カテゴリ:○年前&備忘録
重窒素で標識されたアミノ酸での実験 マウスに餌を与えるんだけど、餌に重窒素で標識されたアミノ酸を3日間与える。 食べたものがどこに行くのかって実験だけど、ほとんどが排泄されて、腸管などで吸収されたものが・・・・・あいまいになんとなく吸収されんだろうとは思うけど、どゆーふーに形を変えてとか具体的にどこに行くのかって分からない。養分を吸い取って排泄するイメージ。ところが! 尿として排泄 27.4% 糞として排泄 2.2% 1/3が排泄されたけど、ほとんどのものが体内に留まったってのが結論。 どこに留まるかってと 答えはタンパク質 56.5%が体を構成するタンパク質に構成されていた。 取り込み率が高いのが、腸壁、腎臓、脾臓、肝臓、血清 筋肉タンパク質への取り込みは実験前の予想に反してほとんどなかった。 実験期間中ネズミの体重に変化はなかった。 変化はなかった! つまり、新たなたんぱく質と同じ量のたんぱく質が、恐ろしく速い速度で、バラバラのアミノ酸に分解されて排泄されていたのだ。 重窒素を構成するタンパク質がネズミのあらゆる組織に顕れた。 ネズミを構成するタンパク質が食事由来のタンパク質によって3日間のうちにガラリと置き換えられた。 自分の体はたんぱく質によって構成されている。体が毎日の食事によってどんどん置き換えられて今の自分が存在している。 こうしてキーボードを叩いている間にも、今の自分が今でなくなっている。自分の体のタンパク質が砂粒だと考えると、食事の度に新たな砂粒が入ってきて、その砂粒が体のありとあらゆる場所で置き換えられて、今まで構成していた砂粒は排泄されるわけだ。 毎日生活している自分の体は、食事によってどんどんと置き換えられている。 体は流れているわけで、通り過ぎるタンパク質によって構成されているわけだ。 分解して再構成している。 「お変わりありませんね」 「いや、全然違います」 髪の毛や爪は置き換わるのが実感できるけど、体のありとあらゆる場所が置き換わっていたんだ。 現状維持に必用なのは分解と再構築。 体は変化しながら、現状維持をしている。それでも老化という退化過程を辿っていく。 人間変化しないと、考え方を、行動を、一歩前に進める努力をしないと、現状維持も出来ない。 現状維持をするには一歩前に踏み出さなければならない。 前に進みたいなら2歩踏み出さなければならない。 今を生きるとか前向きにとか一歩踏み出すとか心の問題として捉えていたけど、生きるって事を分子レベルで考えるとオドロキの真実があった。
生物と無生物のあいだ
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最終更新日
2007.11.22 07:19:20
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