住んでいる環境からこれほどの室内汚染があるとは、衝撃的なニュースです。
もっとまめに掃除をしないとまずいのですね。
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◆本体カバーケースの難燃剤成分、体内濃度40倍に急増
構造上、発火事故が起こりやすいとされているテレビやパソコン。発火しても燃え広がらないように、本体カバーケースなどのプラスチック部分に難燃剤が使用されている。
ところが、本体内部などにたまったほこりから、ダイオキシンと同程度の毒性をもつ臭素化ダイオキシンや難燃剤の成分であるポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)が検出された、との調査報告が相次いでいる。日本人の脂肪中に難燃剤の体内濃度が40倍に急増していることも判明していることから、家電製品による室内汚染を懸念する声が広がっている。
国立環境研究所循環型社会形成推進・廃棄物研究センターの酒井伸一センター長らの調査ではテレビ内部にたまったほこりから高濃度の残留化学物質が検出されたという。
酒井センター長らは80年代後半~90年代後半に製造された廃テレビ24台にたまったほこりを分析。その結果、臭素化ダイオキシンがほこり一グラム当たり平均4・1マイクログラム検出、特に80年代後半に製造されたテレビからは1グラム当たり8・1マイクログラム検出された。また、PBDEは一グラム当たり平均230マイクログラム検出され、特に90年代後半製造のテレビからは1グラム当たり320マイクログラム検出された。
一方、難燃剤の使用が少ないエアコン内のほこりを調べたところ、臭素化ダイオキシンはほとんど検出されず、PBDEの値もテレビの約50分の1だった。プラスチックに使用される難燃剤がほこりから検出される理由について、酒井センター長は「テレビ使用時に発生する熱によって本体カバーや電子基盤などから放散するルートや、プラスチック部分にほこりがたまり接触部分から難燃剤が移行したルートなどが考えられる」と分析。移行メカニズムの解明も今後の重要な課題だと指摘している。
難燃剤は、プラスチックなどを燃えにくくするために添加する薬剤。特に臭素系難燃剤は難燃性能が優れているため、テレビやラジオなどの家電製品、パソコンやプリンターなどの電子機器、家具、建材など幅広く使用されている。しかし、有害な臭素化ダイオキシン類を生成しやすいとの指摘があり、人体内や室内のほこりへの残留蓄積が各国から報告されている。
6月上旬、米国の環境保護団体がパソコン内部のほこりからPBDEが検出されたと発表。また、過去には、ドイツの一般家庭で使用された電気掃除機のごみパックから採取されたほこりからPBDEが検出されている。
人体への蓄積も深刻で、スウェーデンのカロリンスカ研究所が行なった調査では、母乳に含まれるPBDEは5年間で2倍に急増したことが判明。また、日本人の脂肪組織中のPBDE濃度が約30年間で40倍以上に急増していることが国立環境研究所の調査で明らかとなった。
酒井センター長は「ヒトへの影響は解明されていないが、子どもがハウスダストにさらされないよう注意したほうがよい」と警告している。
3種類あるPBDE。日本では二種類については2000年までに使用自粛されたが、残る一物質については使用が続いている。
(出典:ニッポン消費者新聞)
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