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カテゴリ:私たちの学校生活 2015年 3期生入学
聖イグナチオ学院の第一回中学校卒業式も終わり、学校の先生たちは3週間弱の長期休暇(?)がはじまりました。しかし、図書館係の私は、来年の教科書が足りなくて心配しています。東ティモールでは教科書は貸し出し制で、図書館が担当します。日本では中学校までは無償供与で、教務部が担当します。東ティモールの教育省は、毎年、数教科、小部づつ支給します。たとえば中学3年生の社会科の教科書は15部だけ届くとか(それも5月か8月に)。そのため、学校は聖イグナチオ基金のご寄付から、不足分を買い足しています。そうしなければ、「貧富の隔たりなく、学びたいすべての子どもたちが平等に学べる学校」を作ることができないからです。もし先生が教科書を持って教室に行きそれを見ながら教えると、生徒たちはその教科書が欲しくなってしまいます。そして、教科書は本屋さんで売っているので、買える生徒だけが買います。そうすると、教科書を買ってもらえない生徒は不公平になるので、学校では一生懸命買い足して、貸し出しています。買える生徒が買うといっても、昨年学校が調査したところによると、学年全体の25%~30%の生徒が、1教科か2教科だけの教科書(主に数学と理科)を持っていました。
↑ 先週の金曜日、ポルトガルのある出版社の東ティモール営業所に出かけました この出版社が東ティモールの中学校の教科書の8割方を出版しています ↑ 一冊、約9~10ドルもします 1冊が私の1日分の給与に近いです 中3の教科書1,600ドル分を買い足しましたが、昨年も買い足しており、全部で11教科ありますが、これで4教科の教科書を生徒1人ひとりに貸し出すことができます 東ティモール営業所は2人しか社員がいません 上司のポルトガル人・ジョアンと助手の東ティモール人だけです ↑ 事務所の裏側は倉庫になっていて、本が積み上げられています 政府教育省は毎年5月頃に教科書を持ってくるのでジョアンに「他の教科書は、5月まで待ってみる」(他の教科書、主に中2用も注文したけれども品切れだとのことだったので)というと、「来年度用(東ティモールは1月に新学校年度がはじまります)、少なくとも次の4月のコンテナに積む政府教育省発注の教科書はない」との返事でした すなわちこの出版社が東ティモールの学校で使う教科書を取り扱ってるのですが、「来年配布する教科書の注文を、出版社は教育省から受けていない」ということです 来年4月にコンテナがポルトガルから来るけれども、それに積む教科書は1月に印刷するが、今から注文を受けても1月の印刷、4月到着のコンテナには間に合わないそうです 結局、本屋さんでのみ教科書が買える、という意味です ということで、「コンテナが着いたら電話してください」ということになりました ↑ 出版社の営業所は、最近ディリ市内にできた「卸売団地」(問屋街)のような施設の一角にあります 左側の朱色の建物の一番手前、1階です 祝 東ティモール・ワニ通信 11万アクセス みなさまのご愛読に感謝いたします お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015/12/22 08:45:05 PM
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