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2018.04.29
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カテゴリ:カテゴリ未分類



(シリタカ山からの白山)

笈ヶ岳(おいずるがたけ)は石川、岐阜、富山の3県の県境に位置する標高1,841mの山だ。白山の北側に位置し、日本二百名山に選定されたこともあってか、最近とみに人気が高い。深田久弥は、「登っていたら100名山にした」といったそうで、北海道の二ペソツと同じ。しかし、稜線には登山道がなく、雪の消えた稜線では藪漕ぎを強いられることになる。その点では二ペソつよりハード。ラッセルか藪漕ぎを避けたければ残雪期の4月中旬から5月上旬までの1か月の間に登ることになる。つまり、残雪期にしか登れない山として知られている。実際は、身近に10月に西側の沢から尾根を経て登った友人がいたが、先導した人はルートを開拓するのに7年かかったそうだ。一般に使われるコースは普通の足では行程は10時間を越える強行軍になるが、それでも8割は日帰りするそうだ。

今回、G山の会の匙リーダーが笈ヶ岳を企画してくれた。リーダーは無理が嫌いの亀さん派で、のんびりと山中テント泊ということになった。

コースタイム
1日目(2018年4
28日)
 12:15
中宮温泉ビジターセンター発ー12:50 渡渉点ー17:30 冬瓜平(かもうりだいら)幕営地
2日目(4
29日)
  5:55
幕営地発ー北側トラバース道ー9:20~10:00 笈ヶ岳ー 11:20シリタカ山ー冬瓜山ー12:55 幕営地
4
30
  5:50
幕営地ー8:30 渡渉点ー9:40 中宮温泉ビジターセンター

1日目
朝、東京を新幹線「かがやき」でたち、9:51に金沢に着いた。駅で金沢のザキさんと滝さんが出迎えてくれた。総勢9名が2台の車に分乗し、約1時間半で中宮温泉ビジターセンターに着いた。当初の予定では山毛欅尾(ぶなお)から登る予定だったが、中宮温泉までの道路が28日朝8時(つまり、当朝)に開通するという情報をザキさんから得て、ザキさんのアドバイスに従って急遽、ジライ谷コースに変更した。こちらのほうが時間が短く、現在の一般コース。



11時半、中宮温泉ビジターセンター着。



共同装備を分ける。私はピッケルを置いてきてしまったことに不安感があったが、笈ケ岳に登ったことのあるザキさんと滝さんも持ってきていないということで、少し安心した。「日本300名山」にはピッケル必携と書いてあったが・・・。12:15、中宮温泉ビジターセンターを出発。



道端にカタクリの群落があって、咲いている。



歩き始めは川沿いの平坦な遊歩道。春の日差しを浴びて歩く。12:50、このコースの難所と言われるジライ谷渡渉点に着いた。一休み。沢は少しジャンプする場所があって、私はドジって頬をこすってしまった。



そこから突如、急登が始まる。先行した2名がルートを間違えて、バリエーションとしか思えないような右の沢ルートを取りそうになり、後続はそれに続かず軌道修正した。急登をひたすらたえて登る、登る。雪は全くなく、道ははっきりしている。ところどころにロープが張られている。



15時近くには傾斜もゆるみ、一時、雪も出てきた。



15時半過ぎ、右手に稜線が望めるようになった。とがっているのは冬瓜山のピークか。



イワウチワが咲いている。



イワカガミも!
テント山行の初日の荷重にあえぐ男性陣。リーダーの評では、「女性が元気で、荷重のハンディをつけすぎたか」とのこと。尾根を進み、標高1300mを越えると雪がつながっている。最初、小さなテントは1張、それから一段上の広い場所で山岳会と思われるパーティーがテントを2張、張っていた。ここは冬瓜平(かもうりだいら)の入り口あたり。



17:30、私達はそこから左に回って一段上の広い所でテントを張った(1414m)。



正面に白山を一望する素晴らしい場所だった。夕食は仁さんがシェフで、キャベツにソーセージを入れてゆで、ひよこ豆などのマメをのせた鍋と、マカロニにポトフをかけたものだった。コックぶりに仁さんの繊細さを知る思い。3人テントに女性が2名、6人テントに6名、リーダーは趣味の雪洞に泊まるという。6人テントが窮屈とのことで、「湯たんぽ~」と叫んで、男性を1名、女性テントに呼びこんだ。




満月に近い月が切り絵のような梢の向こうに上がる。白山が月あかりを受けシルバー色に輝き、荘厳に静まり返っている。ふくろうがいつまでもホウッ、ホウッとないていた。贅沢な晩である。22時ころ、就寝。

2日目



4時起床。朝食は昨夕、戻してあったアルファ白米に、ザーサイや沢庵のパック詰め。5時半ころ外に出ると、もう登山者が通過していく。すぐ下にテントを張っていた5,6名のグループも一足先に出発していった。アイゼンをつける。



5:55
幕営地発(1414m)。すぐ冬瓜山の登り口につく。



登りにはとりつかず、左に降りて稜線の西側をトラバースする。トレースはあるが、ザキさんがいて心強い。



冬瓜山とシリタカ山の両方を巻いてしまうルートで、想像していたより大きな迂回路だった。



朝日がさしてきて明るくなると気分も明るくなる。




笈ケ岳の山頂が見えてきた!



一休みしてから、稜線路との合流点、鞍部に登り上げる。



7:43、鞍部に出る。西側正面、左に笈ケ岳、その右に笈のピークが見える。笈(おい、またはおいずる)とは修験者が仏具や衣類を入れて背負う四角い箱で、笈ケ岳の形がこの箱に似ていることから山名が名づけられたそうだ。ジャンクションピークへ登る南西尾根がせりあがっている。そこに5,6名のグループが小さく取り付いているのが視認された。頂稜の、こちら側から見える西側斜面は黒く雪が付いていないので、苦労するかと思われたが、幸い、ルートのある東側は雪が繋がっていた。



尾根を登っていくと、ルンゼの急斜面となり、主稜線に突き上げる。さらに左手の藪を突破すると、 ジャンクションピーク。



眼前が開け、白い斜面が広がり、大きく段々となってせりあがっていた。一休みして雪原を登っていく。左手に雪の着いていない黒々としたピークがちらっと見えた。



これこそが笈ヶ岳のピークだった。小笈から一下りして、雪の斜面をたどって、最後は地面をよじ登ると山頂だった。ピークの右側に200名山の大笠山が見える。尾根続きで縦走ができそうだ。



9:20、 笈ヶ岳(1841m)!山頂の道標の幹はクマにかじられたらしくえぐれ、もうすぐぽっきり行きそう。来年にはなくなっているかも。この登山道の唯一の道標だが。







360度の大絶景を楽しむ。ザキさんが山を教えてくれる。三岩山などの山も見える。



そして遠くには北アルプス、南は槍、北は白馬までわかる。その南には乗鞍、御嶽・・・。山頂は狭く、登山者が続くので、一段下に降りて休んだ。トータルで40分休んで、10:00、出発する。



鞍部まで戻ってくると、トクさんが稜線路を帰りたいと言ったので、稜線を行くことになる。まずは120mの登り返しをすると雪の山頂に出た。



11:20、雪に覆われた広々としたピーク、シリタカ山。 白山の展望が見事。昨年も笈ヶ岳に登ったという登山者が、「今年は雪が少ない!」と言っていた。すれ違った男性も、「今年は雪が少なくて、う回路を通り人が多いんでしょ」と言った。一段低い所でテントを張っている人がいた。



次の冬瓜山のピークまで、意外とアップダウンがあって時間がかかった。最後は雪のついていない小崖を登ると長さ5mほどの痩せ尾根があった。雪があると怖いらしいが、雪がないとリッジ沿いに足場があって、どうということはなかった。落ちても大した高さではない。



12:15、冬瓜山の山頂は狭かった。



登りだと雪がないと木登りという斜面を慎重に下る。所々で左右に残雪を拾って藪を縫う。平らな場所に降りて進む。



12:55、テント場に帰着した。テントが3張り増えていた。テント場から山頂まで登り3時間半、下り3時間だった。う回路を下ってくれば1時間早かったとのこと。稜線路が時間がかかることがわかる。
私はてっきり下山と思っていたが、リーダーさんがここで宿泊すると宣言。明日は予備日で、天候がよさそう、それに疲れたので無理をしたくないなどが理由だった。雪で作ったテーブルで宴会をする。無風で気持ちがよい。登山者がうらやましそうな顔をして脇を通り過ぎていく。しばらくして私は眠くなってしまったので、テントにもぐりこんだ。16時ころに夕餉となり、食当のリーダーさんがビーフンを作った。食べ終わってからザキさんが「これで終わりですか?」と不満げにきいた。確かに、前菜程度の気がしなくもない。ザキさんは自分でラーメンを作って食べていた。夕方、下りきれなかった夫婦がツエルトでビバーグをしていた。



宴会が終わるころ(17時ころ)、消防ヘリが飛んできた。ザキさんは巡回ヘリといったが、妙にくどいように飛んでいたので、遭難と思われた。ヘリは冬瓜山の南西側の尾根の両側の谷などを低くなめるように捜索しているのが見えた。隣のテントのペアーが、その脇のテントの人がまだ戻って来ていないと言い出したので、テントの内部をチェックした。シュラフが2つあって、2名が山頂からのアタックから戻ってきていないようだった。ヘリがテント場のすぐそばでホバリングして、拡声器で何か言っているが、聞き取れない。119番に電話して確かめると、下山中の登山者が一人、グループとはぐれて戻っていないとのでで、何かあったら手助けしてほしいということだった。脇のテントは二人なので違うと思われ、実際、しばらくたってからペアーが戻ってきた。ヘリはいったん戻って、次は警察ヘリが飛んできて遅くまで捜索していたが、遭難者の発見には至らなかったようだった。暗くなってきたので、ヘッドランプを付けていれば明かりが見えて探し出しやすくなるのだが。私も、隣の尾根を歩いていて見つけてもらったことがある。



日本海に沈む夕日がきれいだった。夜、風が強かった。シリタカ山の幕営テントは無事だろうか?

2018年4月30日(月) 快晴 
朝食は各自食。私はきつねうどんを食べたが、二人はパンを食べていた。ヘリが朝早くから捜索に飛来していた。5:50、出発。下山路で50名近い人とすれ違った。今日も短い登山適期の登山日和。



こぶしが2日の間に一気に花開いたようだった。



下りも結構険しいなあと思った。徳さんがザックに刺してあったピッケルを落とし、仁さんがピッケルを救出した。大事には至らず、よかった。渡渉点では誰かが木のはしごを掛けてくれていて、楽だった。あとは川沿いの平坦な遊歩道を初夏のような日差しを浴びながら歩いて行った。



トンネルを2つ通過。



ここは遊歩道なのでよく整備されている。



イカリソウが咲いていた。
9:40、中宮温泉ビジターセンター着。消防署関係者と報道の方がいた。消防署の方と話して遭難の概要がわかった。3名の登山者が山頂に届かず、戻ることにしたらしい。帰路、2名が稜線コースを、1名がう回路を取るということで別れた。2名が冬瓜平に着いたときに、早く着いているいるはずのう回路を取った1名がいず、戻ってこなかったという。集中的にう回路のある尾根の左側(西側)を捜索すべきだったと思われる。「登山道はない」としている分、救助の初動体制に厳しい面があるのかもしれない。遭難者はこの日の午後2時ころ、沢で遺体となって発見されたという。ザキさんによると鞍部から沢を降りすぎると崖になっていて危険とのことだった。鞍部から北西に尾根を巻いて、それから直角に南西に進むところがあるが、ここでまっすぐ降りやすいかもしれない。雪面に足跡はあったと思うが。



帰路、観光客が来ないという一軒宿の白山里で入浴。



そばを食べる。12時頃出て、13時頃、金沢駅に送っていただいた。2名が観光するとのことで別れ、5名は13:56の新幹線はくたかで帰京。私は夕方の指定券をキャンセルしたが、金沢始発なので問題なく座れた。車内で山岳同定のプロのKさんのレクチャーを受けながら帰った。

念願の山に登れて満足したことでした。




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Last updated  2018.06.10 22:36:15
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