なことが起こりますが、登場人物も様々でそれぞれの登場人物の家族に対する思いというのが描かれています。死と背中合わせの極限状態の中で家族をどう思うか、人はどう行動するのかというリアリティが、新幹線という非日常的ながらよく知っている環境でほどよく脚色されていると思います。舞台が１９７８年だから描けるリアリティもあります。今だったら博多でなく鹿児島まで行けちゃうので、かなり時間が延びるし、携帯電話がない時代だからこそ起こる小競り合いなどがいい味を出しています。そんなことで、結末だけでなく、途中の人間模様を楽しめる内容で、舞台設定が古いことでのネックはありませんでした。事業に失敗し、家庭も崩壊した犯人にもきわめて細いながらも切れない家族の絆が描かれていることにもちょっと感動を覚えました。実はこの本、図書館で何気なく手にしたものですが、意外に面白かったです。こちらは原作映画のDVD

  2011.11.02

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  小さな会社こそが勝利するポーターの競争戦略／今瀬勇二・著

  【送料無料】小さな会社こそが勝利するポーターの競争戦略ポーターの競争戦略は経営戦略を構築する際のフレームワークとして、大変良い視点を与えてくれると思います。飲食店の方と話す機会が多いのですが、ファイブフォースに照らしてみると、脅威だらけです。この震災後は、中食化が進み、家飲みも増えたという話もあり、代替品の脅威にさらされています。買い手との力関係ということでは、物理的にお客様が来店して下さるのを待っているしかないということだけでも、買い手に大きなアドバンテージがあります。売り手に関しては、競争関係において大きな不利はありませんしたが、ここに来て原発問題から、一部の産地が使えないこと、グローバルな取引においては特に魚介類の値段が上がっていることなどから、売り手の交渉力が高まる傾向が見られます。そして、同業者間の競争においては完全に過当競争になっています。それぞれのフォース（STAR WARSっぽい）に対抗していくためには、基本的には集中化戦略だと思います。なぜなら、飲食そのものは絶対的に多様性が必要なので、コスト・リーダーシップ戦略は限定的にしか適用できない。一見、差別化戦略は有効に思えます。もちろん、有効なケースもありますが、差別化戦略も多様性という前提があるので、常に選ばれるわけではないということになってしまいます。したがって、エリアやアイテムに特化した集中化戦略が最も有効なのではないかと思うのです。いつも行列の絶えないラーメン屋や、夕方の短時間だけで大きな売り上げを上げているコロッケ屋さんなどがありますが、これは集中化戦略の成功例です。と、書いてきましたが、このようなロジックを組み立てるフレームワークを与えてくれるのが、ポーターの競争戦略ですが、この本は、競争戦略のフレームワークを中小企業に当てはめながら、解説してくれるものです。とても平易で読みやすいと思いました。

  2011.09.15

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  消費するアジア／大泉啓一郎・著

  消費するアジアアジアの人口は世界全体の半分くらいを占めます。経済規模としてもGDPで日本を抜いた中国を筆頭に、日本をのぞくアジア全体でも日本の倍ぐらいのGDPになっているとのこと。で、その規模はどんどん拡大しています。どうしてもアジア各国で生産したものを日本やアメリカが輸入する、という構図の印象が強いのですが、現状のアジアの発展は中国を始め、ＡＳＥＡＮ諸国の所得アップによる消費力の伸びが大きく影響しているようです。その意味で我々の経済が多分に影響を受けるアジアの消費が今後どうなるの？という本書のテーマは、切実な問題でもあります。消費力の拡大があると言っても、一律ではなく、都市と農村では大きな差があります。それもここ何十年で急速な変化が起こっているわけですが、メガリージョンというキーワードで示す経済を牽引する都市、この形成過程を分析すると、格差と言うことはそれはそれで問題を孕みながら、経済発展には仕方のないこととして受け止めているようです。私が心配に思うのは、中国の人口構成が日本以上に先細りになること。一人っ子政策の影響ですね。つまり、生産年齢人口が増えているうちは（日本もそうですが）経済は発展する。しかし、生産年齢人口が縮小する時代になると購買力＝消費力が落ち、経済は縮小ということが考えられます。この本では「人口オーナス」と表現していますが、中国なども2015年頃からその局面を迎えてくるようで、日本以上の急激な人口構成だけに、そのインパクトは如何に、と不安に思う部分があります。どうも、GDPの拡大や経済を牽引する都市部への人口移動がさらに進むことなどから、経済に対するインパクトはそれ程急激には起こらないと考えられるようです。ただ、それ以外にも環境や資源の問題など、今の調子でアジアの消費が拡大するには色々な問題がありますね。ちなみに、ベアリングの「アジア製造業ファンド」をちょこっと所有していますが、時には目を見張るような伸びを見せる反面、世界的に不安が広がると落ちるという感じで、不安を抱えながらも強い成長力に乗っかっているのがよくわかります。

  2011.09.10

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  千年前の人類を襲った大温暖化／ブライアン・フェイガン 著

  ちょうど車で帰宅時間中、激しい雨でした。今回、被害がひどかった地域もこんな雨が何時間も降ったんだろうなぁと考えると、恐怖を覚えます。ニュースでの映像を見ると、ホントに気の毒になる光景ですね。津波と同じで、水も電気も使えない状態で後かたづけもなかなか進まないようで大変です。今、千年前の人類を襲った大温暖化という本を読んでいます。約千年前は世界的に温暖な気候でしたが、それが地域によっては干ばつにより砂漠の拡大になり、別の地域では耕作適地が広がり、人口増加と都市の形成につながったりと、気候の変化が、人類史に大きな影響を与えていることがわかります。チンギス・ハンの時代のモンゴル帝国の拡大は、温暖化による乾燥で牧草地が減ったことから、これを求めた行動であったとのこと。チンギス・ハン亡き後、２代目から３代目のあたりでは、気候の変化が起こってきており、ある程度気温は低下し、支配地域を拡大しなくとも、十分な牧草を得ることができたらしい。もし、気候の変化がなく、モンゴル帝国の拡大がさらに続いていたら、世界史は大きく変わっていたかも知れません。この本を読むと、小規模だがその地域の社会を大きく変える程度の気候変動はずっと以前から繰り返されてきていることだとわかります。現在、異常気象と言われているようなことも、もちろん環境破壊の影響はあるにせよ、気候変動の波の中で起こる当然のこととして受け止めなければならないと感じます。だから、気象現象によってもたらされる災害も、当然起こりえることを前提に色々な準備をする必要があります。

  2011.09.06

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  国マニア／吉田一郎・著

  国マニア／吉田一郎・著「世界の珍国、奇妙な地域へ！」というサブタイトルがあります。うちのお風呂場には世界地図が貼ってあって、一時期子供たちもかなり興味を示していました。これはどこの国旗なんてことも、もしかしたら私より詳しいかも知れません。それで、国として興味を持つと一番小さい国は？とか、一番人口の多い国は？とか子供の興味は増します。世界最小の国は”バチカン市国”って当たり前に知っていることですが、じゃあどうやって国として成り立っているのだろうか？どんな国なのか？というより、国としての固有の機能をどこまでもっているんだろうか？なんてことに大人でも興味がわきます。この本は、国として国際的に認められているけど、ホントに小さな国国としては認められていないけど、その地域の民族などで自治がされているところそれからいろんな事情で独立宣言しているけど国として認められていないところとか．．．国マニアとありますが、国としての成り立ち、国境を巡る争いなど、国境線が形成されてきた歴史の本ですね。だから、読んでいてちょっとしんどいのは、登場する国、地域がヨーロッパ、中央アジア、地中海、南太平洋、アフリカ．．．だいたいこんな感じ。歴史上、国、国境線が変遷してきた地域が多い。正直言って、世界史がよくわかっていないと退屈な話もあります。それにしても、国境線や自治、独立をめぐる争い、変化がこんなにあって、しかもごく一部なんだろうなと思いますけど、ロシアとかあれだけ広い国土で国境線が長く、分離独立を巡る争いも数多く経験している国です。かたや、何十年も国境線についての争いがほとんどなかった日本。北方領土の返還交渉なんて、プロとアマチュアじゃないですか。大統領の北方領土訪問に触発され、政府の対応に批判が高まっていますが、簡単に勝てる話じゃないですね。（負けて良いとは思いませんが．．．）

  2010.11.11

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  小鳥と柴犬と小沢イチローと／上杉隆・著

  小鳥と柴犬と小沢イチローと／上杉隆・著仕事での移動中にラジオで良く「小島慶子 キラキラ」を聞いています。著者の上杉隆氏は火曜日のコラムニストとして出ていまして、ありがちな政治報道とは一風変わった見方を毎回話されています。私が思うことと近い話をされることが多くて、嫌気がさすような一般報道に鋭く切り込んだ話には溜飲が下がる思いです。で、最新刊を読んでみたのですが、週間プレイボーイの連載コラムを編集した本ということで、ハチャメチャな文章の数々。政治家47人を上げて、鳩山邦夫議員の秘書時代から、政治記者としての取材等々を通じての経験から、これら政治家の表にはない部分を語っています。政治のある一面を見た、ということは言えますが、「おもしろいなぁ」で終わってしまう感じです。小泉元首相の話術＝単語しか話していないけど、聴衆を惹きつけてしまう．．．ところなんかはなるほどと思いましたが．．．

  2010.11.10

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  デフレの正体／藻谷浩介・著

  デフレの正体／藻谷浩介・著私は１９７０年生まれで人口的には狭間の年代ではないかと思います。というのも親がちょうど１９４５年前後の生まれで、終戦前後の混乱で人口分布がちょっとくぼんでいるところに当たります。その二代目になるので、統計的に優位なほど差異はないと思いますが、私の学年は小学校から中学まで前後の学年より人数が少なかったし、高校、大学の進学も割と楽だったかなと思います。私より１～２年あとに始まるのが第二次ベビーブーム。その世代が就職したのがバブルがすっかり崩壊した１９９５～９７年頃ですね。初代ベビーブーマーの親世代がまだまだ現役で、子供が就職したことで自分たちのために使えるお金が増えてくるところです。年金問題もまだ深刻ではなく、また、投資信託が日本でも浸透しつつあり、将来不安はそれほどなかったと思います。こういった人口の大きな波が消費に与えている影響の大きさを問題にしているのがこの本です。経済学者が景気変動や経済政策のミクロなことであれこれ言っても、この大きな波に注目しなければどうしようもないよということです。著者の説を象徴するのが、１９９０年代初頭にバブルが崩壊しても消費は９６年頃まで伸び続けているということ。その理由はさっき言ったように、大きな人口の塊が消費できる世代（未婚の社会人と子育てが終わった熟年）になったことです。第２次ベビーブーマーの就職が一段落していくと、さすがに長引く景気低迷の影響か？消費は減退していくのですね。改めて確認してみて驚いたのですが、１９９８年から２０００年までヒット商品番付の横綱が不在になっています（２００１年も西は不在）。もう、消費できる世代（生産年齢）の大量増加はなく、引退していく世代の方が圧倒的に人口が多い。加えて、だんだん将来不安が色濃くなって、なかなか消費に向かなくなってきた。これが消費減退につながっているということが大きくあるのではないでしょうか。そして初代ベビーブーマーが定年を迎え始めており、未だかつて経験したことのない、消費できる世代の大減少がこれから起こってくることが予想されます。つまり、デフレの正体というか消費の大低迷の正体ということなのですが、これを回避する方法として、いくつか本では述べられています。ホント、これは政府が本気になって取り組まなければ大変ですよ。

  2010.11.05

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  医療崩壊の真犯人／村上正泰・著

  医療崩壊の真犯人／村上正泰・著医療費に関する問題は、高齢化社会の進展等により増大する医療・介護費用の財源問題に尽きるように思います。この本は厚生労働省の元官僚である著者が、小泉政権時代の医療費抑制政策の場面等に立ち会って、政策が如何に医療の崩壊を招いたかを綴っています。報道でも一時期騒がれた、「患者のたらい回し」、「医療ミスの頻発」、「医師不足」、「地方病院の閉鎖による地域荒廃」などの実態が、すべて増大する医療費の抑制を目的とした小泉政権の「骨太の改革」から来ているという話なのです。財源そのものの問題を解決しなければ、これはいずれ国家存続の問題になるわけですから、手をつけなければいけません。一方で、財源問題に突っ込んでいくと、増税により国民全体に負担を強いることになるか、医療費の抑制により「患者」すなわち弱者にしわ寄せがいくことになる。どちらかで考えれば当然、前者、つまり財源を増やしていく方法しかないわけですが、骨太の改革では、それ以前の問題として、社会福祉行政のひずみを解消することで、医療費を抑制できると考えたのでしょう。つまり、昔はそれほど重症でもないのにすぐに入院させられたりとか、余計（と思われる）薬がたくさん出たりとか、病院が高齢者のたまり場になっているかと、そんな無駄と思われる話がいろいろありましたので、”効率化”によって医療費を抑制できるのではないかという考え方もあったと思いますし、現在もそうだと思います。実際、入院期間や過剰な薬の問題はだいぶ改善されたという実感があります。しかし、どうもこの本を読むと骨太の改革が進行する中で、厚生労働省内部では当然抵抗が多く、政策と行政省とがぶつかり合ううちに、大筋だけは政策の意図する通りに決まり、ディテールがほとんど議論されないで来てしまっているように感じます。例えば、さんざん叩かれた「後期高齢者医療制度」の問題についても、考え方が閣議決定されてから5年、法律ができてから約2年の期間があったにも関わらず、この制度制定に関わった政権がなくなってからはあまりディテールに触れられなかったため、制度開始直前になっていろいろな問題が取り上げられ、批判が続出したわけです。私も当時、スタート直前になってなぜあんなに騒いでいるのだろうと思いましたが、そもそも「良くなかった」と考えられている小泉政権時代の医療政策に、その後常に青色吐息の状態で来た時の政権が触れられるわけがないよと思いました。しかし、自民党政権である以上、過去の政策を表立って曲げることはできないと思いますので、それはそれでひとつの考え方であるが、今の日本の社会制度で推し進めるには大変危険な医療費抑制政策を方向転換できるということは、民主党政権になったことが大きなプラスであると思います。そうなると医療費の増大はある程度仕方がないとして、財源確保の手段として、無駄の排除、景気回復による歳入増加、増税、社会保障費の国民負担増といった方法があります。これらはどれもやっていかなければならないことですが、鬼気迫る日本の財政再建について、アナウンスメントとして何か打ち出さなければならないとすれば、それは消費税率のアップなのだろうと思います。管総理が就任当初に消費税率のアップを掲げて参院選は散々な結果でしたが、元厚生大臣でもあり、財務大臣でもあったという立場を考えますと、気持ちはわかるなあと思います。

  2010.09.25

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  窮すればすなわち変ず／北尾吉孝・著

  窮すればすなわち変ず／北尾吉孝・著縁あってSBIホールディングス・CEOの北尾さんの著書を数冊いただきました。この本は北尾さんが書いているブログを元に編集されています。ちょうどリーマンショックが起こった直後から１年ぐらいの間にかかれたブログが元になっており、激動する世界経済の中で、日本企業がどう行動すべきか？という一つの考え方を提言しています。その中で、日本が低金利政策をとって景気対策を行っても、欧米の利下げが激しく、金利差が縮小することで金融政策は意味がないことを語っていますが、まさに昨今円高に苦しんでいる状況を言い当てていると思います。しかし、リーマンショックはアメリカの金融システムの問題であり、日本の金融機関は問題ない、なのに日本の株価がこれだけ下がるのは理屈に合わないと言っています。当時私もそう思っていましたが、実際にはもう一つの問題、つまり、日本経済がかなりの部分、直接、間接的に輸出依存であったということです。輸出がGDPに占める割合は１０数パーセントであることから、内需拡大で金融危機を乗り切っていけるという話が出てきますが、雇用問題を含めて、間接的には輸出の減少が大きな影響を受けていることと特定の国（アメリカ）への依存度が高いことで、むしろ日本への影響は大きく、また、回復が遅れているということは否めないと思います。もう一つ、この本の特長として、北尾さんが中国古典に精通し、経営方針にも取り入れられているということで、色々な古典の教えを紹介されています。これには共感する部分が多く、学生の頃、論語は結構好きだったなあと思い出しています。中国古典を勉強してみたいという気持ちになりました。

  2010.09.22

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  舛添メモ～厚労官僚との戦い752日・舛添要一・著

  舛添メモ～厚労官僚との戦い752日・舛添要一・著折しも鳩山総理大臣が辞任となりました。あまり期待はしていませんでしたが、それでももう少し長くやってほしかったです。志は立派なのですから、信念に従って抵抗に屈せずやっていただければ、何かしら良い方向には行ったのではないかと思いますが．．．この本はタイトルの通り、元厚生労働大臣の舛添氏が行った厚労省改革の一部始終とそれぞれの局面での舛添氏の考え方が書かれています。舛添氏の就任期間は医療改革、C型肝炎問題、派遣切り、新型インフルエンザなど厚労省関連では様々な問題が起こっています。しかも、安倍、福田、麻生と3人も総理大臣が替わる中で大臣をされている。その中で一貫して改革に取り組んでいる様子、考え方が解り、TVの発言だけでなく、この辺りの実行力が人気の一つなのだなと思います。752日、2年ちょっとという在任期間は厚労大臣では2番目の長さだそうで、改めて驚きました。驚いたのは二つあって、2年ちょっとという短い期間に、色々な問題に対処しながら、よくこれだけの改革ができたな、ということ。それと多くの大臣は1年とか数ヶ月で替わってしまういうことです。そんな短い間では変えることはできません。しかし、省庁の改革は大臣がやらなければ誰もできないと思います。官僚の方々が悪いと批判するわけではありませんが、改革のベクトルが何かしら働かない組織は絶対に社会に対して良くないと思います。だから、大臣が替わって向かうべき方向性やビジョンが多少変わってもしょうがないと思いますが、改革のエネルギーは継承していってほしいと思うのでありました。

  2010.06.02

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