楮も人も雪にさらして浄化する?
冬といえば鍋、そして鍋を囲むテーブルには「鍋奉行」の登場ですね。また寒波になると「冬将軍」が襲来し、なんともいさましい季節です。先週末も各地で雪がよく降りました。和紙造形大学でも雪がふりしきる中、第6単元がありました。工房の内と外では別世界和紙造形大学をさらに山のほうに行くと、川場スキー場がありますが、吹雪でリフトもあまり稼働していなかったようです。ここで生活する人はたいへんでしょうが、たまに来るぶんには雪景色が非常に新鮮に映りますね。音もなく真っ白な世界に1人たたずんでいると、なぜか神聖な気分になってきます。日本では白という色は神聖なものとされているのもなんとなくうなづける。もともと日本の自然環境において白色は存在しないのでは…。せいぜい生成りといわれるベージュっぽい色が自然の白色の限界でしょう。それを余計な成分を取り除いて白にしているわけですから、まっさらな白は浄化されたもの、穢れのないものとして扱われるのも当然ですね。では漂白剤のない時代、どのように漂白していたのでしょう?紙の世界では「雪さらし」といって、和紙の原料である楮(こうぞ)の繊維を太陽と雪の力で漂白していました。楮は11月頃に刈り取り、それを蒸して、皮をむく。この時、繊維はまだ緑色をしていますが、これを雪の上に並べて漂白すると白っぽくなってくるのです。紫外線が雪にあたってオゾンが発生し、それが雪解けの水蒸気と結びついて汚れの原因となる物質を分解除去するとのことです。つまり天気のいい日に雪にさらすと、オゾンと水蒸気が白くしてくれるのですね。ちなみに漂白されていないものは、布の場合、「生成り」といいますが、和紙は「未晒し(みざらし)」というのです。生成りの和紙という表現は使いません。真っ白な雪の世界で神聖な気分になるのも、もしかしてオゾンと水蒸気が人の汚れを浄化してくれるのかも…。今日はこのへんで。読んでいただいてありがとうございます。よろしければ、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしてください。1日1回クリックしていただけると、たいへんうれしいです。お手数ですが、よろしくお願いします。参考までに、上の「blog Ranking」のバナーをクリックしても、ブログランキングのページが表示されるだけです。なにかを記入したりする必要などはまったくありません。ブログランキングのページが表示されたら、他のページをのぞいてもいいですし、終了するのも自由です。●yunさんの運営する「和紙造形のコミュニティ」がMixiにあります。Mixi会員の方だけになりますが、ぜひのぞいてみてください。http://mixi.jp/view_community.pl?id=2305021