東電は国会事故調メンバーの「依頼人」か
大飯原発再稼働を首相が表明したとたん、国会事故調も原子力ムラ/東電におもねって、こんなことを言い出しました。--国会事故調:「官邸介入で混乱」福島原発の初動対応批判毎日新聞 2012年06月09日 21時50分(最終更新 06月10日 00時50分) 東京電力福島第1原発事故の原因などを調べている国会の事故調査委員会(国会事故調、黒川清委員長)は9日、当時首相だった菅直人氏や東電幹部らを聴取した結果などを踏まえ、主な論点についての見解を整理した。首相官邸の対応については「頻繁に(現場)介入を繰り返し、指揮命令系統を混乱させた」と指摘。事故現場に直接問い合わせるなど、過剰な介入があったとの認識を示した。 月内の報告書とりまとめに向けて公表した。水素爆発が原発で相次いで起きた後、東電が原発からの職員の全面撤退を官邸に打診したとされる問題については「東電が全面撤退を決定した形跡は見受けられない」と結論づけた。 政府の情報発信に関しては「(原子力災害対策特措法に基づく)通報の重要性や意味合いを十分に認識できず、情報の伝達、避難指示の遅れが生じた」と批判。また、「確実に確認できた情報のみの発信に終始し、情報が限定的に伝わった」とした。http://mainichi.jp/select/news/20120610k0000m010068000c.html--これは、既にこのブログでは述べさせていただいた内容ですが、東電はあの時全員を退避させる意向だったことは明らか。そして、その後の言い訳が「嘘」であることは、東電の作成した資料が証明しています。4ヶ月前の記事を改めて引用しておきます。==============================>産経A記者のデタラメ(3) 東電は撤退しようとしていたか>(略)>>-->だが、東電の勝俣恒久会長は3月30日の記者会見で明確にこう否定している。>> 「施設にいた800人を超える職員のうち、直接、発電所の運転に関わらない>半数の作業員は退去を考えたが、全員を退去させるということは決してなかった」>>http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120108/plc12010803130003-n2.htm>-->(略)>>この勝俣会長の「否定」は東電が作成した資料で「明確にこう否定」されていま>す。>>-->『福島第一原子力発電所 被災直後の対応状況について』>>○「3/15 6:00~6:10頃 圧力抑制室付近で大きな衝撃音が発生」以降の活動内容>・ 6:00~6:10 頃 圧力抑制室付近で大きな衝撃音が発生。圧力抑制室内圧力が> 0MPaabs を示す。>・ プラントの監視,応急復旧作業に必要な要員を除き,一時的に福島第二へ避難。> 650名が福島第二へ移動,退避直後は約70名が本部に残留>>http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110618l.pdf>-->>どこが半数ですか。>実際には9割の人員が退避しているではありませんか。>で、菅さんに怒鳴られたのは事実なのですから、彼に矛を収めてもらうために残す人数を増やした、言い換えれば最初に打診した人数は70名よりももっと少なかった可能性大。>>だったら、「全面撤退」を打診したと受け取るのが自然というものですよ。>(略)>http://plaza.rakuten.co.jp/whitesand72/diary/20120213/==============================彼らが本当に800名のうちの半数を退去させることを考えただけなら、400名程度の要員が残っていたはず。でも、実際には70名しか残さなかったと彼ら自身が言っているではありませんか。こんな明々白々な事実さえ把握出来ないなら、国会事故調メンバーの目は全員節穴と言ってかまわないでしょう。そして、半数の退去程度の話だったら、一体全体彼らは何のために政府に「申し入れ」など行ったのか。これも既にここで述べた通り。==============================>産経A記者のデタラメ(4) 東電の誤魔化し>(略)>>だいたい、「伝言ゲーム」なんて言いますけど、そもそも「全面撤退」ではないような話をなんでわざわざ政府に申し入れなければならないんです?>>福島第一原発には通常時なら数千人の人が働いている。でも、その申し入れをした時点で、会長によれば「800人」、東電の作った対応記録によれば「720人」の人しかいなかったんでしょ。>即ち「作業に直接関係のない一部の社員を一時的に退避させる」なんてことは、「いずれ必要となるため検討したい」も何も、とっくの昔にやってしまっていたんでしょ。>>だとしたら、改めてそのような「申し入れ」をしたとしたら、それは「全面撤退」以外に無いんじゃありませんか?>>既に「数千人」もの人間を政府に断らずに避難させているのに、いまさら「数百人」の人間が避難することを「いずれ必要となるため検討したい」なんて断りを入れる理由が無い。>あるいは、それまでも政府に作業員が避難する前に必ず断りを入れていたんでしょうか? だとしたら、この時だけ政府がそれを強く拒否する理由が無い。>(略)>http://plaza.rakuten.co.jp/whitesand72/diary/20120214/==============================既に数千人を退避させているのに、何でわざわざ数百人を退避させるのに政府に断りを入れなければならなかったのか。あるいは、もしそれまで退避の度に政府に連絡を入れていたなら、何でこの時だけ政府は断ったのか。東電の言っていることには、全く合理的な説明がつきません。そして、この程度の確認もやらなかったらしい事故調メンバーは、はっきり言って「無能」。で、滑稽なことにこの事故調の報告を主査としてとりまとめたのが、あのバカ殿の腰巾着である野村修也弁護士だというのですから、ホント、何の冗談かと笑ってしまいます。「無能」な市長の腰巾着は「無能」な弁護士。ただまあ、本当のところは「無能」というよりも、公平・公正なんてことには全く興味がない、ただ自分を高く買ってくれる者には、白を黒と言い張ってでもその期待に応える。そういう人物だということなのでしょう。弁護士としてなら、ある意味正しい姿勢とも言えるのでしょうけど、市長、あるいは調査委員会メンバーという立場を完全に忘れている、そういう意味の「無能」なのかもしれませんね。バカ殿は関西電力、関西財界が「依頼人」、その子分は東京電力が「依頼人」。そういう立場で弁護士として活動するなら、さっさと今の立場から離れなさいってことです。