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ポンコツ山のタヌキの便り

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2012年05月27日
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カテゴリ:落語
今日(5月27日)の午後2時から鹿児島市の黎明館2階講堂で「桃月庵白酒独演会」が開かれ、やまもも夫婦も聴きに出掛けました。

 桃月庵白酒師匠は1968年12月26日に鹿児島県南大隅町(旧根占町)に生まれ、鶴丸高校から早稲田大学に進学し、同大学3年生のときに中退し、五街道雲助師匠に入門し、2005年に真打に昇進しています。今日会場で配布されていたチラシに「古典落語の明日を担うホープ」とあり「愛嬌あるお顔と張りのある美声/江戸の風を運ぶ 白酒師匠の落語/古典落語の楽しさを/今年も一緒に愉しみましょう」とありました。

 私が白酒師匠の独演会を聴きに行きたいと思ったのは、落語関係の本で目にする白酒師匠の評判の高さによるものでした。例えば、最近読んだ広瀬和生『落語評論はなぜ役に立たないのか』(光文社新書、2011年3月)には、「あくまでも一人の落語ファンとして二〇一〇年を振り返ると、『桃月庵白酒、春風亭一之輔、立川こしらの三人を熱烈に追いかけた年だった』という印象だ」とあり、「桃月庵白酒」について「二〇〇五年に真打昇進してから、年を追うごとにグングン魅力を増した。特にこの一、二年ほどの活躍ぶりは目覚しい。/白酒の落語を僕は二〇一〇年に五十四席観たが、まったく『ハズレ』が無く(中略)鮮烈に記憶に残っている演目は数多い」と絶賛しています。

 さて、今日の独演会で白酒師匠は「代脈」、「転宅」、「抜け雀」の三席を高座にかけました。私にとって「代脈」は初めて聴く噺でしたので、マクラで葛根湯ばかりを処方したり、患者の容態をろくに見ずに手遅れですと診断する藪医者のことが出てきましたので、ははん最初の演目は「死神」だなと勝手に推測したのですが、噺に登場する医者の名前は尾台良玄(おだいりょうげん)でその弟子が銀南(ぎんなん)だとのこと、良玄がこの銀南を代脈(代わりに診察させること)として大店のお嬢さんで蔵前小町と評判の綺麗な娘さんの容態を診察に行かせるというところから始まるので、これは初めて聴く噺だとメモを取り始めました。

 この噺の面白さは、良玄が初めて代脈に送り出す銀南に、大店の番頭が出てきたら鷹揚に「ハイハイと言うこと」とか「煙草盆が出されても喫む必要はない」などと注意をした後、「お茶とお菓子が次に出される」と言ったものですから、日頃からお菓子が食べたいと思っていた銀南が目を輝かせ、頭のなかはもうお菓子のことばかり、後から聞かされた忠告は上の空で聴き流し、実際に大店に代脈に行って与太郎的なトンチンカンな対応をするというものです。良玄の事細かな忠告と大店に代脈に行った銀南の実際の言動との似て非なる大きなずれの生み出す可笑しさが巧みに演じられ、とても楽しい噺となっていました。

 二席目が「転宅」で、妾宅に泥棒に入った男が、したたかな妾のお菊に色仕掛けの手練手管に軽く騙されるという噺で、泥棒にしては真っ正直で初(うぶ)な男を白酒師匠は見事に演じていました。なお、この妾のお菊、昔は娘義太夫をしていたこともあると知って、「上手く騙りやがったな(語りやがったな)」というオチは「義太夫を語る」という表現を知らない今の若い人たちにはピンと来ないかもしれませんね。

 中入り後の第三席でやっと録音されていたお囃子が些かずれながらも入れられ、白酒師匠もそのことを上手くネタにして笑いを取っていました。さてその三席目は「抜け雀」で、全く女房に頭の上がらない気の好い宿屋の亭主と、文無しでその宿屋に逗留したのに、文無しということが判明しても全くそのことを意に介せず、反対に屏風に絵を描くために宿屋の亭主をこき使ったり叱り飛ばしたりする絵師の立場の逆転状態が笑いを誘っていました。

 今回の独演会、文字通り白酒師匠が三席とも全て高座に上がる独演会で、そのはっきりとよく通る美声で観客を大いに楽しませてくれました。





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最終更新日  2012年05月27日 22時49分45秒
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