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奉祝、紀宮清子内親王殿下御結婚
要するにわがままで、自分勝手なのだろう。ただし、高校時代の私に兄が、「お前は、他人から見ると、何ゆえか、そばに寄りたくない、一緒に話をしたり、バカを言い合って楽しみたいと思わない、何か、『魅力』の反対の空気を感じさせるのだと考えるしかないな。無理に友達を作ろうとしなくてもいいんじゃないか」と、一気に性格を評価してくれた時、なぜかホッとしたのを覚えている。 その私が趣味の都合から、どうしても仲間を作る必要があった。これが最初で最後の怪獣映画を作る組織、「大一プロダクション」である。 8ミリ映画の専門誌「小型映画」(玄光社)に投稿し掲載され、初め十数通の反響があったが、なんだこの程度か、少ないものだとややがっかりしたのを覚えている。 私の投稿は無論、映画作りの会員募集が目的だったから、当時住んでいた東京都内、都下、そして首都圏に限るしかなかった。 いちどきに来た反響の手紙に遅れて、平田君という同好の大学生が手紙をくれた。 八王子の彼の住まいを訪ねると、精巧なマンションの模型など、家屋模型が数体完成させてあり、これにも驚いたが、一番驚いたのは、高さ1cmほどのドラム缶のアルミ製模型だった。 「彼なら、見事なミニチュアを次々造型してくれる」と、期待がふくれ上がった。 だが、私はもっぱら企画、シナリオの手直しに没頭し、模型制作を彼に任せっぱなしにした。 初め話が弾んだ電話の状況報告も、次第に間遠くなる頃、私はそろそろ怪しみ出した。 彼は、模型制作に疲れているのではないかと。 ある日、電話で彼が「今後は弟にバトンタッチしますから、よろしくお願いします」との面妖な言葉を言い放ったのを聞いて、私はこの映画は頓挫する予感を覚えた。 次には私が電話で疑問を訴えた。すると、「僕は降(お)ります」との返事を受けたので、ここで激怒した。怒りに飽かせて何を言ったかは覚えていないが、電話の向こうに投げかける己の声が興奮でふるえていたことははっきり覚えている。 向こうもその時初めて怒りの言葉を以て反論し、果たして、「村松さんは模型を何も作らないじゃないですか ! ? 」と返された。私の造型技術は拙いから、任せたつもりだなどと、更なる反論材料はあったが、あきらめた。 私は絶交を言い渡すと共に、後日そちらへ推参すると告げたが、ケンカに乗り込むわけではない。 模型は彼の自宅にあったから、返してもらいにゆかねばならなかった。 その日はさすがに気の重い日だった。彼が作りかけた模型の受け取りは、玄関先で行なわれ、私は「確かに受け取った。ではこれで」と気まずい空気の中で、彼の家を出るしかなかった。 このことと前後して、一人、ただ一人、強力な助っ人が名乗りを上げてくれていた。しかも東京都内も都内、世田谷区の太子堂に住む模型作りと東宝特撮を趣味とする大学生だったから、即日会って、たちまち意気投合、彼とは私の卒業近くまで、映画を離れた雑談も気軽に出来るつかの間の友達となった。 藤生(ふじう)君という、性格温厚な学生だった。彼が「メガロドン、絶対完成させましょう ! 」と、積極的に言ってくれた。 なお、気まずい絶縁となった平田君についても、この年配となった今、恩讐のうちの恨みは時の彼方に去って、むしろ至らなかった私の短気を反省する気持ちもおおいにある。 「海底怪獣メガロドン」の各シーンのいくつかは、確かに彼が協力して撮影出来たのだったし、特に冒頭のカーフェリー沈没シーンは、横浜港山下公園の「氷川丸」にロケーションし、真夏の炎天の一日、観光客がいなくなるわずかの時間を共に待ちながら、ようやく撮影完了したし、肝心の怪獣メガロドン模型も、皮膚のうろこの造型は、彼の抜群の技術で作られたものだった。 さて、この藤生君は、リーダーの私を立ててくれながらも、知らぬ間に2m四方の特撮プールを自宅二階ベランダに制作、設置など、精力的に制作活動をしてくれた。 彼なくして、この特撮映画の完成はなかった。 もう一人、川崎に住む村田君という大学生が、火薬など化学薬品に詳しく、さらに自衛隊の61式中戦車プラモデル五、六体を提供してくれた。 村田君の戦車はすべてモーター、電池内蔵で正確に直進自走する完成度だった。 さらに加えて、彼は、映画「日本沈没」でも使われたのと同じ四塩化チタンという、空気に触れただけでもうもうたる白煙を上げる薬品も入手提供してくれた。 これほどのものは私一人では到底準備出来なかった。 既に本編シーンのほとんどは撮影・現像済みだったので、残る特撮シーンのすべてを、私と藤生君、村田君の三人で行なった。 タイトルから遠ざかったが、藤生君の人格と人脈のおかげで、映画完成時、会員数は、五人に増えていた。 この中の一人がどちらかというとSFマニアで、私の文章趣味に興味を持ち、世田谷区下北沢の私の下宿を時々訪れるようになった。 そして、もはや経緯は記憶にないが、会員の総意を以て、新しい機関誌を作ろうということになった。 私の長年発行の「大一プロブック」の本誌名は、あっけなく却下され、ここにごくわずかの時期に過ぎなかったものの、「WING(ウイング)」なる総合ファンタジー機関誌が誕生、会員にのみ発行されるコピー印刷による、初めての複数発行タイプの機関誌が出来上がった。 今、お世話になっているかたの制作のおかげで、少しずつクイズ量が増えている「懐かしクイズ研究所」のクイズのいくつかは、この「WING」に私が掲載したものである。 ただいま、量産体制になって以後の「大一プロブック」を復刻しようかと計画しているところである。 口先だけに終わるおそれもあるが、本誌構成は、何冊か作ったうちの記事、特集などを自撰して一冊にまとめ、新たに紙製完成品模型付録をつけて、お世話になっているかたにお送りする目的である。 そのために、ある生徒に動力装置の設計を依頼し、首尾よく動作する見込みが立つことを期待している。付録の内容は失礼ながら秘密である。 「少年」復刻版に刺激されたのである。ようやくタイトル通りとなり、擱筆(かくひつ)出来る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.11.16 23:35:19
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