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テーマ:読み聞かせ(295)
カテゴリ:こんな風に読んでみる
今日は小学校の読み聞かせボランティアの勉強会。私が講師でございます。ここのところずうっとちまちま微に入り細にわたり読み聞かせをはじめる前の心得をメモっていたのはこれのため。レジュメがわりに自分のブログの該当ページを印刷して、それを基に皆さんにお話ししたというわけ(配ったわけではない)。
出入りもあってのべ10人足らず、日が合わなかった残りの半数くらいの皆さんにはまた別の日に同じプログラムでとお世話役さんに言われたということは、今日のはそこそこお役に立てたと思っていいでしょうか。 芝居とか声楽とか、近接ジャンルにいろいろ手を出したおかげで、普通の読み聞かせ指導より外堀からのアドバイスができるところが私の個性と言うことになるのだろうか。朝から喉をあたためておくとか、早口言葉で舌を回しておくというのは、大学でひとり暮らしをしていたときに声が一時期まるで使いものにならなくなった経験を生かしてのこと。いくら高校時代と違って毎日防音室で発声練習をすることができなくなったからといって、歌う声ばかりか話す声まであんなにだめになるとは思ってもいなかった。平気でまる一日以上誰とも口をきかないで終わるなんてことが大学生になってからはしばしばあったからなあ。人様に聞いていただけるレベルの豊かな声、というものは手入れあってのことなのだ。 ひとり暮らし始めてから声が出なくなっちゃって、人に会う時は発声やってから家を出ないとつかい物にならないんだと話したら、赤木かん子さんに大笑いされたが(あの方は人と1日話さないということがない人だ。私は下宿に電話すら引いてなかった)、彼女の最新の読み聞かせの本にはちゃんと朝、喉をあたためて声を出しておくことと書いてある。でしょでしょ? 前任地では毎年初めて人前での読み聞かせに挑戦する人向けの講習ばかりしていたので(基本、新1年生のお母さん)、あがりそうだと思ったら自分の子やそのお友だちを見つけてそこ目がけて読むつもりで、とか、気持ちはお家で読むつもりでだいじょうぶですよーとか、誰でも気楽に参加できる子どもとのふれあいチャンス的なお話がメインだった。 こちらは子どもに与える絵本の勉強会を幼稚園でしてました、なんてのは序の口で、ストーリーテリングの勉強会をしてますというのをもうちょっとつっこんで聞けば、もう十年近く図書館その他で語りをされてたり、とか、中級どころか上級者というべき人も多い。歴は浅くとも子どもあしらいのとても上手なお母さんとか。こういう人は意識しなくても子どもに届く声で話ができるし、朗読の技術がそこまででなくとも、人柄のあったかさや気持ちのキャッチボールで子どもを惹きつけることができるので、魅力的な読み手。 そういうわけで、このあたりの図書館にどっさりある読み聞かせ案内本にはあまり書かれていない、服装とか座った時の姿勢とか、どちらかというと演劇の側から照明をあてる形での注意事項からお話をさせていただいた。頭のてっぺんの百会(ひゃくえ)を天頂からつるされてるつもりで背筋を伸ばすと、無理に足元を踏みしめすぎないで済むとか、自然に骨盤が立ち、胸隔もつぶされることなく正しいポジションがとれます…なんてのは、バレエや中国舞踊で叩きこまれた基礎の応用。これがちゃんとできてれば、声帯もリラックスできるから、落ち着いた声が出やすくなるし、自然、声量も出る。 司書という仕事は座って黙って本の仕分けをしてればいいみたいな誤解が蔓延しているけれど、実際は足腰腕背中をフルに使う肉体重労働で、同様に読み聞かせも手と喉さえあればできる片手間ボランティアではなくて、肉体をトータルで使う広い意味での演劇的表現。だから絵本の歴史だけ勉強しててもそれだけじゃ足りない。 こっち方向からのアプローチはやはり珍しいらしく、そこそこ興味深く聞いていただけたようでよかった。本の持ち方等手順篇まであれこれ話してここまでで1時間くらい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.05.24 10:49:05
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