メセナ市民交響楽団 第9回定期演奏会
催日:2022.4.30(土)14:00開演場所 :須坂市文化会館メセナホール(1,124名収容)2年ぶりの演奏会開催となったメセナ市民交響楽団の第9回定期演奏会に行ってきました。前半1.スヴェンセン/ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス 作品26 ヴァイオリンソロ:綿貫 舞乃2.リスト/交響詩「前奏曲」後半3.チャイコフスキー/交響曲 第5番 ホ短調 作品64 第1楽章 Andante - Allegro con anima 第2楽章 Andante cantabile,con alcuna licenza 第3楽章 Valse,Allegro moderato 第4楽章 Finale,Andante maestoso - Allegro vivaceアンコール4.ミロスラフ・スコリクのメロディーレポートヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス 作品26曲目解説によればノルウェーの作曲家スヴェンセンの最も有名な作品とのことです。こちらの楽曲は、コンサートミストレスの綿貫舞乃氏によるソロとなりましたが、ソリストが指揮台の上で独奏し、他のメンバーは立奏というスタイルで、指揮者不在のアンサンブルという形で小編成の弦楽器と木管楽器による伴奏での演奏となりました。楽曲的にはとても落ち着いた感じで、ロマンスという曲名に相応しい上品な響きが心地よいところでした。交響詩「前奏曲」解説によれば交響詩を初めて提唱したのがリストであり、この前奏曲は最も有名かつ演奏機会が多いものだそうです。またここでの前奏曲は大曲の前に演奏される小曲という意味ではなく、「人生は死の前奏曲に過ぎない」という壮大な意味があったり、伊丹十三監督作品の「タンポポ」で、この曲が使われていたとのことで、「食とは死への前奏曲」という紹介もされており、いろいろな意味で壮大なものを感じました。チャイコフスキー/交響曲 第5番 ホ短調 作品64チャイコフスキーの交響曲第5番は、つい1ヶ月ほど前に第576回 群響定期演奏会の演目として鑑賞したところだったので、近しい期間に連続して聴くことができたのはとても幸運と感じました。第1楽章の序奏部のクラリネットの音色。第2楽章のホルンの歌心、第3楽章の優雅なワルツ、第4楽章の前にはいったん曲を止めてチューニングをしてから再スタートするという配慮があって、聴き手としてもいったん疲れた耳をリセットすることができてよい間合いだったと感じました。最後は運命の主題が何度も繰り返され、華やかなことこの上ない形で曲が締めくくられる様は本当に壮麗でした。ミロスラフ・スコリクのメロディー常任指揮・村石達哉氏のパンフレットのごあいさつにアンコールは、ウクライナの友人からリクエストがあったミロスラフ・スコリクのメロディーをお贈りします。とのコメントが記されており、どんな形で演奏されるのだろうと楽しみにしていたところ、村石氏自らがヴァイオリンのソロを演奏しつつ指揮もする弾き振りという形態になり、これは最高の演出であると感じました。まとめメセナ市民交響楽団は、その楽団名からもわかるようにいわゆる市民バンドの形態を取っているアマチュアオーケストラのようですが、出演メンバーを拝見するとコンサートミストレスの綿貫氏を筆頭に、プロとして活躍されている方もメンバーに入っているようでした。また村石氏の情熱的なタクトが大変素晴らしく、レギュラープログラムはもちろんアンコールの弾き振りのところでも全力でバンドを引っ張っている感じがあり、それにバンドが応えるというシチュエーションは素晴らしいものがありました。