さて「日韓外交」ともったいつけましたが、私は裸の外交官でした。
釜山大学に行ったあと地下鉄で一駅戻って「温泉駅」で降りました。
駅から徒歩10分ほどで、温泉にたどりつきました。
農心ホテルの中にあります
入場料は700円、徳島の日帰り温泉とかわりません。ということは
その他の物価から考えて、地元では高級温泉ということでしょうか。
フロントで受付をして、夫との待ち合わせ時間を決めなくてはいけないし、
中の広さもわからないので、「何時間あれば大丈夫かしら?」と
お姉さんに聞いたら「一日居る方もいらっしゃるので・・・。」
「えっそんなに広いの?」
入ったらまずロッカーの数にびっくり!!中はいわゆる千人風呂というやつでした。
塩風呂、檜風呂、ジャグジー、サウナ、滝風呂、露天風呂などがあったらしいです。
なぜ、入った私が「あったらしい・・・」というあやふやな書き方をするか、というと
入る時間がなかったからです。1時間半もあったのに。
何をやってたか、というと「日韓外交ですよ」
きっかけは塩風呂の上にテレビがついていたんです。テコンドーの試合を
やっていました。若い女性が「xmflg0430bpify239844?」と話しかけてきて
ハングルが解らないので英語で答えました。すると「何じん?」と言うので
「日本人」と答えると、私の周りを4重に裸のおばさんが集まってきて
取り囲まれました。「日本人、日本人、日本人だってさ!」と言っています。
完全に過去の戦争の事を言われたり、つるし上げられるのかと思いました。
その風呂には200人くらい入ってたと思いますが、多分日本人は私一人だったでしょう。
カタコトの英語がわかる女性が通訳になり、スッポンポンの私の周りにおばさん20人
その時の写真がないのが本当に残念でなりません。あっても見せないけど。
一人が手を上げて、通訳が指で指名します。それを英語に訳します。
「韓国で食べた物で何が一番美味しかった?」
私が答えます。「ソルロンタン」
「おーっ!」歓声があがります。
「デジクッパ」「おーっ!」別の場所からまた声があがります。
私の一言にいちいち反応してくれます。
次の一人が「韓国人で知ってる人がいますか?」
今日ほど韓流ドラマファンで良かったと思った日はありません。
「ぺ・ヨンジュン」「きゃーっ!」今度は叫んでます。
「チャン・ドンゴン」拍手がおきました。「イ・ビョンホン」「ソン・スンホン」
免税店のポスター(ソンスンホン)でお楽しみください
もうやけくそで知ってる名前全部言ったかもしれません。自分の好きな俳優の名が
出たおばさんは握手を求めてきます。でもみんなスッポンポンです。
おばさん達は休憩所だけじゃなく風呂の中にまで食べ物を持ち込んでいて、湯に
つかりながら、パンやフルーツを食べています。なんか甘いパンをもらいました。
断ると悪いので食べました。
「知ってる韓国語はあるか?」
「アンニョンハセヨ」「カンサハムニダ」「マシッソヨ」「ヨボセヨ」・・・
答える度にみんなの顔がニコニコします。
「あんたは日本人に見えない、韓国人に見える」最後にそう言われました。
これって最高の誉め言葉だよ、って夫が言うんですがそうでしょうか?
通訳をしてくれた子は(若く見えたので)29歳でした。大学で少し日本語をやったので
ひらがなは読めるけどしゃべれないそうです。夫と約束した時間がもう過ぎていたので
みなさんと握手してしっかり裸を見られながら、私は退場しました。備え付けのガウンを
着てから彼女にメールアドレスを書いて渡しました。
家に帰ってきたら、早速メールが来ていました。
「あなたは私の最初の外国人の友人です。
母に話したら、どうして家に招待しなかったのかと怒られた・・・」
ただどうしても返信できないので、韓国人の知り合いに彼女のブログにアクセスしてもらうように頼んでいるところです。日本人は返事もくれない、なんて思われちゃいますから。
なんだか、私日本を背負っているような気持ちです。
政治家のみなさんも裸で一緒に風呂に入って外交すればいいのに、洞爺湖サミットの会場のホテルは洞爺湖を一望できる、素敵な眺めの温泉があるから是非そうして欲しいです。
まあこんな外交をしてるとは露知らず、男湯の方は静かでおじさんたちが黙々と
身体を洗っているだけだったそうですわ。
その後1時間全身オイルマッサージを受けて、ばらばらになった身体で夕方ラッシュの
地下鉄で帰りました。
今日は文字ばっかりで読むのに疲れたでしょう。おりこうさんの写真で心を癒して下さい
明日は帰る前の最後の大事件があります。