Montrachet 2002 (V. Girardin)
PMOの要因として色々な人が色々な事を言っている。筆者の経験からして、特定の生産者、特定のVTに多く見られることから、作り、特にバトナージュやSO2の使用量等複合要因であるように思えるのだが、まだ決定的な説はまだ出ていない感じだ。そしてこのPMOにより、ブル白の飲み頃を選ぶのはというのは本当に難しくなったと思う。さほど古くないVTでもPMOにより飲めなくなっているワインに当たることが多々有る。個人的な印象で恐縮だが、98, 99, 04辺りは大抵大丈夫だが、02, 05, 06辺りはかなりリスクが高いように思う。 さて、このワインだが開ける前からの危惧通り完全にPMOで逝ってしまっていて、全くコメント不能であった。この逝ってしまったワインというのは飲むことも出来ないし、料理にも使えないし、と言うことで大抵は流しに開けることになるのだが、盟友ラ・ロマネさんの助言でこのワインをリザーブワインとして、シャンパーニュを加えて見たら、あら不思議、ちょっとした熟成シャンパーニュになってしまった。そしてこれがかなり飲めるので有る。若いシャンパーニュの酸味が逝ってしまったワインのえぐみを綺麗にマスクし、そしてそのワインが深みを与え、適度に要素もある、そこそこの熟成したシャンパーニュだ。ひょっとしてセ●スより美味いんじゃないかと思った。 この場合は完全PMOなのでリザーブワインとシャンパーニュの差は1対10だったがPMOが弱ければ1対1でも大丈夫だ。PMOのワインを肴に皆がアッサンブラージュ職人となり、最適な割合を競い合う。当たり前だがPMOと言ってもシャンパーニュのどんなリザーブワインよりも出自、素性は素晴らしいワインだ。言わば腐っても鯛。その腐った鯛を使った高度な大人の楽しみだ。 読者の皆様にもPMOのリスクが高いブル白を開ける時は横にシャンパーニュを用意されることをお勧めする。その際のシャンパーニュは出来ればBdBでNV、ドザージュは少なめでマチエールがあまり無いものだと尚良い。是非お試しあれ。