テーマ:☆詩を書きましょう☆(8327)
カテゴリ:詩
手帳
毎年 暮が近づくと 手帳を買う 表紙は決まってお気に入りのものを選ぶ 今年の表紙は 薄紫の地に 白い小さな水玉模様 昭和のハンカチの柄に似て懐かしさを誘う 使い始めはインクの汚れもない まっさらな紙と印刷の匂い さてどんな1年を書き込むかと うきうきする 月日を重ねるにつれ 見開きのカレンダー式手帳には 今にも崩れそうな文字や 肩ひじを張った文字が踊りだす 自分でも読めない字に出逢う ーあなたは誰?何と読むの? 歳とともに1日おきの外出しか出来なくなると カレンダーの空白も増えてくる その空白は私を癒してくれる いいからこの日はお休みと 母のように囁くのだ 予定がいっぱいで手帳が文字であふれると 空白を作るため どれかを二重線で消さなければならない 苦渋の選択 体調が悪くなった時も二重線で取り消す こうして手帳は後悔の二重線でいっぱいになる 新しい紙と印刷の匂いで 芳香を放っていた手帳も 月日とともにその香りを失い じわじわと浸みこんだ汗のにおいに代わっていく 後悔のひとしずく 悲しみのひとしずく そしてある時は歓喜のひとしずくも 書き込んだインクと 浸みこんだ汗のしずくが 文鎮のようにずしりと身にこたえる けれどそれは私だけに感じられる重さかもしれない それは人知れぬ私の1年の歴史の重みかもしれない byドレミ・どれみ (澪50号掲載) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
手帳の予定通りには、なかなか行かないんですね。
私も毎年買っていましたが、つい使うのはiPhoneのカレンダー。 私の予定は、iPhoneが壊れたらサッパリ??? アナログの方も併用すればいいと思いながら、毎年空白のまま。 数年前から、買うのをやめました^^; (2019.05.02 19:59:32)
fujiwara26さんへ
お褒めいただいてありがとうございます。 私の詩は、いつも思うのですが、短編小説のように長くて、筋書きのようなものがあると。 短編小説のようにはいかないですが…。 fujiwara26さんのような長編は、とても書けませんが…。 (2019.05.02 22:49:27)
ドレミさんの心の詩ですね。
とっても素敵です。 私もこの年になって初めて、この詩の良さがわかるのだと思います。 共感します。 でもまだ予定を書き込めるだけ幸せなのかもしれませんね。 これからもたくさんではなくてよいから、少し書き込めるとうれしいな。 (2019.05.03 05:04:45)
・・ゲンエキを離れると同時に「手帳」からも 離れ「余白」を取戻し"自休"、
「日記」は 自作「3年日記」(これ以上だとフアンあり)に メモ書き、 インクは ウォッシャブル・ブルーを LAMYで。 (2019.05.03 08:44:23)
おはようございます。
ご自分の1年の歴史の重み、 拝読させて頂いても、その重み心に響きます。 以前の記事「袱紗やさん」にお越しいただきした、 有難うございました。 (2019.05.03 08:58:10)
おはようさんさん。
いつも応援ありがとなし。 現役の時は、手帳は スケヂュールで、 いっぱいでした・・ でも、今では、書き込みの 方が、珍しく・・・ それも、通院の予定しか ないものね・・・ (2019.05.03 09:59:48)
masatosdjさんへ
半年前くらいに書いたので、時間がずれてしまいました。 1年の日記です。 でも話題が新鮮と言っていただいてありがとうございました。 (2019.05.03 16:48:11)
naomin0203さんへ
そうですね。30代の人はなぜ1日おきにしか出かけられないのかわからないといっていました。 年取った人は共感できるといってくれましたが…。 でもまだ予定が書きこめるだけいいですね。 (2019.05.03 16:56:34)
jiqさんへ
以前は3年日記をつけていたのですが、もう不安でたまらなくなり、いつのころからか1年だけの予定メモになってしまいました。 これがないと予定が覚えられないのでダメですね。 (2019.05.03 17:02:37)
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