カテゴリ:ライトな本
高校二年の春、俺は呪いをかけられた。 と言う下りから始まる、第12回電撃小説大賞<選考委員奨励賞>受賞作、「超告白」を織り交ぜた、羽根を失くしたヒトたちが織りなす不思議な短編連作の物語。 「超告白」 高校二年の春、俺は呪いをかけられた。から始まる、受賞作。 呪いをかけられた少年と、呪いをかけた少女の物語で、主人公の少年の一人称で語られていく訳なんだけど、「呪い」が何時、何の為にかけられたのかより、何が呪いの効果なのかと言う部分が気になり、それが分かっちゃうと、そもそもこの物語の本題がわかっちゃうのでなんだかなぁ・・・。 なんかこう、もっと「おぉっ!」と言う要素が欲しかったかな? 「トランキライザーキス」 野球部の少年と言う彼氏もちの少女の一人称で語られる話で、「呪い」のせいで、別なメガネ男子にキスをしないといけないと言う、本当に「呪い」っぽいお話。 でも、そのヒロインがイタイし、エロイし、個人的には好きになれないので、かわいそうともなんとも思わなかった。 共感できない人物の一人称ほど読みたくない作品は無いという、一人称の最大の弱点を僕に突きつけた感じ。 「恋愛実験」 無個性な少女の一人称で語られる、どこかイカレタ芸術家の少年との恋愛実験。 とにかくイカレタ少年が、某AHEADシリーズの主人公を彷彿させるところがおもしろく感じたのだけど、普通の恋愛小説という飛びぬけた要素が無い。 でも、この二人のその後は読んでみたいと思った。 「ソラヲトベ」 屋上で、天使と名乗る不思議な少年と出会う少女の一人称と、転校生と名乗る不思議な少女と出会う少年の一人称で語られる、カップルの野呂家話・・・。 このお話のそもそもの本題なんだけど、ここに辿り着くまでにソレが分かってしまったので、話のオチまで読めてしまったのが、残念・・・。 なんだか、同じ学校、同じ学年、同じように転校生が現れ、屋上への抜け道が存在し、32歳独身の女教師が現れるとキーワードでの接点があるのに、全くと言っていいほどリンクしない登場人物たちというのも、ある意味おもしろいのかも? 基本的に恋愛小説で、話の中で登場する天使が活躍したり活躍しなかったりと言う以前に、とって付けた様な活躍しかしていないのは、いかがな物なんだろうか? 確かに、文章力は高いと思うんだけど、最近流行の一人称的哲学系の文章なんだよね。 正直な話僕はこの手の書き方には少々飽きが来てるので、いまいちおもしろさにかける内容でした。 この辺は好みが別れるんじゃないかな? 個人的にゃ、恋愛9割、不思議1割と言う割合の小説は勘弁して欲しい。 わたしにゃ、恋愛1割、不思議7割、ギャグ2割くらいが丁度いい・・・。
関連サイト ASTRO CREEP(松竜) 感想リンク のべるのぶろぐ まあいいか。 Alles ist im Wandel ウパ日記 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006/04/11 10:58:50 PM
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