紙が布になり、布がまた紙になる。リサイクル精神がその技術を生む。
子どもの頃、寒がっていると、「服の下に新聞紙を着てなさい」といわれたことがあります。やってみると確かに暖かかったですね。だったら、最初から紙でできた衣服がないかなと思います。よく知られているものでは、東大寺二月堂のお水取りで使われている、紙衣(かみこ)というものがそれですね。和紙に寒天を塗り、揉み紙にして強くした和紙を使い、それを縫製して衣服に仕立てたものですね。また、このように和紙を縫製したものではなく、和紙をこよりのように糸状にして、それを緯糸(よこいと)や経糸(たていと)にもして織った、紙布織りというのもあります。紙衣も紙布織りもどちらも和紙でできたものですが、製法はまったく異なるわけですね。「ネパールの紙布展」というのが今月の30日まで開催されています。明日のことで恐縮ですが…、「泥染め体験講習」もあります。明日 1/29(木)のみです。興味のある方はこちらを紙布織りは以前にも紹介していますが、和紙を細く(2~3mmくらい)カットし、それを撚り機にかけて紙糸を作ります。緯糸にこの紙糸を使い、経糸を絹や綿で織ったものが紙布織りです。また、緯糸も経糸も紙糸を使ったものを諸紙布といいます。歴史を振り返ってみると、紙よりも布の方が最初に発明されています。その後、麻の布を裂いて、紙が作られるようにもなりました。そして紙布織りの登場により、紙から布ができるようにもなったのです。つまり布が紙になり、紙がまた布にも加工されていたのですね。少ない資源を大事に使おうとするリサイクル精神から紙布織りも生まれたのではと思います。これから使い倒した紙布織りは細かく裂いて、また紙にしてみようかと思います。そしてやがては土に還っていく。これが自然のサイクルですね。自然の中の資源を人が一旦利用させてもらい、十分に用を足したら、感謝の気持ちをこめて、また自然に還さなければなりませんね。今日はこのへんで。読んでいただいてありがとうございます。よろしければ、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、よろしくお願いします。参考までに、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしても、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●yunさんの運営する「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。