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SF「恐竜境に果てぬ」 序章 第1節 1・2 


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恐竜境に果てぬ第1章第1節その1


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恐竜境に果てぬ第1章第2節その1


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恐竜境に果てぬ第1章第2節その3


恐竜境に果てぬ第1章第3節その1


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2004.01.12
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「その後具合どうだ?」
「今のところまあまあ何とか大丈夫よ」
「去年めまいの発作が出たの、5,6月じゃないか?」
「あら、詳しいのね、なぜわかるの? 5月だったけど・・・」
「お前ホントに15年経つとみんな忘れちゃうんだな。言ったろ。俗に木(き)の芽どきは危ないって、血管が広がるから。今常備薬何使ってる?専門だから詳しいだろ?」
「そう思うでしょ。でも患者さんの薬のことに追われているから、まだあんまりそろえてないの。漢方飲むくらい」
「俺は漢方に期待してない。お前ら薬屋は盛んに勧めてるようだけど」

「ううん、私も処方せんに書いてあったら指示通りやるだけよ。あなた何かいいの知ってる?」
「ほれ、薬学事典の分厚いの、本屋で売ってるじゃんか。あれ見りゃ、鎮うん剤のところにズラリ並んでるじゃん」
「そう言えば、あなたお母さんの発作の時、何使ってたの?」
「まず鎮うん剤、わかるよな、めまいそのものに作用する奴。これがメリスロン・・・」
「ちょっと待って、メモするから」
「お前、ホントに薬剤師かよ?」

「知ってるでしょ、私はあなたのお兄さんみたいに優秀な公立の薬科大出てない、三流の私大だもの」
「ええと、メリスロンだろ、これは一回2錠までって決まってるけど、俺はおふくろの様子で、3錠までは飲ませてた。それから、吐き気止めにナウゼリンっていう坐薬。そしてな、これは医師に処置適切って言われた薬だけど、デパスっていう精神安定剤。これはどっちかというと、催眠誘導剤だ。これは思い切って一度に二錠から四錠飲む。メニエルは眠るのが一番だ。ただし、お前はまだ若いから、発作の出方によるけど、どうだ?」

「朝起きた瞬間が多いわね。そうするともう身動きとれないくらい、景色がぐるぐる回るの」
「そうか、大変だな。おふくろも最初そうだった。汚い話だけどまず洗面器のやっかいになることが多いからな。それならどうだ、毎晩寝る時、今言った一式寝床に用意しといてさ、なるべく早く飲んだりするってのは・・・」
彼女はしばし話をやめて、私を見ていた。何だ、どうかしたかと問うと。
「優しいのね」
「ふん。今更、何にも出ねえぞ、俺貧乏だから」

「あ、それとさ、発作は確かに苦しいけど、繰り返すうちに軽くなるように出来てるらしい。それに常備薬が体になじんで来る。お前もその時期乗り切ったら、初めより慣れて落ち着きも出てくる・・・はずだ。そうだといいけどな。せっかく女一人でここまで働いて来たんだ。もし、少しでも慣れたら、薬一通り体に入れる時に、がまんして小用だけ済ませとくといい。メリスロンはかなり利尿作用があるからな」
「ありがと。良かった、あなた、優しいのね」
「何だ、同じ言葉のくり返しじゃんか、ただし、取り得と言えるのはそれだけ。金ない、体力ない、もてない、才能ないと来たもんだ」

「私、思い切ってあなたともう一度会って、・・・何か恥ずかしいけど、良かった」
「うまいこと言って、いずれは俺の土地を我が物にしようと狙ってるんだろ?」
「疑ってるのね」
「お前さんには、さんざんやられたからな」
「私、やっぱり嫌われてるのね。文句言えた義理じゃないけど」
「病一つで弱気になったのか。だけど・・・やめた。俺の欠点はおしゃんべりだ」
「何よ、一度言いかけて、意地悪ね」
「あのな、うんざりするほど嫌いだったら、こうして会ってなんかいないぞ」

急に話題を変えてきた。「あのホステスにも気があるんでしょ」
「ああ、あるよ。でもお前との仲のようにはいかないぞ。相手は事情もあるし、年齢差は31だ。第一下心はない。お前との時だって、ツーリングばっかで、なかなかホテル行かなかったろ」
「仮性包茎だからじゃなかったっけ?」
「お前ねえ、今の会話、日記に書くかもしれねえんだぞ。余計なこと言うな!!」
「だったら今のところ書かなけりゃいいじゃない」
「もう50過ぎたら、かっこつけるのどうでも良くなった。それにこういう会話入れると受けるかも知れないんだよ。もっとも、けいべつされるぐらいだろうけどな」

「ねえ、今嫌いじゃないって言ったでしょ、ホント? ね、順番つけると私とそのホステスと・・・、あ、いいわ、愚問ね。前言撤回」
「お前がもう順位つけてる証拠じゃねえか。よし言ってやる。当然あの娘のほうが」
と言って持って来た名刺を見せた。
「ふうんー、可愛い子ね。かなうわけないわ。それにしても、こんな若い子にほれたのね」
「お前がいりゃあ、ほれるチャンスなんかなかったよ。それに年考えろ。この子二十歳だぞ。ここに写ってるのは胸像写真だけど、プロポーション抜群。小柄だけど出るとこはしっかり出てる」
「触ったの?」
「バカ!! さっきから言ってるだろ。だいたいこの子も職務でお世辞使ってるところもあるはずだ。指名客だって数十名、しかも初めて日本へ来てそれだけになったんだ。強敵ぞろいだ」

「プレゼントかなんかしたの?」
「したよ。気の利かないのだったけど、一万五千円分の万年筆とボールペン。それに年末に一万円、一時帰国の前に俺一人で店に行って、お年玉として二万円。勘定のときに、おつりの中から五千円。金だけで合計三万五千円だ」
「ほかの客のプレゼントもあるでしょ、当然」
「ああ、俺を入れて三名」
「それだけ?」
「そうだよ。一人がペンダント、それともネックレスかな。一人がブレスレット」
「じゃあ、あなたが一番お金上げてるわね」

「断わっとくけど、金で吊る気はないよ。ただ、仮にあの子の月収が五万とすると」
「ええー、そんなに安いの!?」
「まあ聞け。向こうの物価は安いんだ。五万にゼロ一つつけただけの価値になるから、決して低賃金でもないんだ。それでも俺は二度と行くかどうかわからないから、餞別のつもりで上げた。合計で八万五千円。これなら、親もとへ送金して、まずまずだろ」

「何でそこまで下心ないのに奮発したの?」
「ちょっと偉そうな話になるぞ」
「いいわ、聞かせて」
「大東亜戦争って呼び方知ってるよな。あの戦争でアメリカにひどいめにあった国は、おおざっぱに言うと、日本とフィリピンだ。ま、どこの国もそうだけど、フィリピンにもバカな奴らがいてさ。反日感情持つ奴がいる。日本が大東亜戦争必死に戦ったおかげで、アジアに独立の気運が起こったんだ。俺は日本軍がフィリピンを占領して苦しめたっていうのには不満だ。日本の支配統治は、アメリカや白人がやったのとは比較にならないくらい、被占領国に配慮してる。だって、同じアジアだろ。韓国もそうだ。今韓国が発展したのも、日本の指導統治のおかげだ。暗殺された朴大統領も日本の士官学校に学んでいる。

アメリカは一度日本が統治したのを、日本の敗戦で、昭和21年にまた占領してる。
いつのことか忘れたけど、何かテレビでやってたな、アメリカはフィリピンの民衆を大量餓死させる残酷なこともやった。あの子がそんな歴史まで知ってるかどうかわからないけどな、フィリピンへの共感がダブって、あの子を好きになったのかもな・・・」

「ごちそうさま。それで貢ぐ気になったの?」
「いや、そうたびたびは行かれないよ」
「そう。何か可哀想ね。あなたのこと、待ってるんじゃない?」
「バカ、そこまで思い上がってないよ。待ってるわけねえだろ。ま、例え遺産目当てでも、俺を忘れなかったのはお前だけだ」
「しつこく言うわね。今のところ、茶飲み友達なのに・・・」
「なら、もう言わないよ。でさ、なぜもう行かないかっていうと、結局店に金落とすのがバカらしくなったんだ。自分の生活が危ういのに、そんなこと本末転倒だろ。あの子なら指名客きっと増えるだろうから、俺一人どうだっていいんだよ」

「でも好きなんでしょ?」「そうだよ。ルックスのことなんかべたぼめすると、英語でさ、I am shy.って言ったあと、日本語で私恥ずかしいですって言うんだ。まだ、そんなにあの世界に染まってなかった感じだな。・・・でも、多分だんだん染まって行くだろう。情が移るのはみんな同じだろ。だけどそれはこっちの勝手。だってさ、ハイスクール時代に24歳の彼氏がいたって言ったんだぜ。こっちが思うほどウブじゃないかもしれないよ」

「ね、今貯金いくらあるの?」「そら来た。お前結局それだろ!?」「無理に聞かないわよ。でも・・・」「ま、いいやおよそXX円」「ええーっ、そんなに貯めてるの?」「お、目がランランと輝いたな」「凄いじゃない、私の・・・、五倍はあるわね。ね、土地はいくらぐらいになりそう?」「買った時のままで計算するとだいたいXX円」「ええーっ、じゃ、貯金と同じくらいじゃない!! それだけあれば、何とかなるでしょ?」
「あのね、土地は今住んでるとこにくっついてるの。どこか引っ越さなきゃオゼゼにならないの」「そうか、・・・んでも、心丈夫だよね。いざとなったら中古住宅の安いのに引っ越せば、それでもXY円残るから、定期口座あとX口出来そうね」

「俺が計画立てる前からそんな計算して、お前のほうが凄いね。だけど親父にもしものことがあった時は、遺言は書いてあるけど、遺留分は取られるから、そう余裕ってわけでもない」「いくらぐらい?」「お前ホント生き生きして来るね。ま、いい。だいたい遺留分は8で割って、Y円は取られるな」「相続税は?」「あ、それ全然取られない。そんなには残らない」「んー、・・・じゃあ、八分の一取られるとして、・・・でもやっぱりやりかたによっては、定期口座X口は固いわよ。・・・あ、ごめん、お金の話ばかりになっちゃった」

「あーあ。年金ももらえないと覚悟しなきゃならんしな。おい!!」「何?」「気晴らしに本栖湖・・・じゃねえ、どっか走らないか?」「いいわよ!!」「うそ。お前寒い寒い言って入って来ただろ。またあったかい日にしようぜ」「そうね」
以上、三連休ある日の一コマでありましたとさ。それにしても、結局最後まで私はこいつに骨のずいまで絞りとられるのかと、我れと我が身の不運(?)を感ずるきょうこのごろである。







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最終更新日  2004.01.12 15:21:43
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