Homeland #48 Long Time Coming
中盤、大いに盛り上がったシーズン4のフィナーレ。それにしては静かすぎるということもできますが、これはこれで、次シーズンへの布石としてアリかなと思いました。とにかく、個人的には、最後までにやにやしながら見ておりました。うーん満足!帰国したキャリーは父の葬儀の準備で姉と遺品の整理を行う。アダールが訪れて、クィンから連絡があれば知らせて欲しいという。クィンはイスラマバードに残り、ハッカニを追っているはずで、キャリーは連絡が取れない状態だという。ハッカニ本人はすでにパキスタン軍の保護下に入り、アメリカとしても手を出せない存在となった。アダールはまずは聴聞会を切り抜けなければならないという。務めていた軍事関連会社を首になったソールは、パキスタン側の声明を苦々しい思いで見ている。心配なのは、ハッカニと共に撮影したビデオで、それがなぜハッカニは公開しないのか不思議に思う。CIAに戻りたいというソールに対して、ミラは反対だという。父の死亡記事を読んで、15年間も疎遠だった母親のエレンが現れる。姉妹を置いて家を出たことをキャリーは激しく批判し、エレンは帰っていく。ソールは関係者のジョーに会い、一連の出来事の説明をする。ロックハートは更迭されるという話だが、聴聞会を前にやはりハッカニとの映像が気になる。マギーは母親に対して憎しみの気持ちを持っていたが、時間が経って考え方も変わってきたという。何よりも、子供を置いて去ったのはキャリーも同じではないか。父の葬儀を終え、キャリーはクィンと再会する。クィンはドイツ人諜報員アストリッドの手助けで、パキスタンを出たという。キャリーは自分もハッカニを殺しそうになってカーンに止められた事などを話す。自宅に戻り、キャリーはソールにアダールがハッカニと会っていた事について聞く。ソールはジョーに、そのことを話していないし、パキスタン側とも取引があったとは考えられないという。ただ、この件についてはクィンにも話さない方が良いだろ言うという。その夜、ソール、クィン、キャリー、ロックハートはくつろいで亡き父を偲ぶ。最後に残ったクィンは帰り際に、こういった普通の落ち着いた生活も良いものだと考えていたという。2人はキスを交わすが、キャリーは先に進める自信がないという。クィンはお互い最悪の時を経験し、普通の世界に戻るのに自分一人では難しい、一緒に抜けだそうという。キャリーは考えて見ると答える。キャリーは、父と母の写真を見直し、なぜ自分たちを置いて去ったのか、改めて母に聞いて見ることにする。居場所は車のナンバーから、何とか判りそうだ。クィンの元に部隊仲間が現れ、明日の夜に新しい任務で出発することになったという。イスラム国のテロリストをシリアに追うというが、クィンはもう辞めたと言って任務を断る。仲間はクィンに愛する人への手紙を託して去っていく。キャリーは母の家を訪ね、見知らぬ少年と会う。母の職場を訪ねたキャリーは、自分が知らない間に父親違いの弟が産まれていた事を知り動揺する。アダールはソールに、ハッカニと一緒に写っている映像を手渡す。アダールはこれを手に入れるためにハッカニに接触し、彼を暗殺リストから外し、タリバンがアフガニスタンを手に入れるのを認めるのを黙認する取引をしたという。ソールは不満だが、アダールは我々の仕事にモラルはなく、善と悪の境界線もない、我々は無人地帯の「無人」だという。アダールはソールにCIAへの復帰を促し、力を貸して欲しいと頼む。モーテルに戻ったキャリーにクィンから電話があり、様子をうかがう。弟の出現で動揺しているというキャリーは、今後の事を話そうというクィンに帰ったら話し合うと答える。キャリーはエレンに会い、弟の父親とは生まれる前に別れたと聞かされる。母は男性関係に奔放だったが、父はその都度許してきたという。しかし、結婚には向いていないと思い、何も言わず家を出た。現実と向き合えず、悪いのは自分だと判っているという。連絡しなかったのはもう人を傷つけたくなかったから。キャリーは自分が父と同じ病気を発病し、母親を必要としているときに捨てられた事を激しく叱責する。エレンは人付き合いが困難なキャリーに、あなたは大丈夫だという。納得できず帰ることにしたキャリーだが、クィンの携帯が通じなくなっていることを知り、帰宅しアダールの家に向かう。クィンは任務に復帰していた。アダールは今後連絡を取ることができず、撤退も彼ら自身の判断に任されるという。任務地はシリアからイラク方面になるらしい。キャリーはアダールがハッカニと会っていたことを知っていると言い、それをメディアにばらすと脅すが、アダールはソールに直接聞いて見ろと言い、滞在しているソールに会わせる。キャリーは言葉を失い、車を走らせる。キャリーの弔辞が丁寧に描かれていましたが、多分このエピソードは父親役の役者さんが死亡したために、特別な思いでストーリーを変えて挿入したんだろうなと思いました。彼らにとって大切な仲間ですから、理解できます。いきなり現れた母親については、今後キャリーのキャラクターを掘り下げるのだろうなと思いました。多分、家族問題で父親の代わりに設定されたのでは。キャリーはちょっと子供じみたリアクションでしたが、仕事は優秀だが不安定で問題児なキャリーのバックグラウンドとして、それもありだなと思います。娘の誕生を素直に喜べないのも頷けるし、父の死を乗り越え、少しずつ人間として成長していくのが見られるのではないでしょうか。まあ、確かにドロドロした政治の世界や、テロとの戦いの中では随分ちんまりとした話になりますが、降って湧いたようなクィンとの関係も上手く生かせるでしょう。というのは表向きなコメントで(笑)、あとはフラニーちゃんと仲良しなクィンに萌え、「今何している?」と聞かれて「君の事思っている」というクィンにもキュンとして、最期の手紙をキャリーに宛てて書いたことにもウフフであります。クィンが「普通の生活に戻りたいんだ」と言えば、大抵の女性は良いわとなるんでしょうね。例のドイツの女性もころりと騙されたんだろうな。(笑)でも、生死を分かち合う経験をした仲間が仕事だと頼みに来れば、仲間に背を向ける事はできなくて、戦場に戻っていくのでしょう。「ノーならノーと言ってくれ」というのも良かったな~待てないんだ。そして、クィンと話したいだけでアダールに食ってかかるキャリーの強引さもまたたまらん。凹むと思っていたソールが、CIAに戻って欲しいと言われてその気になりそうなのも、判りますね。彼も根っからの諜報員。またミラから追い出されそう。キャリーと、もしかしたら師弟関係を終わらせるのかしら。来シーズン、タリバンとの闘いはイスラム国との闘いになるのかなという気もしますが、クィンは優秀なのできっと生きて戻るでしょう。手を出せない領域にいるクィンと組織なり上司に疑いを持つキャリーがどう繋がるのか、来シーズンが楽しみです。現実世界で起こっていることがドラマとリンクして、複雑な思いをした今シーズンでしたが、並のソープにならずにあっと驚かせるプロットを期待したいです。